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武豊×藤田晋オーナーの「遅れてきた好素材」がデビュー戦V! シンエンペラー、フォーエバーヤングなどに続く「世代5頭目」、重賞級の出世に期待

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武豊騎手 撮影:Ruriko.I

 15日に55回目の誕生日を迎えた武豊騎手。55歳最初の騎乗となった土曜の阪神2Rではグランオースの手綱を取ると2、3番手につける積極策からゴール前で抜け出して見事に勝利を飾った。

 レース後の武豊騎手は「55歳には厳しい馬でしたね(笑)。半マイル追いっぱなしでしたよ」とジョークを交えながら喜びを語るなど、改めてその役者ぶりを見せつける結果となったが、これだけで終わらないのがレジェンドだ。

 次の騎乗となった5Rをラファミリア、6Rをトーラスシャインでそれぞれ1着となり、約1ヶ月ぶりとなる騎乗機会3連勝を達成。区切りのJRA通算4500勝にもこの時点であと「11」と迫っている。

 中でも既走馬相手のデビュー戦で白星を挙げたラファミリア(牡3歳、栗東・矢作芳人厩舎)は、今後も覚えておきたい1頭だ。

 同馬は2021年のセレクトセールにおいて『ウマ娘 プリティーダービー』(Cygames)でおなじみの藤田晋オーナーが1億5000万円で購入したレイデオロ産駒。母は重賞4勝のアイムユアーズで、母系はエアグルーヴやドゥラメンテ、ルーラーシップなどと同じダイナカールの一族という血統馬である。

 その取引価格と血統背景からも陣営からの期待の高さは推し量れるところだが、かなりデビューが遅くなった上、坂路の最終追い切りも4ハロン54秒台ともうひとつ。ここは前走2着のテイクザクラウン、アリストテレスの全弟コンフェルマなど骨っぽいメンバー構成だったこともあり5番人気に留まった。

 ただ、芝2400mの一戦でラファミリアと武豊騎手のコンビは五分のスタートからハナに立つと、1000m通過61秒7のマイペースに持ち込み最後の直線に入る。一旦はコンフェルマに前に出られたが、再び盛り返す勝負根性を見せると最後は2着に半馬身差をつけてゴールを駆け抜けた。

「完全にコンフェルマの勝ちパターンに見えましたが、あの体勢から差し返したということは、かなりの実力を秘めている証でもあるでしょう。調教がいまひとつだったことから、ここを使われての上積みも見込めますし、血統的にも楽しみな馬が初陣を飾ってくれました」(競馬誌ライター)

3歳世代5頭目のデビュー勝ち

 また、藤田オーナーはこの日、中京3Rでもアウェイキングが白星を挙げており、現3歳世代はラファミリアで11頭目の勝ち上がりになるなど非常に好調だ。

 ちなみにラファミリアと同じくデビュー勝ちを決めた馬は他にも4頭おり、シンエンペラーがその後、京都2歳S(G3)を制してホープフルS(G1)でも2着。フォーエバーヤングは全日本2歳優駿(G1)を勝利し先月のサウジダービー(G3)も勝つなど目下4連勝中である。

 ボンドガールもサウジアラビアロイヤルC(G3)2着、ソンシがファルコンS(G3)3着と重賞クラスで活躍しているのだから、ラファミリアもこの先が非常に楽しみといえるのではないか。

 藤田オーナーとは昨年7月以来、久々の白星となった武豊騎手も「最後差し返してくれましたからね。能力がありそうです」とラファミリアの素質を評価。遅れてきた好素材の次のレースにも注目したい。

GJ 編集部

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