
【AJCC(G2)展望】「重賞3勝」ボッケリーニVS「中山巧者」ラーグルフ!逸材バトルボーンも出走なら主役候補

伝統のAJCCに曲者集結!?
21日、中山競馬場では古馬による中距離重賞、第65回アメリカジョッキークラブC(G2、以下AJCC)が行われる。今年はG1馬こそいないが、重賞ウイナーが多数集結。さらに今後G1での活躍も期待できる素質馬が出走する可能性もある。
実績最上位はボッケリーニ(牡8歳、栗東・池江泰寿厩舎)だ。G1には3度挑戦し、宝塚記念(G1)の7着が最高着順だが、G2以下ではほぼ毎回上位争いに顔を出している。
これまで2020年中日新聞杯(G3)、22年目黒記念(G2)、23年鳴尾記念(G3)と3つの重賞タイトルを獲得し、重賞での2~3着も7回を数える。
近2走も、京都大賞典(G2)とチャレンジC(G3)で連続2着。今回の舞台となる中山も勝利こそないが、4戦して「0-2-1-1」と好成績で、2年前の当レースでも3着に入っている。
栗東CWで行われた1週前追い切りでは、6ハロン80秒0の自己ベストを更新するなど年齢を感じさせない動きを披露している。明けて8歳となったが、重賞4勝目は目の前にある。

5か月の休養明けとなるラーグルフ(牡5歳、美浦・宗像義忠厩舎)は、得意の中山に戻って復調するか。
2歳時にホープフルS(G1)で3着、3歳牡馬クラシックは皐月賞(G1)の出走のみで8着に終わったが、3歳秋に3勝クラスを突破すると、古馬初戦の中山金杯(G3)で重賞ウイナーの仲間入りを果たした。
続く中山記念(G2)でもヒシイグアスの2着に好走。本格化を印象付けたが、大阪杯(G1)で11着、さらに札幌記念(G2)で8着と近2走は脆さを露呈している。
ただし両レースとも敗因は明確で、大阪杯は長距離輸送による馬体減り、札幌記念は休み明けで「叩いてからかも」と陣営のトーンも慎重だった。
今回も休み明けの一戦にはなるが、好走実績がある中山なら上位争いは必至。鞍上には初コンビとなる三浦皇成騎手が指名された。

遅れてきたバトルボーンの飛躍に期待
ボッケリーニとラーグルフをまとめて破るとすればバトルボーン(牡5歳、美浦・林徹厩舎)だろう。翌週の白富士S(L)と両睨みだが、出走すれば1番人気に支持されてもおかしくない能力の持ち主である。
デビュー戦はダノンベルーガの2着に敗れたが、その後は4連勝でオープン入り。前走の七夕賞(G3)は、重賞初挑戦ながら1番人気に支持された。
ところが、デビュー戦以来の騎乗となった津村明秀騎手が逃げの手を打つと、後続にマークされる形となり、直線で交わされて4着まで。それでも勝ったセイウンハーデスとは0秒3差と最後までしぶとい粘り腰を見せていた。
脚質的にも直線の長い東京よりも中山向き。出走に踏み切れば最有力候補としてレースを迎えることになるだろう。
チャックネイト(セ6歳、美浦・堀宣行厩舎)は、前走のアルゼンチン共和国杯(G2)で重賞初挑戦。中団待機から直線で末脚を伸ばし、勝ち馬から0秒2差の3着(同着)に健闘した。
全14戦で掲示板を確保しているように、セールスポイントはその堅実さ。中山コースも勝利こそないが、3戦すべてで3着以内とこなしている。R.キング騎手とのコンビで大駆けはあるか。
昨秋のアルゼンチン共和国杯でチャックネイトに先着する2着に入ったのがマイネルウィルトス(牡8歳、栗東・宮徹厩舎)だ。
1年ぶりとなった昨夏の函館記念(G3)からすでに5戦を消化しており、やや使い詰めの感は否めない。それでもアルゼンチン共和国杯に続き前走のステイヤーズS(G2)でも3着に好走するなど、8歳でも元気いっぱいだ。重賞で2着4回、3着1回の善戦マンが、待望の重賞制覇を飾れるか。

重賞タイトルの数でボッケリーニと並ぶ3勝を挙げているのはカラテ(牡8歳、栗東・辻野泰之厩舎)だ。
かつてはマイルを主戦場にしていたが、22年夏以降は2000m以上を使われている。昨年の宝塚記念以来、7か月ぶりの実戦となるが、休み明けを苦にするタイプではなく、上位争いに加わる可能性は十分あるだろう。
この他には、昨年の紫苑S(G2)を制し、続く秋華賞(G1)でも5着に好走したモリアーナ(牝4歳、美浦・武藤善則厩舎)、昨年のダイヤモンドS(G3)で3着の実績があるシルブロン(牡6歳、美浦・稲垣幸雄厩舎)、昨年の若葉S(L)を制したショウナンバシット(牡4歳、栗東・須貝尚介厩舎)などが出走を予定している。
ボッケリーニやラーグルフを中心にコース巧者も多数そろった今年のAJCC。発走は21日の15時45分を予定している。
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