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菊花賞「嫌われ過ぎ問題」が再燃!? なぜ今になって実現したのか…「23年ぶり」に皐月賞馬とダービー馬が激突した背景

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リバティアイランド 撮影:Ruriko.I

 15日に行われる秋華賞(G1)は、春の二冠を制したリバティアイランドの出走で早くも当確ムード。レースが終わるまでは分からないものの、ライバルを圧倒する走りを見せている馬だけに、順当なら史上7頭目の牝馬三冠を達成する可能性が高そうだ。

 これに対し、牡馬のクラシックラスト一冠となる菊花賞(G1)については、まだまだ混戦模様である。

 本来なら皐月賞(G1)を無敗で制したソールオリエンスが断然人気に推されても不思議ではないものの、前哨戦のセントライト記念(G2)でレーベンスティール相手にまさかの敗戦。日本ダービー(G1)を制したタスティエーラもトライアルを使わずに菊花賞に直行するため、万全な状態で出られるかは疑問が残る。2頭がG1馬とはいえ、皐月賞馬とダービー馬の一騎打ちとなるかどうかは疑わしいところだ。

 その一方で皐月賞馬とダービー馬による菊花賞での激突が、23年ぶりという事実には少々驚かされる。何しろ一昔前なら3歳馬の秋の大目標として菊花賞を視野に入れるのが常識であり、短距離色の濃い馬たちはマイルCS(G1)やスプリンターズS(G1)に使われるケースも珍しくなかった。

 ところが、同じ牡馬のクラシックとして肩を並べていたはずの菊花賞だけが、ここまで“嫌われる”ことになったのはなぜだろうか。

 勿論、レース体系が整備され、それぞれの距離を得意とする馬の棲み分けが進んだことは間違いないものの、これほどまでに“差別化”が進んでしまったことについては、主催者であるJRAも看過しづらい現実のはずである。

 これでは「もっとも速い馬が勝つ」皐月賞、「もっとも運のある馬が勝つ」ダービーに対し、「もっとも強い馬が勝つ」といわれてきた菊花賞の看板に翳りが見える状況。にもかかわらず、なぜ今ごろになって皐月賞馬とダービー馬の対決が実現したのか。

「23年ぶり」に皐月賞馬とダービー馬が激突した背景

「23年の間に二冠馬や三冠馬の誕生もあったため、現実的に発生しなかった影響もありますが、ありきたりな結論を述べると、今年の天皇賞・秋(G1)に出ても、勝てる可能性がゼロに近いからでしょう。

世界最強馬といわれるイクイノックス、ダービーでこれを負かしたドウデュースだけでなく、それ以外のメンバーもトップクラスばかり。それならまだ同世代相手の方が勝てるかもしれないと考える陣営が出ても不思議ではありません」(競馬記者)

 実際、菊花賞を回避した3歳の有力馬は、古馬を相手に天皇賞・秋を狙うのが近年のトレンドとなりつつある。

 ちなみにこのようなローテーションは、1995年に挑戦した皐月賞馬ジェニュインが、サクラチトセオーの2着に好走したあたりから、より注目度が上がったといえる。1988年にも3歳馬のオグリキャップが出走した例はあるが、当時は外国産馬にクラシックが開放される前だった。

「今でこそ当たり前のように強い牝馬が、牡馬相手に大レースを勝っていますが、エアグルーヴが札幌記念(G2)でジェニュインを負かすまで、互角に戦うのは難しいという見方が大半でした。

これは天皇賞・秋についても同じような見方をされており、翌年のバブルガムフェローが初勝利を挙げてから徐々に浸透していった気がしますね。その延長線上で長距離レースの軽視も進み、菊花賞や天皇賞・春(G1)のメンバーレベルの低下も加速した印象です」(同)

 そういう意味では、23年ぶりといっても劇的な改善が見られた訳でもなく、各陣営の思惑がうまいことハマっただけというオチまでありそうだ。

 オールドファンのひとりとしては「昔はよかった」的な話をやったところで、「時代が違う」といわれてしまいそうだが、セイウンスカイVSスペシャルウィークの98年、テイエムオペラオーVSアドマイヤベガの99年、そして23年前となるエアシャカールVSアグネスフライトの2000年は、いずれも手に汗握る好レースだった。今年をきっかけに菊花賞が再評価されるようなら嬉しいのだが……。

黒井零

黒井零

1993年有馬記念トウカイテイオー奇跡の復活に感動し、競馬にハマってはや30年近く。主な活動はSNSでのデータ分析と競馬に関する情報の発信。専門はWIN5で2011年の初回から皆勤で攻略に挑んでいる。得意としているのは独自の予想理論で穴馬を狙い撃つスタイル。危険な人気馬探しに余念がない著者が目指すのはWIN5長者。

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