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調教師の「責任転嫁疑惑」に賛否の声?物議を醸した路線変更…クラシック候補の迷走と功罪の行方

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シュトラウス 撮影:Ruriko.I

 16日に行われる土曜中京のメインレース、ファルコンS(G3)はNHKマイルC(G1)を見据える重要なステップ。芝1400mを舞台に争われる短距離重賞ということもあり、今年も未来のマイラーやスプリンターが顔を揃えた。

 ただ、そんなメンバーの中でも異質な存在感を放つのが、シュトラウス(牡3、美浦・武井亮厩舎)である。

 本馬は昨年の東京スポーツ杯2歳S(G2)を快勝し、クラシック候補の1頭に数えられた実力の持ち主。名馬の登竜門としても注目される同レースは、翌年に無敗の三冠を達成したコントレイル(2019年)や古馬になって世界最強馬まで上り詰めたイクイノックス(2021年)など、これまで多くのG1馬を輩出してきた。昨年優勝したシュトラウスもまた、今年のクラシック戦線で活躍を期待されていた。

暴走したクラシック候補がまさかの路線変更

 しかし、陣営が選択したのは皐月賞(G1)への直行や、トライアルを挟んでの臨戦ではなく、距離を短縮するファルコンS。G2を勝っているために賞金不足の心配こそないものの、このままだと距離が延びるクラシック戦線から路線変更となりそうな雰囲気だ。

 やはり路線変更の決定打となったのは、10着に大敗した昨年の朝日杯フューチュリティS(G1)だろう。

 17頭立ての芝1600m戦で8枠17番の大外を引いてしまったが、戦前の武井師は「内で揉まれるのは嫌だったし、外枠が欲しかった」と前向きなコメント。「あとはレースで我慢して折り合ってくれるのを祈るだけ」と続けたものの、レースではまさかの出遅れ。初コンビを組んだT.マーカンド騎手は控えるどころか、道中で持っていかれる格好で一気に先頭に立ち、余力のなくなった最後の直線ではズルズルと後退するだけだった。

 こちらについては、元JRA騎手の安藤勝己氏も自身のSNSで「シュトラウスは最悪の負け方。あのスタートなら御すことに徹するべき」と批判的な見解。短期免許で目立った結果を残せていなかったマーカンド騎手の騎乗を疑問視する声もあれば、シュトラウスの強過ぎる前進気勢を考えると、ある程度想定された敗戦だったと評するファンもいた。

「シュトラウスはデビュー戦がD.レーン騎手、2戦目がC.ルメール騎手、3戦目がJ.モレイラ騎手と一流騎手を乗せ続けていた馬でした。そんな彼らでさえ、『まだ勉強が必要』『コントロールするのが難しい馬』と評していたほど、折り合いに課題のある問題児だった訳です。

対するマーカンド騎手は日本での実績が明らかに見劣ることは事実。実際にマーカンド騎手だけ惨敗したため、シュトラウスの暴走が騎手のせいにされても仕方がなかったとは思います。今回の距離短縮も陣営なりに試行錯誤した結果でしょう」(競馬記者)

 だが、そういった事情を踏まえた上でも、2歳時に「シュトラウスのスタミナは抜けている」と評していた武井師としては、思い切った決断をしたようだ。

 その一方で『中日スポーツ』の取材に「現状はチップで追走しての併せ馬は無理。デビュー戦当時の併せ馬よりひどく、前走で変なことを覚えてしまったかな」と武井師が答えていたことについては、一部のファンから調教師の手腕を疑問視する声も出た。

 ファルコンSの1週前追い切りでも暴走したように、そもそも厩舎の育成が順調に進んでいない可能性もある。武井師のコメントでは、マーカンド騎手の騎乗にもチクリ……。管理馬がレースで制御可能になるように教えるのが調教師の役割ということを考えると、SNSで「調教師も悪い」「マーカンドだけに押し付けるな」といった意見も見られた通り、責任転嫁をしているかのように映ったファンもいたようだ。

 世代トップクラスのポテンシャルの高さを持つシュトラウスだけに、このまま一本調子の逃げ馬で終わってしまうのは勿体ない。今回は何としても結果が欲しいところだ。

GJ 編集部

GJ 編集部

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