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マスクトディーヴァ、ナミュール末脚不発…「単勝208.6倍」テンハッピーローズが戴冠! ヴィクトリアマイル(G1)天国からの後押しふたたび
![テンハッピーローズ 撮影:Ruriko.I](/wp-content/uploads/2021/12/Ruriko.I_20211219_tenhappiiroozu_68.jpeg)
テンハッピーローズとナミュールしかなかった共通点
12日、東京競馬場で行われたヴィクトリアマイル(G1)は、伏兵テンハッピーローズ(牝6歳、栗東・高柳大輔厩舎)がブービー14番人気に反発するような末脚を見せて勝利。重賞初制覇をG1の大舞台で飾った。
マスクトディーヴァとナミュールの2強対決で迎えた今年のマイル女王決定戦。最終的に1番人気に支持されたマスクトディーヴァは、最後の直線でなかなか前が開かず。残り200mを切ったところで進路を見つけて鋭く伸びたものの、3着に追い込むのが精いっぱいだった。
一方のナミュールはスタートで遅れると、こちらも直線で前が詰まる場面もあり、自慢の末脚は不発。8着に敗れ、昨秋のマイルCS(G1)に続くG1・2勝目はお預けとなった。
「結果を出せず残念です。初めて乗ったので比較はできませんが、最後に追い出しても切れる脚を使えませんでした」
レース後、敗戦の弁を述べたのは、この日ナミュールに初めて跨ったという武豊騎手だ。「最後までジリジリという感じでした。この馬本来の決め手が出ませんでした」と振り返り、肩を落とした。
「2強がそろって消化不良の競馬になってしまいましたね。マスクトディーヴァは他馬からマークされるような形で道中を進み、最後の直線でもドゥアイズの鮫島克駿騎手に外から蓋をされて行き場をなくしました。
武騎手のナミュールは海外遠征明けで栗東に戻ってきたのが今月2日、俗にいう“10日競馬”で状態もイマイチだったのかもしれません。最後も伸びてはいますが、この馬らしい切れ味を見せることができませんでした」(競馬誌ライター)
人気を集めた2頭が不完全燃焼に終わった一方で、最もスムーズなレース運びを見せたのがテンハッピーローズだったのではないだろうか。
好発を決めて道中は中団後方の10番手を追走。外々を回って8番手で直線を向くと、残り400mまで追い出しを我慢する余裕の手応えだった。400mを切ったところで鞍上・津村明秀騎手の右ムチが1発、2発と飛ぶと、テンハッピーローズは一気に加速。残り150m辺りでフィアスプライドを交わし去ると、混戦となった2着争いを尻目に1馬身1/4差をつける完勝で、単勝はなんと2万860円、三連単は91万円を超える大波乱を演出した。
「古馬になってから重賞での最高着順が6着という馬でしたからね……。最終追い切りでも折り合いを欠いていましたし、予想する側からすれば、押さえることも難しい存在ではなかったでしょうか。
ただ、買う要素があったとすれば、藤岡康太さんがかつて調教をつけ、実戦でも2回騎乗していたことです。ヴィクトリアマイルを走った15頭の中で藤岡康さんが騎乗したことのある馬はナミュールとテンハッピーローズだけでした」(同)
![藤岡康太騎手](/wp-content/uploads/2021/04/20210411_fujiokakouta_17.jpeg)
先月、不慮の落馬事故でこの世を去った藤岡康さん。その直後に自身が調教をつけていたジャスティンミラノが皐月賞(G1)を制覇し、鞍上の戸崎圭太騎手が「康太が後押ししてくれたのだなと、康太も喜んでくれているんじゃないかと思っています」と勝利騎手インタビューで語り、ファンの涙を誘ったことは記憶に新しい。
あれから約1か月。今度はヴィクトリアマイルでテンハッピーローズを後押しする形となった。
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