【クイーンC(G3)展望】ナミュール、グレナディアガーズ、サリオス…G1馬の妹たちが大集結!桜花賞、オークスにつながる一戦は今年もハイレベル!?

10日、東京競馬場では第59回クイーンC(G3)が行われる。過去10年の出走馬の中には、クロノジェネシスやスターズオンアース、ミッキークイーン、メジャーエンブレムなどG1を複数回勝利した名牝の名前もある。そんな出世レースには、今年も名牝候補が集結しそうだ。
アルセナール(牝3歳、美浦・木村哲也厩舎)は、父エピファネイア、母サンブルエミューズ、母の父ダイワメジャーという血統。姉には昨年のマイルCS(G1)を制したナミュールがいる。
昨秋のデビュー戦は今回と同じ東京芝マイルが舞台だった。単勝1.5倍という圧倒的1番人気に支持されると、前半は中団を追走。勝負所で徐々に進出していくと、4コーナーまでに先行集団を射程に入れ、直線を向いたときは楽に突き抜けると思わせる手応えだった。
ところが、前との差がなかなか詰まらず、それでも残り300m地点でムチが入ると鋭く伸びて初陣を飾った。

鞍上を務めたC.ルメール騎手もレース後、エンジンのかかりがやや遅かったことにも触れた上で、「2戦目になれば『らしさ』が出てくるのかもしれません」と、一度使われての上積みを強調。キャリア1戦の馬は、過去10年で「1-2-1-17」とやや苦戦しているが、期待の高い良血馬だけに大きな変わり身を見せてもおかしくないだろう。
クイーンズウォーク(牝3歳、栗東・中内田充正厩舎)もアルセナールに負けず劣らずの良血牝馬だ。こちらは父キズナ、母ウェイヴェルアベニュー。半兄に2020年の朝日杯フューチュリティS(G1)を制したグレナディアガーズがいる。
初戦はオスカーブレーヴの逃げ切りを許して2着に終わったが、2戦目の未勝利戦で順当に勝ち名乗りを上げた。同レースでは、初戦に続きスタートは今一つだったが、先団を前に見ながら中団で脚をためると、勝負所で早め進出。直線で逃げたフローラルセントを交わすと、最後は同馬に2馬身の差をつけた。

2戦ともに好位から上がり最速タイムをマークしており、瞬発力は同時期の兄以上との声も聞こえてくる。両レースで手綱を取り、兄の背中を知る川田将雅騎手も「将来が楽しみ」「順調に歩んでいければ」とコメントしており、昇級初戦でも勝ち負けが期待できるだろう。
サフィラ(牝3歳、栗東・池添学厩舎)は、すでに4戦を消化。キャリア1~2戦のライバル2頭に経験値で大きなアドバンテージがある。
父ハーツクライ、母サロミナなので、全兄に19年の朝日杯FS覇者サリオスがいる良血馬。その兄はクラシック路線でコントレイルの後塵を拝したが、妹にはクラシック制覇の期待もかかる。

2戦目で順当に勝ち上がり、続くアルテミスS(G3)でチェルヴィニアの2着に好走。デビュー4戦目となった阪神ジュベナイルF(G1)では1番人気に支持された。しかし、上位3頭からやや離された4着に敗れており、桜花賞(G1)に向けて今回が試金石と言えるかもしれない。
モリノレッドスター(牝3歳、美浦・鈴木伸尋厩舎)は、父デクラレーションオブウォー。血統的にはそこまで目立つわけではないが、昨秋の新馬戦でアルセナールと1馬身差の2着に好走。その後は2戦目の暮れの中山で上がり最速の末脚を繰り出してクビ差で接戦を制した。初戦から手綱を取る横山武史騎手は師匠の管理馬で重賞初勝利を狙う。
テリオスサラ(牝3歳、美浦・高柳瑞樹厩舎)は、前走のフェアリーS(G3)で出遅れが響き7着に敗れたが、2走前の赤松賞(2歳1勝クラス)でステレンボッシュの2着に健闘している。気性面で成長が見られれば、上位争いを演じる可能性は十分ある。
この他には、昨秋の東京でデビューVを飾ったキタサンブラック産駒のルージュサリナス(牝3歳、美浦・木村哲也厩舎)、7ハロン戦で未勝利、1勝クラスを2連勝中のルージュスエルテ(牝3歳、美浦・国枝栄厩舎)、昨夏のクローバー賞(OP)を牡馬相手に勝利しているコスモディナー(牝3歳、美浦・伊藤伸一厩舎)なども出走を予定している。
桜花賞だけでなく、同じ東京が舞台のNHKマイルC(G1)やオークス(G1)にもつながる重要な前哨戦、クイーンCを制するのは果たしてどの馬か。発走は10日の15時45分を予定している。
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