【京都牝馬S(G3)展望】高松宮記念(G1)見据え、ナムラクレアVSメイケイエール!武豊のソーダズリングは距離短縮で変わり身に期待大
今年の京都牝馬S(G3)は例年以上のハイレベル
17日、京都競馬場では古馬牝馬重賞の京都牝馬S(G3)が行われる。かつては芝1600mで行われていたが、2016年から1400mに変更。それに伴ってマイラーだけでなくスプリンターの出走も増えている。今年も3月の高松宮記念(G1)制覇を見据える、あの有力馬が出走する見込みだ。
それがG3を4勝している現役屈指の快速馬ナムラクレア(牝5歳、栗東・長谷川浩大厩舎)である。
これまで桜花賞(G1)3着、高松宮記念2着、スプリンターズS(G1)3着と、G1勝利にあと一歩まで迫っているものの、結局未勝利のまま5歳を迎えてしまった。
キャリア15戦のうち掲示板を外したのは3走前のヴィクトリアマイル(G1)の8着のみと安定感も備わっており、特に1400m以下の距離では崩れたことがない。4か月半の休み明けにはなるが、今回も1番人気に支持されるのは確実だろう。
前走のスプリンターズSでも1番人気に推されたが、最内枠からややスタートが遅く、勝負所で包まれる不利も重なった。それでも直線では脚を伸ばして3着。先に抜け出しを図ったママコチャとマッドクールに後塵を拝したものの0秒2差まで詰めており、スムーズなら勝っていても不思議ではない内容だった。
今回は京都に初お目見えとなるが、全5勝中4勝を平坦コースで挙げている巧者だけに、圧勝まであるかもしれない。
悲願のG1制覇へ、重賞6勝馬メイケイエール始動
打倒ナムラクレアの筆頭候補が、現役馬で最多となる重賞6勝を挙げている屈指の実績馬メイケイエール(牝6歳、栗東・武英智厩舎)だ。
一昨年のセントウルS(G2)を勝ってからは6戦すべてG1を走って馬券圏外が続いているが、2走前のスプリンターズSは5着と掲示板を確保している。前走は米国ダートのブリーダーズCフィリー&メアスプリント(G1)で最下位の9着に大敗したが、改めて芝でその実力を発揮したいところだ。
そんなメイケイエールも今年で6歳と、いよいよキャリアも晩年に差し掛かってきた。ここできっちりと結果を残し、昨年1番人気だった高松宮記念へ駒を進めたい。
異例の参戦ソーダズリングは武豊騎手と大変身?
大きな変わり身が期待されるのが、武豊騎手とのコンビで臨むソーダズリング(牝4歳、栗東・音無秀孝厩舎)だ。
ソーダズリングはマイラーというより、むしろ1800m以上の中距離で結果を残してきた馬である。昨年のフローラS(G2)で2着し、オークス(G1)にも駒を進めた(結果は8着)。秋はローズS(G2)で8着に敗れたが、武騎手の進言もあって距離をマイルに短縮した三年坂S(3勝クラス)を一発回答で勝利している。
暮れにはターコイズS(G3)で重賞初制覇を狙ったが、0秒3差の4着。「少し道中力んでいました。そのぶん弾けませんでした」と武騎手がコメントしたように、1ハロン距離が短くなる今回はさらに折り合いの不安が減る。最後の直線で弾ける可能性は大いにあるだろう。
血統的には、古馬になって本格化したソーグリッタリングを兄に、4歳春に愛知杯(G3)を制したマジックキャッスルを姉に持っており、今後が楽しみな存在だ。武騎手が「俺の庭」と呼ぶ得意の京都競馬場が舞台だけに大駆けに期待がかかる。
当然、主役の1頭ロータスランド
3年前の関屋記念(G3)と2年前の当レースを制している重賞2勝馬のロータスランド(牝7歳、栗東・辻野泰之厩舎)。7歳を迎えたが、そのスピードはまだまだ健在だ。
重賞2勝以外にも、2年前の高松宮記念で僅差の2着もある。さらに3番人気で出走した昨年の当レースでは、4角18番手から直線でインを突いて3着まで追い上げている。
その後はスワンS(G2)での3着が目立つ程度だが、前走の阪神C(G2)も6着ながら勝ち馬とは0秒2差と見せ場はつくっている。松山弘平騎手との初コンビでレース史上初の7歳馬による勝利を狙う。
プレサージュリフト(牝5歳、美浦・木村哲也厩舎)は、3歳春にデビュー2連勝でクイーンC(G3)を制した逸材。牝馬三冠レースにも出走したが、オークス5着が最高着順だった。
古馬になってからはマイル路線にシフト。京都金杯(G3)と東京新聞杯(G3)で連続3着している。今回は初の1400m戦となるが、この距離短縮がいい方向に出るか。
この他には、10か月の休み明けとなる昨年の当レース2着馬ウインシャーロット(牝6歳、美浦・和田正一郎厩舎)、昨年のフィリーズレビュー(G2)覇者シングザットソング(牝4歳、栗東・高野友和厩舎)、前走の朱鷺S(L)を快勝してオープン特別初勝利を飾ったテンハッピーローズ(牝6歳、栗東・高柳大輔厩舎)などもスタンバイしている。
高松宮記念や5月のヴィクトリアマイルにもつながる重要なステップで、ナムラクレアが悲願のG1制覇に向けて白星を挙げるのか。それともライバル勢がそれに抗うのか。発走は17日15時35分を予定している。
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