復活遂げたG1ジョッキーに「落馬負傷&戒告」のダブルパンチ…クラシックを前に痛恨の戦線離脱
3日間開催の最後に行われた重賞のシンザン記念(G3)はノーブルロジャーが勝利。中山メインのカーバンクルS(OP)をシュバルツカイザーが勝利し、あとは最終レースを残すのみとなっていたが、この日の最後のレースで痛ましい事故が起こってしまった。
中山12Rに出走したアーレンダール(牝5歳、美浦・宮田敬介厩舎)が、最後の直線の残り200m付近で転倒し、鞍上の北村宏司騎手が落馬。競走中止となり、同騎手は担架で運ばれる怪我を負ってしまった。
派手に転倒したように見えたが、JRAによるとアーレンダールの馬体に異状はなかった様子。他の人馬にも影響がなかったのは幸いだったものの、右肩を負傷した北村宏騎手は、しばらく欠場に入る見込み。14日の京成杯(G3)で騎乗予定だったレイデラルースは石橋脩騎手に乗り替わりとなった。
また、今回の落馬については「最後の直線コースで前の馬に接触した」として、北村宏騎手に戒告の処分がなされた。パトロール映像を見ると、前を走る馬に接触してバランスを崩していたようだ。
以前の怪我から復調してきた北村宏騎手は、昨年はアスコリピチェーノに騎乗した新潟2歳S(G3)で、5年ぶりにJRA重賞を勝利すると、翌週にノッキングポイントとのコンビで新潟記念(G3)も制覇。年末の阪神ジュベナイルF(G1)をアスコリピチェーノで制したのも記憶に新しい。好結果が続いていただけに残念なアクシデントだった。
北村宏騎手にとっても、阪神JFはキタサンブラックの菊花賞(G1)以来、8年ぶりのG1制覇。「スタンドを正面にして、良い景色だと思いました」と喜びを語り、さらなる活躍を期待されたが、今年は厳しいスタートになってしまったといえるだろう。
さらに、転倒したアーレンダールは、重賞勝利に導いた上記2頭と同じサンデーレーシングの所有馬。同じコンビでG1も勝利し、信頼を得たところで招いた事故、という意味でも手痛い。
「2歳女王」とのコンビ継続に一抹の不安
特にアスコリピチェーノは、北村宏騎手を背に2連勝を収めている。もちろん今年の桜花賞(G1)でも期待されるコンビだが、それまでには何とか復帰したいところだ。
もし間に合わなかった場合、新馬戦を勝たせたC.ルメール騎手の騎乗も考えられるが、同じ3歳牝馬ではチェルヴィニアやレガレイラなど、すでに複数のお手馬を抱えている状況。強敵が多いクラシック戦線において、継続騎乗は一つの強みと言えるだけに、今は北村宏騎手の復帰を待つしかないだろう。
9日に発表されたJRA賞では最優秀2歳牝馬に選出され、世代の上位を担うアスコリピチェーノ。管理する黒岩陽一師も「大きな目標」と語った桜花賞に向けて、パートナーの動向にも注目したい。
PICK UP
Ranking
17:30更新- ルメール軍団「誤算続き」で迷走中?使い分けの弊害に一部ファンから疑問の声
- クロワデュノール「世代最強説」に現実味も…ダービー馬候補が未勝利戦より遅い時計の怪
- 武豊×ドウデュース完全包囲網で波乱含み!?豪華メンバーのジャパンCにチェルヴィニア、ブローザホーン、オーギュストロダンら最強メンバー集結。レジェンド元JRA騎手の見解は?
- 「別競技」の高速馬場で欧州最強マイラーの意地見せたチャリン!ジャパンC参戦オーギュストロダン、ゴリアットに朗報?
- C.ルメール「アンラッキー」な過怠金に謝罪…マイルCSでも「牝馬のC.デムーロ」の手綱冴えるか?
- エアスピネル降板に武豊騎手は「何」を思う……8年前、すべてを手にしてきた天才騎手が”最大級”の屈辱を味わった「ウオッカ事件」とは
- 【京都2歳S(G3)展望】藤田晋オーナーの大物エリキングが登場! ジョバンニ、サラコスティがリベンジに燃える
- 【ジャパンC(G1)展望】「ディープ」オーギュストロダンVS「ハーツ」ドウデュース、2005年有馬記念から19年越しの最終決戦!
- 春のG1戦線に水を差す「醜聞」続く…現役騎手の父に詐欺容疑、G1馬オーナーが逮捕
- 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
関連記事
キャプテン渡辺が2024年の「誓い」を表明…馬券生活は変わらぬ目標も、何としてもヤメなければならない愚行とは?【徒然なる神のくず競馬トーク】
【京成杯(G3)】ウインドインハーヘアの一族が3歳世代で絶好調!? 粗削りの「大器」はソールオリエンスに続けるか
武豊の「クラシック候補」や重賞級の有望株も登場! 京成杯(G3)にも不気味な1頭がエントリー…億超え馬も控える注目オーナーに大ブレイクの予感
「承認欲求を満たす場ではないぜ」という意見も…今年も「賛否」が分かれたJRA賞、世界最強馬イクイノックスも三冠牝馬リバティアイランドも満票ならず
【日経新春杯】好相性を誇る「4歳世代」に黄色信号!? クラシックホース2頭が有馬記念で敗退…古豪相手に世代レベル証明なるか