GJ > 競馬ニュース > 津村明秀騎手 G1制覇の「予兆」は確かにあった!?
NEW

津村明秀G1制覇の「予兆」は確かにあった!? 「勝ちたいと思い続けた男」の大進化を示す一目瞭然のデータとは

津村明秀騎手
津村明秀騎手

5年前の苦い記憶

「世界的権威のあるジャパンC(G1)を勝てて、自分の夢が1つ叶いました」

 今から5年前、2019年のことだ。前年の大阪杯(G1)以来、スワーヴリチャードに2つ目のビッグタイトルをプレゼントした欧州の若き天才O.マーフィー騎手は、勝利騎手インタビューでそう胸を張った。

 そんな輝かしい勝者のウイニングランを「ジーッ」と見つめていたジョッキーがいる。0.1秒差の2着に敗れたカレンブーケドールの主戦・津村明秀騎手だ。

 後に『netkeiba.com』の人気対談企画『競馬対談 with佑』に登場した津村騎手は、同期でありホストの藤岡佑介騎手に当時の心境を吐露。詳細はぜひ、本対談をご覧いただきたいが、カレンブーケドールと津村騎手は、これでオークス、秋華賞に続くG1連続2着となった。特にジャパンCは藤岡佑騎手が「津村が一番上手く乗った」と評価するほどの完璧な競馬。それだけに悔しさもひとしおだったようだ。

「東京でウイニングランかぁ、きっと最高だよね」

 あのジャパンCから5年が経った12日のヴィクトリアマイル(G1)。48回目のG1挑戦にて津村騎手がたどり着いた初勝利は、奇しくも東京競馬場が舞台だった。「いつか勝ちたい、勝ちたいと思い続けて。一番大きい東京で勝てて、最高の瞬間」超大穴だったテンハッピーローズとゴールを先頭で駆け抜けた瞬間、何度も何度もガッツポーズを繰り返した。

「ウチの馬で勝てなくて、ウチのを負かしていくんだから」と報道陣の笑いを誘ったのは、2着フィアスプライドの国枝栄調教師。かつてカレンブーケドールを手掛け、あと一歩でG1に届かなかった津村騎手を根気強く起用し続けてくれた恩人だ。レース後には同期の川田将雅騎手と熱い抱擁を交わすなど、誰もが祝福する会心の勝利だった。

 騎手21年目、重賞17勝を誇りながらG1どころかG2さえ勝っていなかった男による“一足飛び”のG1制覇。テンハッピーローズが単勝208.6倍のブービー人気だったこともあって、ネット上には「奇跡的」「乾坤一擲」「一世一代」といった言葉が飛び交った。

 だが、会心の勝利に至る「予兆」は確かにあった。

1着と2着数が示す、津村騎手の変身ぶり

カレンブーケドールと津村騎手 撮影:Ruriko.I
カレンブーケドールと津村騎手 撮影:Ruriko.I

 カレンブーケドールとジャパンCで2着に敗れた2019年が39勝で2着60回、2020年が31勝で2着59回、2021年が41勝で2着58回……。多くの競馬ファンがイメージしている通り、津村騎手は「いつも良いところまでくるが、あと一歩足りない」要するに、上手いのに勝てない騎手だった。

 実際に騎手20年で津村騎手の1着数が2着数よりも多かったのは、たった4回しかない。通算成績(12日現在)は653勝、2着778回、3着836回だ。

 それが2022年は38勝で2着38回、2023年も56勝で2着58回と大きく改善。昨年の56勝は騎手20年目にしてのキャリアハイ更新だった。そして、今年2024年はまだ暫定ながら19勝で2着16回と2017年以来の“勝ち越し”に転じている。

「初めてG1を勝ちましたけど、これで終わりじゃなくて、まだまだこの声援をまた浴びたいなと思い始めたので……また勝ちたいです!はい!」

 あと一歩足りなかった男が、初めて“勝利”の味を知り「欲」を持った――。これからの津村騎手は一味も二味も違うかもしれない。

GJ 編集部

GJ 編集部

真剣勝負の裏にある真実に切り込むニュースサイト「GJ」の編集部です。これまで作成した記事は10000本以上。競馬歴10年超えの情報通が業界の「しがらみ」を取り払った「本音」や「真実」にも臆することなく、他のサイトとは一線を画したニュース、サービス提供を行っています。

真剣勝負の真実に切り込むニュースサイト「GJ」

Twitter:@GJ_koushiki

Instagram:@goraku.horse.racing0505

津村明秀G1制覇の「予兆」は確かにあった!? 「勝ちたいと思い続けた男」の大進化を示す一目瞭然のデータとはのページです。GJは、競馬、, , の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。ギャンブルの本質に切り込むならGJへ!

Ranking

17:30更新
  • 競馬
  • 総合
  1. 【ヴィクトリアマイル(G1)予想】ナミュールから6点で万馬券狙い! マスクトディーヴァは持ちタイムに不安ありで消し! 高速決着に対応できる穴馬で勝負
  2. 「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
  3. 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
  4. 浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
  5. JRA「馬が走ってくれません」スタート直後の“レース拒否”に大反響!? 三浦皇成も打つ手なし……未勝利馬がまさかの「自己主張」で1か月の出走停止処分
  6. 横山典弘騎手が若手騎手に「あの乗り方はやめろ」岩田康誠騎手らが実践する「お尻トントン」は、競走馬の負担になるだけ?
  7. 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬
  8. 「空前の競馬ブーム」巻き起こしたオグリキャップ…ぬいぐるみはバカ売れ、見学ツアーも大人気、「ビジネスチャンス」生かしたオーナーの慧眼【競馬クロニクル 第64回】
  9. JRA出鼻をくじかれた「16億円」の大勝負……。「神の馬」の二の舞だけは避けたい日高に朗報!? 海外からのニュースに関係者も安堵か
  10. 武豊騎手「パドック意味なし」発言に仰天……馬券購入セオリー「完全否定」のトップ騎手たちが語るパドック必勝法とは