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【京王杯SC(G2)展望】2頭の一流スプリンターが7ハロン戦で激突! 川田将雅は「3連勝中」注目の上がり馬と初コンビ

トウシンマカオ 撮影:Ruriko.I
トウシンマカオ 撮影:Ruriko.I

 11日、東京競馬場では京王杯スプリングC(G2、芝1400m)が行われる。翌月の安田記念(G1)を見据えた前哨戦として位置づけられているが、近年はスプリント路線で活躍する馬の出走が目立つ。今年も快速馬2頭が主役の座を争う。

 1頭目は2歳時から短距離路線で父ビッグアーサー譲りのスピードを見せてきたトウシンマカオ(牡5歳、美浦・高柳瑞樹厩舎)だ。

 これまで京阪杯(G3)を2勝(2022、23年)したほか、今年3月のオーシャンS(G3)と合わせて重賞を3勝。前走の高松宮記念(G1)も6着に入るなど、スプリントG1をいつ勝ってもおかしくない実力馬である。

 振り返ればデビュー戦で1600m戦を、3歳1月のクロッカスS(L)で東京1400m戦をどちらも完勝しており、生粋のスプリンターというわけでもない。

 ただ、NHKマイルC(G1)で8着に敗れた後は11戦中10戦で1200mを走ってきた。唯一、距離を延ばしたのが昨秋のスワンS(G2)。4番人気に支持されたが、平均ペースで逃げて9着に敗れている。

 前走の高松宮記念はC.ルメール騎手が手綱を取っていたが、今回は昨年の京阪杯で代打起用に応えた菅原明良騎手と2度目のコンビ。「右回りの方がいいタイプ」と陣営も認めているが、左回りの1400m戦をあっさり勝利するようなら今後の選択肢も広がりそうだ。


 トウシンマカオと同じく短距離重賞を3勝しているのがウインマーベル(牡5歳、美浦・深山雅史厩舎)である。

 2年前のスプリンターズS(G1)でも2着した実績を誇るウインマーベルは、昨年の当レースでも7番人気で2着に食い込んだ。その後はキーンランドC(G3)で16着に大敗するなど不振に陥っていたが、昨年末に完全復調。阪神C(G2)で1年7か月ぶりの勝利を挙げると、今年の2月の阪急杯(G3)を他馬より1kg重い58kgを背負って制した。

 重賞2連勝の勢いに乗り、高松宮記念に挑んだウインマーベル。しかし、当日は重馬場に苦しんだことに加えて、外枠で前に壁をつくることができず。いいところなく12着に惨敗した。

 その後は放牧に出ていたが4月中旬に帰厩。順調に乗り込まれており、1週前の追い切りを見届けた深山師は「集中力も出てきて稽古の動きが明らかに変わってきています」と手応えを感じ取っている様子。7ハロンの距離ならトウシンマカオに負けるわけにはいかないだろう。

レッドモンレーヴ 撮影:Ruriko.I
レッドモンレーヴ 撮影:Ruriko.I

 実績十分のスプリンター2頭に対して、昨年の当レースを差し切って重賞初制覇を遂げたディフェンディングチャンピオンのレッドモンレーヴ(牡5歳、美浦・蛯名正義厩舎)は、どちらかというとマイラータイプの馬だ。

 昨年は続く安田記念でも10番人気ながら6着に食い込むと、秋は富士Sから始動。ナミュールの2着に好走したが、続くマイルCS(G1)は9着と、G1ではワンパンチ足りない印象もある。

 今年は中山記念(G2)で始動したが、ブービー15着に大敗。鞍上の横山和生騎手は「馬が嫌気を差してしまった」「集中力という点で1800mは長いのかも」と距離を敗因に挙げていたが、距離短縮に加えて、ひと叩きされた今回は一変があってもおかしくないだろう。


 実績的にはここまで名前が挙がった3頭に劣るが、3連勝中の上がり馬リュミエールノワル(牡5歳、美浦・上原佑紀厩舎)も侮れない存在だ。

 昨秋の時点では1勝クラスで3着がやっとという状況だった。しかし、昨年12月に2勝目を挙げると、3か月の休養を経て2勝クラス、3勝クラスと怒涛の3連勝。いずれも1400m戦で2~3番手の好位から抜け出す安定感ある走りを披露し、完成の域に近づいている。今回は川田将雅騎手と初コンビを結成。重賞初出走で初勝利も夢ではないはずだ。


 ソーヴァリアント(牡6歳、美浦・大竹正博厩舎)は2000mのチャレンジC(G3)を2勝しているように、もともと中~長距離で期待されていた素質馬だ。

 昨秋にマイル路線へ転向すると、初戦の富士Sで3着に好走。その後はマイルCSと中山記念で連続12着と結果を残せていないが、前走のマイラーズC(G2)で掲示板を確保する5着に健闘した。今回はキャリア初となる7ハロン戦でどんな競馬を見せてくれるか。

ダノンスコーピオン 撮影:Ruriko.I
ダノンスコーピオン 撮影:Ruriko.I

 この他には前走の谷川岳S(L)を11番人気で制し、デビュー36戦目でオープン特別初勝利を挙げたメイショウチタン(牡7歳、栗東・本田優厩舎)、2年前のNHKマイルC覇者ダノンスコーピオン(牡5歳、栗東・福永祐一厩舎)、昨年の当レースで3着に入ったダディーズビビッド(牡6歳、栗東・千田輝彦厩舎)などの関西馬も意欲の東上で勝利を狙う。

 G1馬を含む好メンバーがそろいそうな今年の京王杯SC。安田記念に向けて、そして秋のスプリンターズS(G1)に向けて、勝利を収めるのはどの馬となるのか。発走は11日の15時45分を予定している。

GJ 編集部

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