【ジャパンC】黒船来航に惨敗した42年前から激変…イクイノックス「一強ムード」濃厚でも穴馬にチャンスあり【東大式必勝馬券予想】
いよいよ今週末の26日は、世紀の国際レース・ジャパンC(G1)が開催される。
“鎖国状態”だった日本競馬が世界に門戸を開いたのは今から42年前。欧州、豪州とは招待の折り合いがつかず、来日した黒船軍はアメリカ、カナダ各3頭と、インドから40戦27勝「インドのシンザン」オウンオピニオンも参戦した。
迎え撃つ幕府軍は前年の年度代表馬で前走、天皇賞・秋 (当時3200m)の勝ち馬ホウヨウボーイ、ハナ差で敗れた“無冠のプリンス”モンテプリンスら精鋭8騎。良馬場、日本晴れのもとゲートが開いた。短距離の名馬サクラシンゲキが“日の丸特攻隊”の異名通り飛ばすが、4コーナーで外国馬軍団に呑み込まれ、直線力強く抜け出したのはアメリカのメアジードーツだった。
体調不良が伝えられ5番人気だったが、掲示板に灯された2分25秒3は当時の日本レコードを0.5秒も更新し、府中は大きなどよめきに包まれた。お江戸軍団は地方競馬出身ゴールドスペンサーの5着がやっとでホウヨウボーイは6着、モンテプリンスは7着に沈んだ。
まさに黒船襲来後に起きた下関戦争(四国連合艦隊砲撃事件)のごとき大惨敗に「日本馬は永遠に外国馬に勝てないだろうな」とうなだれつつ、13着に敗れたインドのシンザンにも同情を禁じ得なかったのを今でも覚えている。
しかし鎖国が解けた日本軍の逆襲は思いがけず3年後に訪れた。今年のイクイノックス、リバティアイランドと同様に“二強対決”で話題は持ち切り。シンザン以来19年ぶりの三冠馬、ミスターシービーが4歳秋、この年から2000mに変更された天皇賞・秋(G1)をきっちり勝って駒をすすめる。
片やその年に無敗で三冠を達成したシンボリルドルフも菊花賞(G1)から中1週の強行軍で出走。今年こそはと、日本中の競馬ファンは戦う前から勝ったつもりでいた。10万人超観衆の鼻息荒い中、外国馬10頭、日本馬4頭がスタートを切る。鼻息がどよめきに変わったのは日本のカツラギエースが早くも10馬身以上の差をつけ逃げの手に出たからだ。
3コーナーまで大差は変わらずスタンド騒然の中、各馬慌てて追い上げを始めるが一向に縮まらない。直線に入ってもカツラギエースの脚色は衰えず、ベッドタイム(英)、シンボリルドルフ、マジェスティーズプリンス(米)の2着争いを尻目に、悠々1馬身1/2の差をつけてゴール。待望のニッポン初勝利!熱狂に包まれるはずが、狐につままれたようにスタンドは静まり返ってしまった。単勝は10番人気で4060円。1番人気のミスターシービーは約2秒遅れた10着に敗れた。
そしてこの大波乱は3つの「東大式鉄則」を生む。まず「二強、相並び立たず」。件のジャパンCの如く両方飛んだり、1992年の天皇賞・春のメジロマックイーン(1着)対トウカイテイオー(5着)のように一強残ったりが散見されるが、タマモクロス対オグリキャップみたくきっちり1着、2着を分け合う例もあるため、正解率50%といったところ。
次は「東京の芝2400m、案外逃げ切れる」。代表例が1968年の日本ダービーでマーチス・タケシバオー・アサカオーの三強を尻目に逃げ切ったタニノハローモアだが、ジャパンCでもタップダンスシチー(2003年)、キタサンブラック(2016年)が勝っているので心しておこう。
最後に「G1馬を侮るなかれ」。カツラギエースも後で考えてみりゃ、その年の宝塚記念(G1)で優勝していた馬。前々走の毎日王冠(G2)ではミスターシービーを下している。つまり10番人気に甘んじるような馬ではなかったのだ。
「一強ムード」濃厚でも穴馬にチャンスあり
この3つの教訓を胸に「東大馬券王の大よそー」に移ろう。二強というよりはG1を5連勝中で世界ランキング1位イクイノックス一強と考えた方がいい。リバティアイランドも同条件のオークス(G1)を圧勝、斤量も4キロ軽く2着にはきっちり来るだろう。アーモンドアイとコントレイルで決まった2020年のイメージだ。3着も今まで10戦全3着以内でナミュールと同期の強い4歳牝馬・スターズオンアースでいいと思うが、教訓を両方満たすタイトルホルダーも急浮上。賞金王で玉砕的逃げ馬パンサラッサの参戦が不気味だが、2番手に控えて向こう正面からの進出作戦なら問題ない。馬券は3連単2点に絞り、まさかの時の3連複も押さえに、強くなった日本馬、世紀の祭典を思う存分楽しむことにしよう。
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