【香港ヴァーズ】グランアレグリア、ダイワメジャーらも華麗に復活…ノド鳴り経験したシャフリヤールに注目
10日、本場英国の流れを汲む香港のシャティン競馬場にて、年末最大の競馬の祭典「香港国際競走」が開催される。
4つのG1競走からなる本大会であるが、最長のレースである香港ヴァーズ(G1・芝2400m)には、シャフリヤール、ジェラルディーナ、ゼッフィーロ、レーベンスティールの日本馬4頭が出走する見込み。シャフリヤールは最も高いレーティングを与えられており、国内外の注目度も高い。
国外の強敵は、A.オブライエン調教師の送り出すウォームハート。ヨークシャーオークス(G1)、ヴェルメイユ賞(G1)を連勝し、前走のブリーダーズCフィリー&メアターフ(G1)でも2着の成績を残した若き名牝だ。
また、去勢後に折り合いに改善が見られ、パフォーマンスを上げてきているジュンコは、前走のバイエルン大賞(G1)を悠々と逃げ切ったように、ライバル勢は絶好調である。
これに対し、シャフリヤールは「病み上がり」からの復帰戦を挟んだ挑戦となる。
ノド鳴り経験したシャフリヤールに注目
2021年の日本ダービー(G1)を制覇して以降、シャフリヤールは2022年のドバイシーマクラシック(G1)を筆頭に、プリンスオブウェールズS(G1)、ジャパンC(G1)など、多くの国際競走を中心に好成績を残してきた。
しかしながら、今年8月の札幌記念(G2)では、11着と初の2桁に惨敗。その後、いわゆる「ノド鳴り」が判明し、後に放牧先のノーザンファーム空港で手術を受けた。
復帰後の初戦は、先のブリーダーズCターフ(G1)。ディープインパクト産駒の最終世代にして最高傑作と名高いオーギュストロダンとの対決であった。結果はオーギュストロダン、アップトゥザマークに続く3着。ワールドベストホースランキング2位のモスターダフや英ダービー(G1)2着のキングオブスティールなどの強豪を下す好走で、術後の順調な回復と今後のポテンシャルを感じさせている。
これまで「ノド鳴り」を含む喘鳴症を乗り越え活躍した競走馬は、グランアレグリア、ダイワメジャー、シーキングザパールなど、多くの名馬が名を連ねる。
中でも、ダイワメジャーは最も有名な成功例だ。2004年の皐月賞(G1)を勝利後、徐々にパフォーマンスの低下が見られ、同年に喘鳴症が判明し手術を受けた。その後、翌2005年からの復帰以後徐々に調子を上げ、マイルCS(G1)連覇、安田記念(G1)、天皇賞・秋(G1)などを含む重賞で7つもの勝ち星を挙げる活躍をした。
また近年では、グランアレグリアが術後に天皇賞・秋で好走し、ラストランとなったマイルCSで華麗な勝利を挙げターフを去ったのは記憶に新しいだろう。シャフリヤールも復帰戦で悪くない走りを披露した。国際競走の経験豊富なダービー馬が、香港でもう一花咲かせてくれることを祈ろう。
PICK UP
Ranking
23:30更新- 【阪神JF】リバティアイランド、アスコリピチェーノ、ソダシを超える逸材!? 2歳女王決定戦で買うべき“大物馬主”推奨の2頭
- 【香港C(G1)展望】絶対王者ロマンチックウォリアーVS逆襲の女王リバティアイランド! ダービー馬タスティエーラ完全復活なるか
- 【阪神JF(G1)展望】L.デットーリ×米国2歳女王メイデイレディが日本襲来! フォーエバーヤング妹など日本の女王候補が迎撃
- 武豊「来年が楽しみ」ヤマニンウルス不在でも大健闘…フォーエバーヤング擁する世代レベルの高さも証明
- ミホノブルボンvsライスシャワー連想させた「100分の1」の攻防!同一馬によるワンツースリーは平地競走史上初
- 【香港マイル(G1)展望】3歳マイル王ジャンタルマンタルが待望の戦線復帰! 悲願達成のソウルラッシュと世界制覇に挑む
- 武豊「非常識な最高速」でチェルヴィニア置き去り…他馬を凌駕する切れにC.ルメール「ドウデュースと同じ走りは出来ない」
- JRA福永祐一ケイティブレイブ「西日で負けた」はサービス精神!?「面白いんじゃないかと……」ネットを炎上させた”言い訳”の真意
- ジャパンCでも天皇賞・秋でも下馬評覆す4歳馬の好走…「最弱世代」の汚名返上着々、出遅れて逃げてもダービー馬に先着の逸材が待望の復帰
- ハーツクライ産駒でも走りはディープインパクト?有馬記念に潜むファンの夢と希望とロマンと甘い罠
関連記事
【阪神ジュベナイルF】史上初となる母仔&姉妹制覇! ビワハイジ、ブエナビスタに次ぐ快挙を成し遂げたジョワドヴィーヴル【東大式必勝馬券予想】
「芝の方が良い」「ダート適性はある」イクイノックス撃破も遠い記憶…悩めるドゥラエレーデ「問題解決」の裏で深まる皐月賞馬ジオグリフの混迷
何故、セラフィックコールの「豪脚」は不発に終わったのか…元JRA安藤勝己氏が指摘する「弱点」が意外に深刻なワケ
某厩舎の忘年会で阪神JF勝負情報が漏洩?「アスコリピチェーノやコラソンビートには負けない」勝利に自信を見せる意外な穴馬
「距離克服」レモンポップに飛躍の来春? パンサラッサ、ウシュバテソーロが証明した日本馬の底力…1億2000万円の連覇より魅力的な舞台も視野