【有馬記念】無視できない「覚醒牝馬」の存在…スターズオンアース、スルーセブンシーズ以外にも一発を期待できる馬に要注目!
朝日杯フューチュリティS(G1)が終わり、今年の中央競馬の開催も残り3日となった。そんな中、24日に行われるのが、年末の総決算・有馬記念(G1)である。
今年の有馬記念には登録段階で20頭がエントリー。世界最強馬イクイノックスは惜しくも引退してしまったが、3世代のダービー馬対決や、13年ぶりにその年の皐月賞馬とダービー馬が対決することでも注目が集まっている。
そんな強いメンバーが集まった今回の有馬記念(G1)だが、注目したいのは牝馬の存在だ。
今年は6頭の牝馬がエントリーしているが、このまま全馬の出走が実現すれば、有馬記念史上最多頭数の牝馬の出走となるのだ。
過去の有馬記念で牝馬が好走した例といえば、ダイワスカーレットやジェンティルドンナ、ブエナビスタなど、「歴史的名牝」の名に恥じない大物の名前が多く並んでいる。
かつては、牡馬の一線級相手に牝馬が苦戦する傾向が強かったのだが、2014年ジェンティルドンナ、19年リスグラシュー、20年クロノジェネシスが優勝したケースをはじめ、馬券圏内に食い込む穴馬も目立っている。
■過去10年の有馬記念で3着以内に好走した牝馬
14年 優勝 ジェンティルドンナ(4番人気)
17年 2着 クイーンズリング(8番人気)
19年 優勝 リスグラシュー(2番人気)
20年 優勝 クロノジェネシス(1番人気)
20年 2着 サラキア(11番人気)
21年 3着 クロノジェネシス(2番人気)
22年 3着 ジェラルディーナ(3番人気)
中でもリスグラシュー、サラキア、ジェラルディーナなど、近年の有馬記念で活躍した牝馬の共通点として「4歳、5歳になってからの本格化」が挙げられる。
今年一気に調子を上げた馬と言えば、やはりスルーセブンシーズ(牝5歳、美浦・尾関知人厩舎)が一番に挙げられるだろう。
本馬は、3歳時に紫苑S(G3・当時)で2着があった程度で、その後も条件戦や牝馬限定重賞ですら勝ち切れない競馬が続いていた。
しかし、1月の初富士S(3勝クラス)を制してオープン入りを果たすと、続く3月の中山牝馬S(G3)で4勝目を挙げるとともに重賞初制覇。まだ牝馬限定のG3を優勝したばかりにもかかわらず、実績で格上の馬が多数出走した宝塚記念(G1)でイクイノックスとクビ差の激走を演じてしまった。
10番人気の穴馬だったこともあり、たまたま展開がハマっただけという見方もできなくはなかったが、世界最高峰のメンバーが集まった凱旋門賞(仏G1)でも4着に好走しただけに、この本格化は本物ということだろう。「グランプリ男」といわれる池添謙一騎手が騎乗を予定しているため、上位人気に支持されてもおかしくない。
これに対し、大穴としての一発を期待できそうなのは、ライラック(牝4歳・美浦・相沢郁厩舎)かもしれない。
こちらは、3歳時にフェアリーS(G3)での優勝や、エリザベス女王杯(G1)で12番人気の低評価を覆す2着(同着)と激走を演じたことのある馬だ。
今秋は府中牝馬S(G2)で3着、エリザベス女王杯で4着と、あと一歩のレースを続けているが、展開の助けがあれば強力メンバー相手でも一発を期待できそうだ。
そのほかにも、実績馬のスターズオンアースやウインマリリン、3歳牝馬ハーパーや、前走初の重賞制覇で勢いのあるホウオウエミーズなども楽しみな存在であることに変わりない。
今年の有馬記念も侮れない牝馬たちの健闘に期待したい。
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