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【阪神牝馬S(G2)展望】「JRAレコード樹立」阪神で巻き返しへ…マスクトディーヴァがJ.モレイラと新コンビ結成!

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マスクトディーヴァ 撮影:Ruriko.I

ヴィクトリアマイル(G1)へ、古馬牝馬の一線級が激突

 4月6日、阪神競馬場では古馬牝馬重賞の阪神牝馬S(G2)が行われる。ヴィクトリアマイル(G1)の前哨戦としても注目のレースを展望していきたい。

 過去10年で4歳馬は5勝、5歳馬は4勝と拮抗しているが、今年は4歳馬が中心となりそう。その中でも1番人気に支持される可能性が高いのがマスクトディーヴァ(牝4歳、栗東・辻野泰之厩舎)だ。

 G1級とも評される強烈な末脚が自慢のルーラーシップ産駒が、その類まれなるスピードと瞬発力を披露したのは昨秋のローズS(G2)だった。

 1勝クラスを勝ち上がったばかりで7番人気の低評価だったが、絶好の手応えで直線を向くと、4角7番手から上がり3ハロン33秒2の脚を駆使。のちにエリザベス女王杯(G1)を勝利するブレイディヴェーグ以下を完全に封じ込めた。なお、勝ちタイムの1分43秒0は、JRAレコードを0秒8も上回る衝撃の時計だった。

 その後は秋華賞(G1)でリバティアイランドに挑むと1馬身差の2着に善戦。ゴール前では脚を余しており、位置取り次第で逆転もあったかと思わせる内容だった。

 今年は2月の東京新聞杯(G3)で始動。デビューから5戦連続で440kg台だった馬体重は454kgまで増え、牡馬に交じって堂々の1番人気に支持された。

 G3なら通過点と思われたが、スタートで致命的な大出遅れ。後方からの競馬を強いられると、上がり2位タイの脚を使うも6着に追い上げるのがやっとだった。前が止まらない馬場とスタートでの後れを取り戻すために序盤に脚を使ったことも影響した。

 春の大目標に掲げるヴィクトリアマイルへ向けて、今回は牝馬限定戦でメンバー的にも負けられない。距離は1ハロン短いが、レコードを叩き出したローズSと同じ阪神外回りが舞台なら、そのスピードを如何なく発揮できるはずだ。岩田望来騎手に替わってJ.モレイラ騎手との新コンビを予定している。

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ウンブライル 撮影:Ruriko.I

 マイル戦ならウンブライル(牝4歳、美浦・木村哲也厩舎)も侮れない。昨年のNHKマイルC(G1)2着馬で、全兄には2018年のマイルCS(G1)を勝ったステルヴィオがいる良血馬である。

 2歳時に新馬、もみじS(OP)と2連勝を飾り、阪神ジュベナイルF(G1)では3番人気に推されたが、その時は15着に惨敗を喫した。

 続くクイーンC(G3)も1番人気で6着とリズムを崩していたが、気性難解消のため、馬具装着で矯正に着手。そして迎えたのが昨年のニュージーランドT(G2)だった。

 追い切りでチークを着用、実戦で初ブリンカーを試みると、これが吉と出た。5番人気ながら2着に好走し、さらにNHKマイルCは8番人気で2着と牡馬相手に激走を見せた。

 9か月ぶりの実戦となった前走・東京新聞杯は9着に敗れたが、C.ルメール騎手が休み明けを敗因に挙げたように、一度使われた上積みは大きそう。マスクトディーヴァと同じG1・2着馬として意地を見せられるか。

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モリアーナ 撮影:Ruriko.I

 阪神JFでウンブライルを上回る2番人気に推された素質馬のモリアーナ(牝4歳、美浦・武藤善則厩舎)が、それ以来となる阪神で2つ目の重賞タイトルを狙う。

 阪神JFで12着に敗れ、その後はマイル重賞路線で上位争いに加わるも、結果を出せなかったモリアーナ。横山典弘騎手との新コンビで臨んだNHKマイルCで6着に敗れると、夏を休養に充てて紫苑S(G2)で復帰。初の2000m戦だったが、4角で後方2番手という絶望的な位置からヒップホップソウルら他馬をまとめてのみ込んだ。

 その後は秋華賞で5着、アメリカジョッキークラブC(G2)で4着とまずまずの成績。今回は久々のマイル戦で本領発揮となるか。


 5歳馬の中ではライラック(牝5歳、美浦・相沢郁厩舎)の実績が光る。

 3歳1月のフェアリーS(G3)が最後の勝利だが、その秋のエリザベス女王杯でジェラルディーナの2着(同着)、古馬となった昨年の秋に府中牝馬S(G2)3着、続くエリザベス女王杯4着と牝馬限定戦ではたびたび上位を賑わせている。

 桜花賞(G1)以来、約2年ぶりのマイル戦で久々勝利をもぎ取れるか。ペース次第で勝機も生まれそうだ。

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ドゥアイズ 撮影:Ruriko.I

 ドゥアイズ(牝4歳、栗東・庄野靖志厩舎)は前走の洛陽S(L)を快勝。新馬戦以来となる1年7か月ぶりの勝利を飾った。これまでマイル戦は「1-2-1-1」の好成績で、唯一の着外も桜花賞の5着なら今回も崩れることはないだろう。


 この他には、昨年の当レースを10番人気で2着したサブライムアンセム(牝5歳、栗東・藤原英昭厩舎)、昨年のフィリーズレビュー(G2)勝ち馬シングザットソング(牝4歳、栗東・高野友和厩舎)、昨夏の小倉記念(G3)で3着に粘走したゴールドエクリプス(牝5歳、栗東・大久保龍志厩舎)あたりも伏兵候補として無視できない存在だ。

 マスクトディーヴァがその豪脚を披露するのか、それともマイル実績があるウンブライルが重賞初勝利を挙げるのか。1着馬にヴィクトリアマイルの優先出走権が与えられる一戦を制するのは果たしてどの馬か。阪神牝馬Sは15時35分に発走予定となっている。

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