イクイノックス、リバティアイランド、ブレイディヴェーグの意外な共通点「4000万円」とは? 今年JRA/G1・14勝の社台系一口馬主クラブの興味深い傾向
スター軍団「社台系一口馬主クラブ」の意外な実情
今年は例年以上に社台系一口馬主クラブの所属馬の活躍があった。
3歳馬ではリバティアイランド(サンデーレーシング)が桜花賞(G1)・オークス(G1)・秋華賞(G1)を制して牝馬三冠馬となり、皐月賞(G1)はソールオリエンス(社台レースホース)、日本ダービー(G1)もタスティエーラ(キャロットファーム)、菊花賞(G1)はドゥレッツァ(キャロットファーム)、エリザベス女王杯(G1)はブレイディヴェーグ(サンデーレーシング)。
古馬もヴィクトリアマイル(G1)と安田記念(G1)はソングライン(サンデーレーシング)、マイルCS(G1)はナミュール(キャロットファーム)、そしてイクイノックス(シルクレーシング)が宝塚記念(G1)、天皇賞・秋(G1)、ジャパンC(G1)を制した。
さらに先週末に行われた2歳G1の阪神ジュベナイルF(G1)もアスコリピチェーノ(サンデーレーシング)が勝利している。ここまでサンデーレーシング、社台レースホース、キャロットファーム、シルクレーシングと4クラブの9頭で計14勝をあげており、今更ながら日本の競馬はクラブ馬抜きでは語れない。
クラブで募集される馬の募集額はピンからキリだが、概ね1億5000万円から1000万円まで幅広い。となればイクイノックスやリバティアイランドはさぞかし高額で募集されたのではないかと思われがちだ。
だが、実は中堅の評価(募集額)でしかなかったのだ。
ちなみに今年、日本中央競馬会(JRA)のG1レースを勝利したクラブ馬の募集額は以下の通り。
リバティアイランド 募集額4000万円
ソールオリエンス 募集額6000万円
タスティエーラ 募集額2800万円
ドゥレッツァ 募集額4000万円
ブレイディヴェーグ 募集額4000万円
ソングライン 募集額2600万円
ナミュール 募集額2600万円
イクイノックス 募集額4000万円
アスコリピチェーノ 募集額2400万円
社台系一口馬主クラブの興味深い傾向
現役時代に約22億円を稼ぎ、種牡馬としても破格の50億円で売却されたイクイノックスは4000万円。ここまで8億円以上を稼いだソングラインは2600万円、日本ダービーを制したタスティエーラも2800万円となっており、億を超える募集馬と比較すれば非常にお得だったといえよう。
一方で、1億円を超えるような高額募集馬は文句なしの成績をあげたシャフリヤール、朝日杯フューチュリティS(G1)を制したグレナディアガーズなどの成功例もあるが、意外と期待に応えられていないことは興味深いデータだ。
この傾向で今週末に行われる朝日杯FSを考察してみよう。朝日杯FSには3頭の社台系クラブ馬が出走する。
ジャンタルマンタル(社台レースホース) 募集額3000万円
シュトラウス (キャロットファーム) 募集額5000万円
ミルテンベルク (キャロットファーム) 募集額4000万円
中でも、最も低い募集額だったジャンタルマンタルには大きな魅力を感じる。
ここ数年、社台レースホースで3000万円前後で募集された馬は、ローズS(G2)を勝利し秋華賞2着のマスクトディーヴァ(2000万円)、フィリーズレビュー(G2)優勝のシングザットソング(2600万円)、フラワーC(G3)と紫苑S(G2)2着のヒップホップソウル(2800万円)、二冠牝馬スターズオンアース(2800万円)、チャレンジC(G3)連覇のソーヴァリアント(2800万円)と活躍馬が目立つ。
ここまで2戦2勝、無敗でデイリー杯2歳S(G2)を勝利しているジャンタルマンタルは、同様に重賞を含む2戦2勝で阪神JFを勝利したアスコリピチェーノに通ずるものがあり、仕上がり早で2歳G1向きの馬といえよう。
しかも鞍上の川田将雅騎手は、デビュー戦から騎乗していた2戦2勝のダノンマッキンリーではなく、これまで騎乗したことがないジャンタルマンタルに騎乗することに勝負気配が伝わってくる。
さらに川田騎手は朝日杯FSに過去6年で4度騎乗し、2勝2着1回を含む【2.1.0.1】と抜群の相性を誇っているのだ。クラブ馬の勢いはまだまだ止まることはあるまい。その状況で行われる今週末の朝日杯FSは、ジャンタルマンタルの走りに期待したい。
PICK UP
Ranking
17:30更新- ルメール軍団「誤算続き」で迷走中?使い分けの弊害に一部ファンから疑問の声
- クロワデュノール「世代最強説」に現実味も…ダービー馬候補が未勝利戦より遅い時計の怪
- 武豊×ドウデュース完全包囲網で波乱含み!?豪華メンバーのジャパンCにチェルヴィニア、ブローザホーン、オーギュストロダンら最強メンバー集結。レジェンド元JRA騎手の見解は?
- 「別競技」の高速馬場で欧州最強マイラーの意地見せたチャリン!ジャパンC参戦オーギュストロダン、ゴリアットに朗報?
- C.ルメール「アンラッキー」な過怠金に謝罪…マイルCSでも「牝馬のC.デムーロ」の手綱冴えるか?
- エアスピネル降板に武豊騎手は「何」を思う……8年前、すべてを手にしてきた天才騎手が”最大級”の屈辱を味わった「ウオッカ事件」とは
- 【京都2歳S(G3)展望】藤田晋オーナーの大物エリキングが登場! ジョバンニ、サラコスティがリベンジに燃える
- 【ジャパンC(G1)展望】「ディープ」オーギュストロダンVS「ハーツ」ドウデュース、2005年有馬記念から19年越しの最終決戦!
- 春のG1戦線に水を差す「醜聞」続く…現役騎手の父に詐欺容疑、G1馬オーナーが逮捕
- 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
関連記事
【朝日杯FS】C.ルメール、川田将雅では決まらない?上位人気馬に致命的な割引材料…イクイノックス妹撃破の穴馬に「万馬券」の期待
【朝日杯フューチュリティS】ダノンマッキンリー、シュトラウスらノーザンファームの不安要素まとめ、傑出馬不在で急浮上した意外な穴馬
有馬記念との「G1連勝」かかる武豊はエコロヴァルツとコンビ…もはや鬼門ではなくなった朝日杯FS、第2のキタサンブラックと狙う「欲張りセット」の再現
宝くじより朝日杯FS!冬ならではの“2歳G1は宝の山”!グランアレグリアの波乱再び、危険な人気馬シュトラウスは消しか?
【朝日杯FS】川田将雅、C.ルメールに「レアケース」発生!? 上位候補の玉突きスイッチに「なんだかややこしい」の声も