シュトラウス「後方ポツン」の荒療治に復活の予兆見えた?クラシック候補の再登板はあるか…北村宏司「ドン詰まり」に田原成貴も苦言

16日に中京競馬場で行われたファルコンS(G3)。NHKマイルC(G1)を見据える重要なステップを制したのは、7番人気の伏兵ダノンマッキンリーだった。
2戦無敗で臨んだ昨年の朝日杯フューチュリティS(G1)で3番人気に支持された逸材だったが、レースでは好位から伸びを欠き8着と振るわなかった。その後も1番人気に推されたクロッカスS(L)を5着に敗れ、ついにはC.ルメール騎手から北村友一騎手に乗り替わったこともあり、大きく人気を落としたものの、鞍上の好騎乗が見事な復活勝利を導いた。
その一方、別の意味で最も注目を集めたのは、3番人気に支持されたシュトラウス(牡3、美浦・武井亮厩舎)である。
本馬は昨秋にクラシックの登竜門といえる東京スポーツ杯2歳S(G2)を制し、朝日杯FSでも2番人気に推された実力の持ち主。このときは出遅れた上に、道中で折り合いを欠いて暴走気味にハナに立ち、最後の直線で失速して10着に大敗した。それまで手綱を取ったルメール騎手やJ.モレイラ騎手をして前進気勢の強さと乗り難しさに課題があると言わしめた“ヤンチャ坊主”だ。
クラシック戦線に向かうのであれば、日曜中山のスプリングS(G2)に出走する選択肢もあったはずだが、陣営が選択したのは意外にも前日の芝1400m戦。2000m超のクラシックを見据えるには常識外れにすら映る距離短縮だが、シュトラウスの気性を考えれば、これくらいの荒療治も悪くなかったのかもしれない。
レースでは9着に敗れはしたが、この着順のみで陣営の選択が大失敗だったとは、言い切れないことも確かだ。というのも、これまで制御が利かないほど行きたがっていたシュトラウスが、予想以上に後方からのレースで常識にかかる競馬をしていたからである。
「前走は出遅れての後方でしたが、今回はまるで横山典弘騎手の“後方ポツン”。道中で北村宏司騎手がなだめるのに苦労するシーンもありましたが、思っていた以上にスムーズな追走をしていました。
最後の直線で内に進路を取ったのが仇となって詰まってしまいましたが、楽な手応えで上がっていく姿は、今回の作戦が成功だったと思えるのに十分でした。まともに追えないままで9着はさすがです。進路さえあれば突き抜けたかもしれませんね」(競馬記者)
「ドン詰まり」に田原成貴氏も苦言
レース後に「脚を余すような形になり申し訳ないです」とコメントした北村宏騎手に対し、元JRA騎手の田原成貴氏が『東スポレースチャンネル』でロジリオンの三浦皇成騎手と同じく「挟まりにわざわざ内に」「挟まらないでしょう、上手な人って」と苦言を呈していたように、敗因の比重が馬よりも騎手の方に大きかったと考えられる内容でもあった。
そういう意味では結果的に大敗したものの、あれだけ行きたがる馬が“後方ポツン”で一変の可能性を見せたのだから、ファルコンSに使ったことがすべて無駄だったとは言い切れない。
「注目したいのはシュトラウス陣営の今後の路線選択ですよね。皐月賞(G1)を視野に入れても東スポ杯を勝っているので賞金的にはおそらく足りるでしょう。見方を変えればファルコンSは公開調教のような結果でした。
北村宏騎手にしても追い切りからコンタクトを取って、レースでは初騎乗でした。この敗戦でパートナーの癖を掴んだと思いますし、継続騎乗するようなら進展もあるでしょう。個人的には皐月賞で見てみたい馬ですね」(同)
ネットの掲示板やSNSなどでは、一部のファンからメイケイエールの牡馬版と評する声も出ていたシュトラウス。非常に個性的な馬ではあるが、やんちゃな馬を見るとつい応援したくなるのも競馬ファンの性だ。
NHKマイルCという選択肢ももちろんあるが、開催は5月とまだ先。少なくともファルコンSを使ったことに意味があったと思える内容だった。このまま短距離路線に切り替えるにしても、皐月賞で追試をしてからでも遅くはない。今後の陣営の動向に引き続き注目しておきたい。
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