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【北九州記念(G3)展望】昨年は「夏の王」ジャスパークローネと「秋の女王」ママコチャがワンツー! 今年は世代交代を狙う強豪3歳馬が古馬初挑戦

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30日に小倉競馬場でサマースプリントシリーズ第2戦・北九州記念(G3)が行われる。

昨年はここでCBC賞(G3)との連勝を決めたジャスパークローネが、そのままサマースプリント王に。2着だったママコチャは秋のスプリンターズS(G1)で大輪の花を咲かせた。

強豪集う3歳重賞・葵S(G3)を勝ったピューロマジック

注目が高まる今年のテーマは世代交代かもしれない。筆頭に名を挙げたいのが、ピューロマジック(牝3歳、栗東・安田翔伍厩舎)だ。

ピューロマジックの近5走成績
ピューロマジックの近5走成績

前走の葵S(G3)は3歳限定競走にとって、唯一のスプリント重賞。それだけに毎年、世代の強豪が集まることで有名だ。ピューロマジックも「前走マーガレットS(L)2着」という実績がありながら、8番人気と伏兵の1頭だった。

しかし、レースでは抜群のスタートを決めるとそのまま敢然とハナへ。ペアポルックスが2番手から鈴を付けに言ったが、自分の形に持ち込んだピューロマジックは簡単には止まらない。終わってみれば“行った行った”の決着で、最後はペアポルックスに1馬身1/4差をつける完勝だった。

レース後、横山和生騎手は「リラックスできればもっといい走りができる」と上積みがあることを強調。今回は松山弘平騎手に手が戻るが、古馬相手にどこまでやれるか。楽しみの方が大きい。

ピューロマジックと互角の勝負を繰り広げるナナオ


次に挙げたいのが、ライバルのナナオ(牝3歳、栗東・小栗実厩舎)だ。

ナナオの近5走成績
ナナオの近5走成績

前走の葵Sでは3番手追走も3着と、ピューロマジックに完敗を喫したナナオ。しかし、2走前のマーガレットSでは2番手追走から、最後の直線で逃げるライバルを競り落とし2馬身半差をつけて快勝している。

重馬場だったことも大きな勝因で、稍重・重馬場の成績は【3.1.0.0】。今回も一雨降れば、重賞初制覇の期待も高まってくるはずだ。ハンデも重賞勝ちのピューロマジックよりも軽くなるはずで期待は小さくない。鞍上は主戦の和田竜二騎手になる見込みだ。

ヨシノイースターが6歳になって本格化


ただし、昨年は葵Sを勝って勢いに乗っていたモズメイメイが2番人気に支持されるも、10着に大敗している。迎え撃つ古馬勢からは、まずヨシノイースター(牡6歳、栗東・中尾秀正厩舎)に着目してみたい。

ヨシノイースターの近5走成績
ヨシノイースターの近5走成績

すでにキャリア24戦を数える古豪だが、今年になってさらに一皮むけた印象だ。始動戦となった2月の北九州単距離S(OP)勝ちは、同舞台のここに向けて好材料。さらにオーシャンS(G3)ではトウシンマカオやビッグシーザーといった重賞常連馬らを相手に4着に好走している。

また前走の春雷S(L)では3着に敗れたものの、0.1秒差の勝ち馬サトノレーヴが勢いそのままに先日の函館スプリントS(G3)を制覇。ヨシノイースターがここで上位を賑わせても驚けないだけの材料が揃っている。今回は丸山元気騎手に手綱が戻る。

昨年の覇者ジャスパークローネはハンデが鍵か


 昨年の覇者ジャスパークローネ(牡5歳、栗東・森秀行厩舎)も当然優勝候補だ。

 昨年はこのレースとCBC賞を勝って、夏のスプリント王に輝いたジャスパークローネ。秋のスプリンターズSで4着に好走した後は、森秀厩舎らしく米国→香港→サウジアラビア→ドバイと世界を渡り歩くことに。リヤドダートスプリント(G3)の4着が最高成績と苦戦続きだったが、相手は世界のトップクラス。ここに帰ってくれば、再び大きな顔ができるはずだ。

 ポイントは、やはりハンデになるだろう。昨年はCBC賞を55キロで勝って、北九州記念を57キロで勝利した。今年はおそらく58キロ以上のハンデが見込まれ、いよいよその影響が大きくなってくる。逆にここで改めて強さを見せつけるようなら、秋のスプリンターズSへの展望も大きく開けるはずだ。

ライスシャワーCを勝った生粋のスプリンター

グランテスト 撮影:Ruriko.I
グランテスト 撮影:Ruriko.I

 上がり馬のグランテスト(牝4歳、栗東・今野貞一厩舎)の名も挙げておきたい。

 今年、JRAは70周年記念事業の一環として「JRAウルトラプレミアム」というシリーズレースを実施しているが、競馬ファンの間で「ライスシャワーなのに1200m?」と話題を呼んだライスシャワーC(3勝クラス)を勝ったのがグランテストだった。

 1番人気に支持されたレース内容は、好位から抜け出して2着馬に1馬身1/4差をつける危なげないもの。デビューから9戦すべて芝1200mを使われて【4.3.0.2】。2回の着外も4着という安定感は、ハンデ戦のここなら大きな武器になるはずだ。

昨年の高松宮記念(G1)3着のトゥラヴェスーラなども有力

モズメイメイ 撮影:Ruriko.I
モズメイメイ 撮影:Ruriko.I

 他にも、今年もジャスパークローネとの主導権争いが注目されるテイエムスパーダ(牝5歳、栗東・木原一良厩舎)、昨年の高松宮記念(G1)3着のトゥラヴェスーラ(牡9歳、栗東・高橋康之厩舎)、安土城S(L)を勝って勢いに乗るエイシンスポッター(牡5歳、栗東・吉村圭司厩舎)、昨年の借りを返したいモズメイメイ(牝4歳、栗東・音無秀孝厩舎)などが想定されている。昨年の阪神牝馬S(G2)の勝ち馬で、今回が初の1200mになるサウンドビバーチェ(牝5歳、栗東・高柳大輔厩舎)も出走してくれば興味深い存在になるだろう。

 夏の小倉・電撃決戦を制して秋のスプリンターズSへ名乗りを挙げるのは、どの馬か。北九州記念は30日(日)の15時35分に発走予定だ。

GJ 編集部

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