宝塚記念(G1)でW杯日本の「奇跡」が気になる!? 女王桃井はるこのイチオシは「サイン」よりも「ホワイト」
――白い牝馬の意地に期待というわけですね。では、その対抗は?
桃井はるこ:こっちを本命にしようかと思うくらい悩んだのが、ステファノス(牡7歳、栗東・藤原英昭厩舎)です。
宝塚記念は例年、荒れるじゃないですか。その理由を考えてみると、直線が長いコースで勝利している馬が、小回りのレースに挑戦した際に届かないことが多いのではないか、という仮説に思い当たったんです。
そこで、昨年の阪神競馬場で開催された大阪杯(G1)であのキタサンブラックに4分の3馬身差まで迫って2着に入り、さらに中山競馬場で行われたオールカマー(G2)でも2着に入線するなど、小回りの競馬場で結果を残しているこのステファノスが私の中で浮上したんです。鞍上が地方競馬出身で小回りの競馬場を得意としている岩田康誠騎手という点も好材料でしょう。
前走の新潟大賞典(G3)は11着と惨敗。ですが、これまで同馬は前哨戦がイマイチだったときでも、本番は好走することが多いんです。前走の結果だけを鵜呑みにするとちょっと怖い存在ですよ。
――相変わらず、人気上位が予想されている馬の名前がなかなか上がらないですね。
桃井はるこ:逆張りの桃井ですからね!! でも、それには理由があるんですよ。まずサトノクラウン、ダンビュライト、ヴィブロスは人気上位だと思います。でもこの3頭は前走で海外G1レースに出走しているんです。
海外G1は晴れ舞台ですから、陣営はメイチの仕上げでレースに臨むと思うんですよ。帰国後すぐには検疫などもあるそうですし、慣れない環境から調子を立て直すのに時間がかかってしまうのではないかと思ってます。
ドゥラメンテは海外からの復帰初戦で宝塚記念2着でした、あの馬はスケールが違う気がしますのでちょっと除外です(笑)。
その点、ステファノスは昨年末に香港C(G1)に挑戦後に休養に入り、新潟大賞典を挟んで宝塚記念というローテーション。このくらい間隔を開けて臨んだほうが、いい結果が得られるのではないかと考えています。
――さすがの見立てだと思います。では、話は戻りまして3番手以降の馬をお願いします。
桃井はるこ:まず、タツゴウゲキ(牡6歳、栗東・鮫島一歩厩舎)!! マーベラスサンデー産駒のこの馬は、前走の鳴尾記念(G3)で10着と大負け。ですが、このときは長期休養明けだったので、度外視してもいいと思います。休養に入るまでは、G3とはいえ重賞を2連勝しているのですから、確かな実力もあるでしょう。
そして鞍上は、世界でもトップクラスのR・ムーア騎手にもその腕を認められているという秋山真一郎騎手。秋山騎手とタツゴウゲキのタッグを信じるっきゃない!!
そしてワーザー(セ7歳、香港)! わざわざ、日本に来たんです!! 1997年のセトステイヤー(9着)以来となる21年ぶりに!!! 日本にその走りのワザをわざわざ見せつけに来たんですよ!!!!
ワーザーは15年、16年と2シーズン連続で香港の年度代表馬に輝いているなど実績は十分。今年で7歳になりますが、南半球産なのでまだ6歳と考えて良いでしょう。前走は6着と奮いませんでしたが、そのときは斤量が60kgとちょっと重すぎました。58kgで出走できる今回は力を出せる気がします。
今回の鞍上はH.ボウマン騎手。日本でも目覚ましい活躍をしているボウマン騎手とのタッグは強力。一撃も期待できる存在ですよ。
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