【南部杯(G1)展望】王者レモンポップ連覇なるか! 新ダート王ペプチドナイルの巻き返しにも期待
14日、盛岡競馬場でダートのマイル王決定戦マイルチャンピオンシップ南部杯(G1)が開催される。
断然の中心は、現ダート王のレモンポップ(牡6歳、美浦・田中博康厩舎)だ。
昨年、フェブラリーS(G1)とチャンピオンズC(G1)をW制覇して統一ダート王に輝いたレモンポップ。国内では無敵のシーズンとなったが、中でも圧巻の強さを見せたのが昨年の南部杯だった。
スピード自慢が集った一戦で単勝1.5倍の大本命に支持されたレモンポップは果敢にハナを切ると、後続はまるでついて行けず。終わってみれば2着イグナイターに大差をつける圧勝だった。
あれから1年。今年はサウジC(G1)こそ奮わなかったものの、前走のさきたま杯(G1)で再びイグナイターを退けてG1・4勝目。国内に限れば連対率100%、現在5連勝中とまさに絶対的な王者として君臨している。果たして、この馬に食い下がる存在は現れるか。今年の南部杯の大きな焦点になるだろう。
政権交代へ、意地を見せたいのがペプチドナイル(牡6歳、栗東・武英智厩舎)だ。
昨年まで一介のオープン馬に過ぎなかったが、今年2月のフェブラリーSを11番人気で勝利。重賞初勝利をG1で挙げ、全国の競馬ファンを驚かせた。しかし、その後は前走のかしわ記念(G1)で3着止まり。主戦の藤岡佑介騎手が重馬場に敗因を求めた通り、良馬場で見直したい存在だ。もう一度、下剋上成るか。巻き返しが期待される。
迎え撃つ地方勢では、大井のサヨノネイチヤ(牡5歳、大井・坂井英光厩舎)に期待したい。
昨年5月からの7連勝で、一気に頭角を現したサヨノネイチヤ。期待された前走の帝王賞(G1)では5着と完敗だったが、元々はマイルを中心に活躍している馬だけに400mの距離短縮が味方するはずだ。
逆に兵庫のイグナイター(牡6歳、兵庫・新子雅司厩舎)は距離延長の壁に挑む。
一昨年、昨年とNARグランプリ年度代表馬を受賞するなど、兵庫から出た怪物。昨年の南部杯も2着に好走したが、勝ったレモンポップには2秒の大差をつけられた。再び王者と矛を交えた2走前のさきたま杯では、またも2着だったものの着差は0.4秒まで短縮。元々1400m以下を得意とする馬で、距離短縮を味方につけた格好だ。舞台は再び1600mだけに、どのような競馬で王者に迫るのか注目だ。
三冠馬ミックファイア(牡4歳、大井・渡辺和雄厩舎)の復活にも再度期待したい。
昨年は羽田盃、東京ダービー、ジャパンダートダービーを制して三冠を達成。ダート革命によって、今年から大きく変貌を遂げたダート三冠路線だが、変更前の最後の年に三冠を成し遂げ、NARグランプリ3歳最優秀牡馬に輝いた。しかし、その後の東京大賞典(G1)で8着に敗れると、期待された今年はフェブラリーSで7着、かしわ記念で5着と今一歩の結果に終わっている。果たして、このまま終わってしまうのか。逆襲に期待したい。
他にもJRAからはダイシンピスケス、タガノビューティー、ヘリオス、メタマックス、地方からは浦和のスピーディキック、岩手のグランコージー、兵庫のアラジンバローズなどが選定馬に名を連ねている。
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