【桜花賞】「主役不在」は牡馬に限らず牝馬も同様?アスコリピチェーノ、ボンドガールに不安材料…不作のトライアル組よりも期待したいのは
春の訪れを予感させる3月半ばに差し掛かり、今週末の土曜中山では牝馬限定重賞のフラワーC(G3)、日曜中山では最後の皐月賞トライアルとなるスプリングS(G2)が行われる。
中央競馬は24日の高松宮記念(G1)を皮切りに4週連続でG1レースが開催。後半の2週には桜花賞と皐月賞が含まれている。徐々に気温が上昇して暖かくなるとともに、春のG1シーズンを心待ちにする競馬ファンのボルテージも上がっていく。
しかし、今年のクラシック戦線が例年に比して今ひとつ盛り上がりを欠く理由に、昨年のリバティアイランドのようなスター候補が不在であることも一因である。
そう思わせられるのは、今年の3歳重賞で1番人気馬が裏切り続けていることも無関係ではない。ここまでの皐月賞(桜花賞)トライアルや主要なステップで9つの重賞が行われたものの2勝7敗。レースが行われるたびに勝ち馬の名前は目まぐるしく変わっている。当然ながらこれは牡馬牝馬ともに同様だ。
レガレイラの不在で牝馬クラシックの混戦に拍車
牡馬クラシックにおいて、昨年のホープフルS(G1)を快勝したレガレイラの皐月賞(G1)への出走が話題を集めているものの、例年なら主役級の扱いを受けるはずの本馬が桜花賞(G1)に出走しないため、2番手3番手の馬が複数揃っている状況となっている。
勿論、3戦無敗で阪神ジュベナイルF(G1)を制したアスコリピチェーノが有力候補であることは間違いないのだが、本馬は距離延長に不安のあるダイワメジャー産駒だ。
同産駒は2017年にレーヌミノルが桜花賞馬に輝いたとはいえ、距離が800m延びるオークス(G1)で13着に大敗。その他にも断然人気で16年の桜花賞を4着に敗れたメジャーエンブレムや20年に無敗の三冠馬デアリングタクトの2着に敗れたレシステンシアもいたように、相性がいい舞台とも言い難い。
また、トライアル組がパッとしない現状だけに、阪神JFを回避したボンドガールにも期待したいところだが、こちらもアスコリピチェーノと同じダイワメジャー産駒。そうなると俄然注目を増すのは、昨年のアルテミスS(G3)を快勝したチェルヴィニアだろう。
「アルテミスSは過去にリバティアイランド、リスグラシュー、ラッキーライラック、ソダシらを輩出した出世レースですからね。底力を問われる東京のマイル戦が舞台となるだけに勝ち馬には評価が必要です。
昨年優勝したチェルヴィニアは、距離の不安がなさそうなところで他馬をリードしています。母チェッキーノは現役時代にオークスでシンハライトと接戦の2着。桜花賞を勝つようなら二冠も夢ではありません」(競馬記者)
そんなチェルヴィニアにとって頼りになるのが、主戦のC.ルメール騎手と木村哲也調教師のコンビである。桜花賞には直行するようだが、世界最強馬イクイノックスを育てた2人だけに休み明けでも心配は無用だろう。
結局のところ、実際にレースが終わってみないことには分からないものの、皐月賞のレガレイラ同様に、桜花賞もトライアルを使わなかった組に魅力的な馬が揃った印象。群雄割拠の様相を呈している今年のクラシックで天下取りに名乗りを上げるのはどの馬か。例年以上に難解な年となりそうだ。
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