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「32年間未勝利」魔の枠引いたサトノレーヴは黙って消し?週末の雨もスプリンターズSの混戦に拍車

D.レーン騎手 撮影:Ruriko.I
D.レーン騎手 撮影:Ruriko.I

 今週末のスプリンターズS(G1)からスタートする秋のG1シリーズ。ほぼ毎週のようにG1が行われる終盤戦だけに、この時期になると有馬記念(G1)までアッという間に感じる競馬ファンも少なくないだろう。

 大舞台を前に休養から復帰する大物たちも控え、見応えあるレースが目白押しとなる訳だが、そこはスポーツだけでなく公営競技の側面を持つ競馬。あくまで自己責任の範囲で楽しむ必要がある。

魔の枠引いたサトノレーヴは黙って消し?

 開幕を飾るスプリンターズSの枠順も確定し、後はレースが無事行われるのを待つだけとなった訳だが、上位人気が予想されるサトノレーヴは、有り難くない枠を引いてしまったようだ。

 本馬は夏の北海道で函館スプリントS(G3)、キーンランドC(G3)といったスプリント重賞を連勝。中山芝1200mも過去2戦2勝と得意コースであり、鞍上にもオーストラリアの名手D.レーン騎手を配して必勝態勢を整えている。

 外国人騎手信者として知られる堀宣行調教師の期待に応え、レーン騎手も実質1日の短期免許で来日と勝負駆けは明白。2年前の勝浦特別(2勝クラス)では、翌日に行われたスプリンターズSのジャンダルムの勝ちタイムより速かったほど。父ロードカナロア、母父サクラバクシンオーは現役時代にスプリンターズSを快勝しており、まさにスプリントの申し子といえる血統の持ち主でもある。

 勝利の最短距離にいるといってよさそうなサトノレーヴだが、よりにもよって6枠12番を引いてしまったことは、少々不運だったかもしれない。

 というのも、スプリンターズSで6枠12番に入った馬は、なんと32連敗中。直近で勝利した事例も、12月開催時の1991年ダイイチルビーまで遡る必要があるのだ。

 勿論、単なる偶然の積み重ねだが、これだけ連敗が続いていることは事実。データ的には割引材料と言わざるを得ない。上位人気確実の馬が「魔の枠」を引いた上に週末の天気も雨模様が濃厚。レース展開に加えて、出走各馬には道悪の適性も求められるレースとなりそうだ。

「今秋の中山はスローペースの前残りも多く、とんでもない高速決着も目立ちます。近年屈指の高速馬場であり、2勝クラスでも1分6秒8をマークしていたほどです。良馬場ならスプリンターズSでロードカナロアの持つ1分6秒7のレコード更新すらあったかもしれません。

ただここまで時計の出やすい馬場なら多少の雨でも好時計の決着が濃厚。やはりインの好位で競馬のできるタイプが有利でしょう。そういう意味ではサトノレーヴも条件に合致していたのですが、真ん中より外の枠をどう克服するかですね」(競馬記者)

 しかし、僅かながらプラス材料もある。サトノレーヴが今年4月の春雷S(L)を制した際は、7枠13番から外を回しての差し切り勝ち。1993年と1994年に連覇を飾った母父サクラバクシンオーは、初優勝時に6枠ではないとはいえ7枠12番で勝利したのは頼もしい。

 終わってみれば余計な心配だったというオチもあるだろう。10月下旬に出産を控える妻を残してまで駆け付けた名手の手腕に注目だ。

GJ 編集部

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