
「224万馬券」の大波乱は人馬の絆で手にした勝利!父はキズナVSエピファネイアの対決に沸いたダービーで3着、武士沢友治「馬のドラマとストーリーは続く」にも納得

10日、中山競馬場で行われた3R・3歳未勝利(ダート1800m)は、12番人気の伏兵エアロソニック(牡3歳、美浦・鈴木慎太郎厩舎)が勝利した。
単勝オッズ130.6倍の超人気薄が勝利しただけではなく、1番人気プルナチャンドラが4着に敗れたこともあり、12番人気→6番人気→4番人気で決着した3連単の払戻は224万6870円の大波乱となった。
とはいえ、先行勢が多数上位に入ったように、これを後方からまとめて差し切ったエアロソニックの走りはなかなかのもの。前走は芝2000mの新馬戦で13着に大敗したが、ダートへの転戦で巻き返しに成功した。
また、本馬の勝利でアポロソニック産駒は中央で4年ぶりの白星を挙げた。現役時代のアポロソニックはキズナとエピファネイアが死闘を繰り広げた2013年の日本ダービー(G1)で8番人気の3着。好走に導いた勝浦正樹騎手としても、縁のある馬の産駒で制した勝利は格別だったのではないか。アポロソニック自身はダービー後に故障を発生し、結果的にラストランとなってしまったが、産駒であるエアロソニックとのコンビが続くことに期待したい。
「224万馬券」の大波乱は人馬の絆で手にした勝利!
レース後には、本馬を所有するYGGオーナーズクラブ公式Xも「鈴木調教師は助手時代に本馬の父アポロソニックを担当しており、その縁で預託を依頼した経緯があります。また、勝浦騎手もアポロソニックに騎乗してダービー3着、父の背中を知っている事から騎乗を依頼。競馬は血だけではなく人の縁も繋がって行くんだなとしみじみ思います。このチームで勝てた事が本当に嬉しいですね」と喜びのコメント。これを目にしたファンから「時が経って、人と人も繋がっていくのが競馬のロマンですよね」「こういうロマンならいくらでも大歓迎!」といった声が溢れた。
同クラブは現3歳世代の勝ち上がり率も41.6%と優秀。これはノーザンファーム系のクラブであるサンデーレーシング、キャロットファームらと遜色ない数字だ。チューリップ賞(G2)を勝利したスウィープフィートや昨年の武蔵野S(G3)を優勝したドライスタウトなど、所有馬の活躍が目立っている。
奇しくもこのレースでは、この日で引退を迎えた武士沢友治騎手も騎乗しており、同期の勝浦騎手と最後の同期対決でもあった。
勝浦騎手や村田一誠調教師らも参加した引退セレモニーでは「自分の騎手人生は終わるけど馬のドラマとストーリーは続く」とファンにメッセージを送ったが、かつてアポロソニックの主戦を任された勝浦騎手が、時を経てパートナーの産駒であるエアソニックを初勝利に導いたことは感慨深いものがある。
武士沢騎手の引退により競馬学校13期生は勝浦騎手と江田勇亮騎手の2名となるが、JRA競馬学校教官へと転身する武士沢騎手ともども、引き続き競馬の盛り上がりに貢献してくれるだろう。
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