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岩田望来「大役」果たせずJ.モレイラに乗り替わりへ…明暗分けた4コーナーからのコース取りに指揮官は「さばきの差が出た」

岩田望来「大役」果たせずJ.モレイラに乗り替わりへ…明暗分けた4コーナーからのコース取りに指揮官は「さばきの差が出た」の画像1
岩田望来騎手 撮影:Ruriko.I

 18日のフェブラリーS(G1)で0秒3差の5着に終わったキングズソード(牡5歳、栗東・寺島良厩舎)。昨年のJBCクラシック(G1)を制した実力を評価され、4番人気の支持を集めていたが、勝ち馬ペプチドナイルから0秒3差の5着に惜敗。2つ目のビッグタイトル制覇とはならなかった。

 手綱を取った岩田望来騎手はレース後、「3、4コーナーで外に張り気味だったが、初の1600mでいいレースができたと思う」と前向きなコメントを残していたものの、2番人気で5着だった前走の東京大賞典(G1)に続くG1制覇の大役を任されていただけに、結果を残しておきたいところだったか。

 ただ、そんな岩田望騎手に比して、本馬を管理する寺島調教師は少々シビアなジャッジをしていたようだ。というのも『デイリースポーツ』の取材に「道中のポジションは悪くなかった」としながらも、「4角からのさばきの差が出ました」と答えており、進路取りにスムーズさを欠いたことを敗因の1つとして挙げていたようだ。

 こういった両者の温度差が、陣営による「鞍上強化」の背景にあるのかもしれない。次走に予定しているかしわ記念(G1)で、キングズソードはG1勝利に導いた実績のあるJ.モレイラ騎手と再コンビを発表。これにより岩田望騎手は無念の降板となりそうだ。

寺島良調教師「4角からのさばきの差が出た」

 ちなみに寺島師が指摘した「4角からのさばきの差」とは何を意味するものだったのだろうか。あくまで推測に過ぎないことは承知の上で、フェブラリーSにおける岩田望騎手とキングズソードの進路を振り返ってみたい。

 ダート1600mの舞台で人馬は道中、中団後ろの外目を追走。ドンフランキーが前半3Fを33秒9で飛ばしたハイペースにより、これを追い掛けたウィルソンテソーロやドゥラエレーデが大敗を喫したように、後方待機の位置取りに関しては、師も「道中のポジションは悪くなかった」と一定の評価を与えている。

 しかし、最後の直線で馬群を突くような形となった、その後の進路取りについて不満が残ったかもしれない。岩田望騎手は下がってきたオメガギネスを避けるため外に持ち出し、再び進路を内に切り返し右往左往……。ゴール前でようやく末脚を伸ばしたものの、時すでに遅し、掲示板の5着を確保するのが精一杯だった。

 また、このキングズソードの進路取りをより詳細に知ることができるのは、YouTube『JRA公式チャンネル』にて先日公開された岩田望騎手のジョッキーカメラ映像だ。

 残り400mあたりでオメガギネスとガイアフォースが前にいたキングズソードは完全に行き場をなくしており、後退したオメガギネスを避けようと外に出すも、その外からはセキフウにフタをされるような形となっていた。またすぐ前にガイアフォースがいるなど、鞍上が馬群をさばくのに苦労していたことがよく分かる。

 その結果、進路を求めて内を選択したキングズソードと岩田望騎手の前にようやく視界が開けたのは、残り100mを切ってからだった。

 それに対して今年のフェブラリーSで上位3着までを占めたペプチドナイル、ガイアフォース、セキフウは3頭とも直線に向くとほぼ同時に進路の確保に成功。スムーズな競馬をしていたライバルと比較すれば、「さばきの差が出た」という寺島調教師のコメントも頷けそうである。好騎乗で上位入線した各馬の騎手と不完全燃焼に終わった岩田望騎手には、大舞台での経験不足も無関係ではなさそうだ。

 とはいえ、結果を残してこそ評価されるのが勝負の世界である。結果的にはやや消化不良な形でコンビ解消となりそうな岩田望騎手だが、短期免許で来日するモレイラ騎手はスポット参戦であることから、同騎手の帰国後に再び手綱が回ってくるチャンスもあるはず。そのときには名誉挽回に期待したいところだ。

GJ 編集部

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