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超スローの前残りを「32秒9」の切れで一刀両断! ダービー以上のインパクトは宝塚記念でも好戦必至か…晩成の大物が見せた「規格外」のパフォーマンス

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東京競馬場
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 大ベテラン横山典弘騎手とダノンデサイルが優勝した日本ダービー(G1)の余韻も冷めやらぬ中、この日の最終レースとして行われた目黒記念(G2)。J.モレイラ騎手とコンビを組んだシュトルーヴェが強烈なインパクトを残した。

後ろの馬には絶望的な超スローだった今年のダービー

 直前に行われた日本ダービーは、1000m通過62秒2という超のつくスローペース。掲示板に載った5頭中4頭が、上がり3ハロン33秒台をマークしていたように、直線だけのヨーイドンといえる展開だった。

 好位から鋭い末脚を見せたダノンデサイル、ジャスティンミラノの対決で盛り上がった一方、後方待機策を採った末脚自慢タイプには絶望的な状況。特に5着レガレイラは1枠2番が仇となって道中のポジションを徐々に下げざるを得なかった。まともに追い出せたのも残り400mを切ってからだったように、鞍上のC.ルメール騎手も「ペースが遅かったですし、後ろからでは難しいですね」と不完全燃焼に終わっている。

 そんな前残りのレースを目の当たりにしていただけに、目黒記念でもダービーと似た展開を想像したファンは少なくなかっただろう。

 実際、前半1000m通過は61秒8と超スロー。13頭中8頭が上がり3ハロン33秒台をマークしたのだからダービー同様に後ろの馬に出番のないペースだ。3~4番手の好位を追走したシュヴァリエローズ、クロミナンス、サトノグランツらには願ってもない展開だったはずである。

 しかし、ダービーと違って目黒記念には、1頭だけ規格外のパフォーマンスを演じた馬がいた。

 それが最後の直線で10番手の後方から前を行くライバルたちをゴボウ抜きしたシュトルーヴェ(騙5歳、美浦・堀宣行厩舎)だ。

 ダービーで上がり最速をマークしたレガレイラが33秒2なら、シュトルーヴェのそれはなんと32秒9。この衝撃はダービーで末脚不発に終わったレガレイラがまるで差し切ってしまったかのような錯覚に陥るほど強烈な差し切り勝ちだったかもしれない。

目黒記念を快勝したシュトルーヴェに感じた可能性

「いやぁ、ホント凄かったです。レースを見ている時も後ろの方にいたので危ないと感じました。ところがエンジンが掛かってからの切れは桁違い。しかも58.5キロを背負ってですから価値がありますよ。

気になって今年の東京開催で32秒台の上がりを使った馬を調べてみたのですが、32秒台の最速上がりを使って勝った馬はシュトルーヴェ以外いませんでした。ここまでの最速上がりは京王杯スプリングC(G2)で2着のレッドモンレーヴの32秒2ですが、こちらは芝1400m条件。芝2500mでマークしたシュトルーヴェが凄過ぎました」(競馬記者)

 記者が驚きを隠せなかったように、目黒記念で3連勝したシュトルーヴェだが、昨年夏ころは3勝クラスで勝ちあぐねていた馬。それが今年に入って2月に3勝クラスを卒業してオープン入りすると、重賞初挑戦となった3月の日経賞(G2)を快勝し、そのまま目黒記念まで制してしまった。メンバーが強化されていく中での快進撃は、実力の裏付けなくして不可能であり、5歳春にしていよいよ本格化を迎えたといっていい。

 そこで気になるのが本馬の次走。レース間隔的に6月23日の宝塚記念(G1)出走も視野に入る時期だけに、もし挑戦してくるようなら不気味な存在となるだろう。出走がなかったとしても天皇賞・秋(G1)やジャパンC(G1)も視野に入る。

 騙馬ということもあり息の長い活躍を期待できそうなシュトルーヴェ。勝利を導いたモレイラ騎手の「さらに成長してくれそうな内容でしたし、もっとステップアップできそうです」という期待十分のコメントも信頼してよさそう。晩成タイプの大物候補の次走に注目したい。

GJ 編集部

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