「無敗の大物」シックスペンスにジャスティンミラノ…ディープインパクトから受け継がれる王者の系譜「キズナ時代へ」黄金世代が迎える春
キズナの「黄金世代」が春G1を席巻!?
今週末24日には高松宮記念(G1)、31日には大阪杯(G1)が行われる中央競馬。春のクラシックの足音も本格的に近付く季節になった。
17日、中山競馬場で行われたスプリングS(G2)はシックスペンス(牡3、美浦・国枝栄厩舎)が優勝。通算成績を3戦3勝とし、無敗でクラシックへと挑むことになった。
2着馬アレグロブリランテにつけた着差は3馬身差の快勝で、騎乗したC.ルメール騎手は「距離を延ばしても全然問題ないと思います。とても乗りやすい馬なので2000m以上も絶対にいけますし、上のクラスにも行けます」と太鼓判を押した。述べるまでもなく、スプリングSはG2であり、ルメール騎手の言う「上のクラス」はG1だ。このルメール騎手の発言からも、シックスペンスが春のクラシックの主役候補に浮上したことは間違いないだろう。
その一方で、今年の3歳クラシック路線は未だこれといった主役がいない。このまま皐月賞(G1)を迎えるなら、相当人気が割れることは想像に難しくない。
ただ、そんな中で大きく勢力を伸ばしているのが、現在種牡馬リーディングトップのキズナだ。
これまでキズナ産駒はディープボンドやハギノアレグリアス、ファインルージュなど馬場や距離を問わない活躍馬を多数輩出しているが、古馬になってから力をつける産駒が目立っていた。
ディープインパクトから受け継がれた覇権
しかし、種牡馬生活5年目の昨年は初めて2歳リーディングを獲得し、叔父サンデーサイレンス、父ディープインパクトに次ぐ親子3代に渡る2歳リーディングサイアー獲得は史上初の快挙となった。
勢いそのままに、今年も共同通信杯(G3)をジャスティンミラノ、クイーンC(G3)をクイーンズウォークが勝利。シックスペンスを含め、多くの有力馬をクラシックに送り込む。
「2016年は269頭と種付けをしたキズナですが、翌年にはモーリスやドゥラメンテなどが種牡馬デビューした影響もあって種付け数が減少しました。
しかし、初年度産駒が2019年にデビューすると、ビアンフェが函館2歳S(G3)を制覇、その後もエリザベス女王杯(G1)を制するアカイイトや、マイルG1を3勝するソングラインなどを輩出。その結果、種付け料を350万円から600万円に引き上げることに成功しています。
また今年活躍している3歳馬は、まさに初年度産駒の活躍を受けて配合された黄金世代。2歳リーディングを獲りましたし、今年、産駒初のクラシックを制する馬が出れば、確固たる地位を築くことになると思います」(競馬誌ライター)
父ディープインパクトが2019年に亡くなったことや様々な条件で活躍馬が出たことで、2020年に600万円だったキズナの種付け料は現在1200万円まで上がっている。今年、クラシックを制す産駒が出てくれば種牡馬価値はさらに高騰しそうだ。
今後は同じディープインパクト系で無敗の三冠馬でもあるコントレイルや、初年度種付け価格が2000万円と大きな話題を呼んだイクイノックスらの産駒がデビューする。キズナ産駒にとって、今年が「勝負の世代」となることは間違いないだろう。
果たして、2013年のダービー馬は種牡馬としても覇権を握ることはできるのか。理想的な形で春を迎えることになったキズナ。あとは「本番」で、結果を残すだけだ。
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