【京都大賞典(G2)予想】「雨予報」だからこそ「重馬場の鬼」ディープボンドほか道悪巧者の穴馬まで押さえて高配当狙い
今回は西の天皇賞・秋(G1)の前哨戦であり、ジャパンC(G1)へのステップレースにもなっている京都大賞典(G2)を予想していく。
まずは過去10年、馬券に絡んだ30頭の前走データを見ていくことにしよう。昨年、一昨年は阪神2400mでの開催だったが、傾向に差がないのでまとめてみる。
宝塚記念 13頭
天皇賞・春 3頭
目黒記念、新潟記念、丹頂S(OP) 各2頭
安田記念、大阪杯、札幌記念、鳴尾記念、マーメイドS 各1頭
条件特別(3勝クラス) 3頭
となっている。こちらは長距離戦ということもあってか古馬王道G1からの臨戦が最多。安田記念(G1)からの臨戦・好走もあるが、基本は中距離以上の重賞から転戦してきた馬が中心になるだろう。ただ、格式の高い重賞の割に条件戦からの臨戦でも意外に通用しているようなので、その辺にも注意は払っておきたい。
続いて人気順の成績を見ていく。
1番人気 2-3-2-3
2番人気 2-1-3-4
3番人気 2-0-2-6
4~6番人気 1-5-3-21
7~9番人気 1-1-0-28
10番人気以下 2-0-0-41
となっている。1番人気は信用できる数字で、ここ3年連続で2着に来ており、傾向としても軸にできそうだ。2番人気は微妙なところだが、近5年で3頭来ているので、こちらも傾向としては買える。中穴クラスが人気馬に割って入るパターンが多く、それほど荒れるレースではないが、19年のように11番人気→6番人気→5番人気と人気薄で決着することも起こるので、人気薄だからといって軽視するのは禁物だ。
そして、今年も3連休の変則開催で月曜日の発走なのだが、その月曜日の天候が怪しい。現時点では日曜夕方過ぎから月曜昼くらいまで降水確率が高く、雨の予想。日曜日の夜はそれなりに降りそうだが月曜の朝は小降りの雰囲気。重馬場くらいまでの馬場の悪化が予想できるので、今回は重馬場適性も加味して予想していきたい。
これらを踏まえて「◎」は6番ボッケリーニとする。
前走は宝塚記念(G1)。内枠からスタートを切ると、ポジションを下げていき後方待機策に。澱みのないハイペースで流れていき、4コーナーではほぼ最後方で直線へ。上がり3位の脚で追い込みはしたものの、届かず7着に終わっている。
阪神で行われた昨年のこのレースの2着馬。その後ジャパンC(G1)と有馬記念(G1)を走り、ともに二ケタ着順といいところがなかったものの、今年初戦の日経賞(G2)ではタイトルホルダーに大きく離されながらも2着、そして2走前の鳴尾記念(G3)で重賞3勝目を飾った。
少なくとも調子落ちしている状態で休養に入ったとは思えず、単純に「G1ではちょっと足りない馬」であることがわかる。そして、鉄砲駆けするタイプで過去5回の休み明けはすべて連対している。加えて「鬼」レベルではないが、渋った馬場はかなり得意なよう。過去5戦道悪を走っているが1勝2着3回と好成績。残る1回も不良馬場で4着なので、馬場が渋ればチャンスも大きくなる。
陣営からも「帰厩してから馬体が締まってきた」との話。「極端な速い決着になると厳しいがG2なら力は上」とかなり強気のコメントが出ている。長距離重賞の実績もあり、前走の負けが響いて人気を落としているようだが、だからこそ狙っておきたい1頭だ。
「○」は人気薄の5番インプレスを挙げる。
前走は新潟記念(G3)。スタートで出遅れて後方からの競馬に。緩く流れるペースでそのまま後方を進み、直線へ。直線では内を突いて内ラチ沿いを上がり最速の33.4秒で伸び、2着にクビ差まで迫る3着に入った。
昨秋に3勝クラスを脱出してオープン入り。しかし、オープン初戦となった今年の京都記念(G2)を11着に大敗。以降、4戦消化して3戦で二ケタ着順といいところがなかった。前走は10番人気と人気薄だったが、変わり身を見せて好走してみせた。
その前走は2000mだったが、条件戦の頃は長距離を中心に使われていたこともあり、長距離に良績が集まっている。この馬も渋った馬場への適性はあるようで、4戦して2連対。問題にしないタイプだろう。
それでいて、持ち時計も好タイムをマークしているほか、上がりも32秒台の鬼脚を使える実力があるので、晴雨兼用と言える。重賞3着で変わり身を見せただけに、調子は良いはず。人気は相変わらずないようなので、人気薄でも押さえるべきだろう。
「▲」は人気サイドだが1番ブローザホーンを推す。
前走は札幌日経オープン(L)。内寄りの枠から好スタートを切って3番手につけて前を見る格好に。馬場が渋っていたせいもあってかスローで流れる中、早めに前へ進出していき、4コーナーでは先頭に立って直線へ。そのまま直線で後続を引き離していき、後ろから来た馬を6馬身ちぎっての圧勝だった。
昨年までは今ひとつ冴えない成績だったが、今年に入って初戦を5着すると、その後2勝クラス、3勝クラスを連勝。2走前の函館記念(G3)も初重賞で3着に好走し、前走では2600mで圧勝するパフォーマンスを見せた。
この馬は持ち時計が平凡な代わりに、重馬場への適性が高い。クラスの上がった近3走はいずれも渋った馬場だったが、2勝3着1回と好走。過去に遡っても馬券圏外は2回だけと好相性。前につけて押し切る競馬をするあたり、エピファネイア産駒だけにパワー型に出たのだろう。
今回のように馬場が渋ることが予想されるのであれば、こういったパワー型の馬に出番があるはず。陣営も「高速決着よりクッションが効いた馬場の方が向いている」として、雨予報は大歓迎のよう。馬券圏内なら十分に考えられる。
「△」はG1馬ながら人気を落としている2番ヴェラアズールと、人気の軸になりそうな4番ディープボンドの2頭とする。
ヴェラアズールの前走は宝塚記念で、スタートからポジションを下げていき、後方で抑える競馬に。4コーナーでほぼ最後方から追い上げていったが、8着止まりだった。
元々ダート馬で成績が頭打ちになっていたところ、昨年春に芝へ転向するとあれよあれよと出世し、3勝クラスから昨年のこのレース、ジャパンCと3連勝した。ただ、その後は有馬記念から海外遠征、前走と見せ場なしの凡走が続いている。
今回は休み明けということで、本来は鉄砲駆けするタイプではなく、叩き2走目の方が成績はいいのだが、この馬も渋った馬場に適性がありそう。芝に転向して稍重を2回経験して2勝。持ち時計はあるが、ダートを走っていたこともあってスピードよりパワーが勝っているのかも知れない。
陣営からも「着実に良くなっている」と復調気配をうかがわせるコメントが出ている。京都の芝は初めてだが「外回りは合っている」として「本来のパフォーマンスが出せれば、上位争い可能」と強めの話が出ている。G1馬だけに、その実力は侮れない。
ディープボンドの前走も宝塚記念で、こちらは中団から脚を伸ばしていったが僅差の5着に終わった。
天皇賞・春(G1)3年連続2着など長距離実績は言うまでもなく、重馬場適性は鬼レベル。
陣営からも「実績上位として、好スタートを切って欲しい」との話。時計勝負になると置いていかれる可能性があるので「渋った馬場の方がいい」とコメントしている。馬場が渋る可能性が高いとなれば、人気していても押さえざるを得ないだろう。
ということで、今回は1番、2番、4番、5番、6番の5頭で3連複BOX10点勝負とする。内目の枠に偏ってしまったが、これはたまたま。しかし、過去データは内枠の方が好成績を挙げている。また、人気馬を押さえてはいるが、抜けて人気の馬がいないのでオッズは割れるはず。順当に決まっても、それなりの配当は期待できるのではないだろうか。
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