【東京大賞典】終わってみれば「チョー簡単」だった?無敗の三冠馬ミックファイア轟沈も…最後の大一番でファンが試されたのは記憶力
中央競馬では有馬記念(G1)、ホープフルS(G1)が終わり、正真正銘今年ラストのG1となった東京大賞典。精鋭9頭が集結したダートの祭典を制したのは、昨年に続く連覇を飾ったウシュバテソーロだった。
最後の直線に入っても、後方3番手という苦しい位置からの差し切り勝ち。管理する高木登調教師は、「届くのかなと心配して見ていました」と振り返っていた一方、騎乗していた川田将雅騎手は、「自信を持っていますのでゴールまでには届くなと思っていました」と見た目以上に余裕があったようだ。
上位に入った騎手の手腕が目立つ結果に……
また、2着に入ったウィルソンテソーロに騎乗した原優介騎手も、見事としか言いようがない好騎乗でパートナーの好走を導いている。本人曰く「逃げる予定はなかった」らしいのだが、逃げると見られていたミックファイアがゲートで突進して行けなかったため、「ならば行かせていただこう」と思い切った逃げを選択したらしい。
逃げ馬不在のレースにもかかわらず、どの騎手も消極的な乗り方に終始した結果、超スローペースとなるケースは日常茶飯事。そんなとき、後方で脚を余した騎手がファンからの批判に晒されることも珍しくはない。臨機応変に対応した原騎手の柔軟性が、大穴を連発した今年の大活躍を物語っているのだろう。
そして、3着ドゥラエレーデに騎乗していたB.ムルザバエフ騎手も乗り慣れない大井競馬場で抜群の安定感。ウィルソンテソーロの原騎手同様、「乗れる穴騎手」として、ますますファンの支持が集まりそうである。
その一方で、単勝1.7倍の断然人気を集めたウシュバテソーロはともかく、2着が6番人気ウィルソンテソーロ、3着が4番人気ドゥラエレーデという結果は、有馬記念(G1)の反省を生かせたファンにとっては、「チョー簡単」な予想だったのかもしれない。
「2番人気キングズソードが5着に敗れ、3番人気に無敗で南関三冠馬に輝いたミックファイアが8着に凡走したこともあり、3連単の払戻は1→6→4番人気の組み合わせで6950円と悪くない配当となりました。
まじめに予想をした人からすると少々難解だったかもしれませんが、有馬記念でしっかり反省できていた人なら“一発回答”で結論を出せたという声もSNSで見掛けました。あくまで結果論に過ぎませんけども、これってほぼチャンピオンズC(G1)の再現なんですよ」(競馬誌ライター)
東京大賞典でヒントになったのは有馬記念の結果?
一瞬何の話かと疑問に思ったものの、言われてみれば確かに2着ウィルソンテソーロ、3着ドゥラエレーデは、チャンピオンズCとまったく同じ着順。レモンポップが不在だったとはいえ、勝ち馬が昨年の覇者で大本命のウシュバテソーロなら納得せざるを得ない。
それがどうして有馬記念と関係があるのかというと、ジャパンC(G1)で4着だったドウデュースが優勝し、3着スターズオンアースが2着、5着タイトルホルダーが3着というわけである。それでも2→7→6番人気の3連単で4万2110円という高配当が飛び出していた。
つまり、「直近のJRA・G1で上位に入った馬をそのまま上から買うだけでよかった」ということになる。
ジャパンC優勝のイクイノックス、2着リバティアイランドが有馬記念で不在だったように、チャンピオンズCで1着のレモンポップが東京大賞典でも不在。なら2着ウィルソンテソーロ、3着ドゥラエレーデと大本命ウシュバテソーロの組み合わせは、そこまで難しい予想をする必要もなかったというオチらしい。
こちらについては、有馬記念が終わった後に「そうだったのか」「忘れていた」と悔やんでいるファンもSNSで見られたため、当時の反省を生かして最後に大逆転を成功させたファンもいたはずだ。
終わってからなら何とでもいえるのは確かだが、実際にそれで的中したという話もチラホラ……。そういう意味では「記憶力も試された」今年の東京大賞典ではなかったか。
PICK UP
Ranking
17:30更新- ルメール軍団「誤算続き」で迷走中?使い分けの弊害に一部ファンから疑問の声
- クロワデュノール「世代最強説」に現実味も…ダービー馬候補が未勝利戦より遅い時計の怪
- 武豊×ドウデュース完全包囲網で波乱含み!?豪華メンバーのジャパンCにチェルヴィニア、ブローザホーン、オーギュストロダンら最強メンバー集結。レジェンド元JRA騎手の見解は?
- 「別競技」の高速馬場で欧州最強マイラーの意地見せたチャリン!ジャパンC参戦オーギュストロダン、ゴリアットに朗報?
- C.ルメール「アンラッキー」な過怠金に謝罪…マイルCSでも「牝馬のC.デムーロ」の手綱冴えるか?
- エアスピネル降板に武豊騎手は「何」を思う……8年前、すべてを手にしてきた天才騎手が”最大級”の屈辱を味わった「ウオッカ事件」とは
- 【京都2歳S(G3)展望】藤田晋オーナーの大物エリキングが登場! ジョバンニ、サラコスティがリベンジに燃える
- 【ジャパンC(G1)展望】「ディープ」オーギュストロダンVS「ハーツ」ドウデュース、2005年有馬記念から19年越しの最終決戦!
- 春のG1戦線に水を差す「醜聞」続く…現役騎手の父に詐欺容疑、G1馬オーナーが逮捕
- 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛