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武豊「やりたい競馬はできた」に対照的な見立て? 安藤勝己氏「菊花賞向きやと思うね」の評価も…「めっちゃ嫌なコメント」と評した人物の見解

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リバティアイランド 撮影:Ruriko.I

 リバティアイランドの三冠達成で幕を閉じた今年の3歳牝馬路線。本馬が桜花賞(G1)の前から一強ムードだったことに比べると、牡馬のクラシック路線は混戦模様といえるだろう。

 22日に京都競馬場で開催される三冠レース最終戦の菊花賞(G1)には、春のクラシック二冠を分け合った2頭が登場するが、どちらも不安要素がないわけではない。

 春に皐月賞(G1)を勝利するも、日本ダービー(G1)で2着に惜敗したソールオリエンス。この秋はセントライト記念(G2)から始動したが、レーベンスティールの2着に敗れた。陣営は長距離に活路を見いだしたコメントを出しているが、兄はマイル路線で活躍したヴァンドギャルド。プラスになるかどうかは、実際に走ってみないとわからない。

 一方で、皐月賞2着から巻き返し、ダービー馬に輝いたタスティエーラ。陣営は前哨戦を使わず、ダービーからぶっつけ本番という異例のローテーションを選択した。

 ともに関東馬の2頭には、初の関西遠征という懸念も待ち受けており、二冠達成のハードルは決して低くない。

『netkeiba.com』が発表している想定オッズで、この2頭に次ぐ評価を得ているのは、過去10年で菊花賞馬を6頭も輩出している神戸新聞杯(G2)をコースレコードで制したサトノグランツだ。

 同馬は長距離レースに滅法強い友道康夫厩舎の管理馬であり、4年前の覇者ワールドプレミアを育てた実績も頼もしい。最終的にソールオリエンス、タスティエーラ、そしてサトノグランツが三強を形成することになるだろう。

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ファントムシーフ 撮影:Ruriko.I

 そんな三強からやや離れた4番人気を争う1頭が、皐月賞3着のファントムシーフ(牡3歳、栗東・西村真幸厩舎)だ。

 C.ルメール騎手とのコンビで今年初戦の共同通信杯(G3)を勝利すると、皐月賞では堂々の1番人気に支持された。ところが、ソールオリエンスに並ぶ間もなく交わされる完敗を喫し、ダービーではルメール騎手から武豊騎手に乗り替わった。逆襲を誓ったダービーでは、スタートが決まらず、中団からの競馬。道中で動くに動けず、タスティエーラと0秒4差の8着に敗れた。

安藤勝己氏「菊花賞向きやと思うね」の評価も…

 秋は神戸新聞杯から始動。ダービーから12kg増という理想的な馬体重で臨むと、初めて逃げの手を打って、サトノグランツと0秒1差の3着に粘り込んだ。このレースぶりを見て、「菊花賞向きやと思うね」と同馬を評したのは、元JRA騎手の安藤勝己氏だ。

「ファントムシーフが切れるタイプではないことは、武騎手もダービーで把握していたはず。菊花賞に向けて、前哨戦で先行策を試したかったのでしょう。安藤氏も自身のXで『普通はあのラップでは届かない』とサトノグランツを絶賛しつつも、『自分でペースを作ったファントムシーフ然り、菊花賞向きやと思うね』とポストしており、距離が延びる本番ではかなり期待できるかもしれません」(競馬誌ライター)

 ところが、安藤氏とは対照的に菊花賞でファントムシーフの苦戦を予言した人物もいた。それがグリーンチャンネルの『KEIBAコンシェルジュ』でおなじみの棟広良隆氏だ。

 棟広氏は自身のYouTube『棟広良隆の競馬チャンネル』を、毎週月曜日に前週のJRA全レースを生配信で回顧している。馬場の「軽い」、「重い」といったファクターを専門としている棟広氏は、神戸新聞杯を振り返った回でこんな発言をしていた。

「前半1000m通過が61秒2で、レースの上がり(3ハロン)が33秒6。この上がりでまとめているってことは、ファントムシーフは押し切らないとダメです」

 当日の阪神芝は超がつく高速馬場。そんな条件下で、スローペースに落とし込んだ武騎手とファントムシーフにはまさにおあつらえ向きの展開だった。しかし、結果はサトノグランツとサヴォーナに差されての3着。棟広氏は粘り込みに失敗したファントムシーフに手厳しい評価を下したようだ。

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武豊騎手 撮影:Ruriko.I

 さらに「この馬には馬場が硬すぎるかもしれません」という武騎手のレース後コメントを紹介。これには「めっちゃ嫌なコメントが出ました。これが出たってことは軽い芝はアカンすからね」「菊花賞も京都ですから厳しいと思います」と一刀両断した。

 参考までにラジオNIKKEIの競馬ページに掲載された武騎手のコメント全文を紹介すると、「やりたいレースはできましたが、この馬には馬場が硬すぎるかもしれません。そこだけです」というもの。

 武騎手のコメントから読み解けるのは、「菊花賞へ向けて狙い通りの試走は完了したが、軽い芝の京都は合わない可能性が高い。ただし、課題はそこだけ」ということではないだろうか。

 つまり、雨が降るなどして京都の芝が時計のかかる馬場に変貌すればチャンスはあるということだろう。17日時点、週末の京都は晴れる予報が出ている。ただ、金曜日には傘マークも出ており、雨量によっては馬場が若干渋る可能性もありそう。武騎手とファントムシーフにとって恵みの雨は降るだろうか。

GJ 編集部

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