真剣勝負の裏にある真実に斬り込むニュースサイト・GJ
GJ
真剣勝負の真実に切り込むニュースサイトGJ
NEW
2018.08.30 09:26
JRAは何故「炎天下」で長時間パドックを周回させるのか? 日本競馬における「熱中症対策」の矛盾と限界
編集部
無論、主催者であるJRAもこの状況に指を咥えて見ているわけではない。夏競馬が開催される競馬場の内、最も暑さが深刻な小倉は昨年から、福島、中京、新潟も今年から、パドックにミストを噴霧する装置を設置。新潟にはコース上の待機所付近にも設置され、福島にも今年から装鞍所に屋根が設置されたという。
さらに国際競馬統括機関連盟によるパリ会議の決定により、装鞍作業が済んだ後、水道水に限っては水を飲ませることが可能となった。しかし、述べるまでもなく過度な水分補給は、逆にレースでのパフォーマンスを落としかねない。せっかくの処置だが、JRAの川崎和巳・獣医課長によると「実際に水を与えることはほぼない」と、そこまで機能していないという。
こういった実情も含め、競馬における熱中症対策が”限界”を見せているのは、日本の競馬が「スポーツ」であると同時に、極めて厳重な公正が求められる「ギャンブル」であるからに他ならない。
その最たる象徴が、パドックの存在だ。
レース前に出走馬がパドックを何十周も、何十分も延々と歩き回るのは、日本の競馬における”日常”だ。しかし、こと純粋なスポーツという観点から見れば、これほど無意味な行為もないだろう。特に現在のような酷暑で、その負担が決して小さなものでないことは、誰でも容易に想像できる。
出走を間近に控えたサラブレッドが、パドックを長時間周回させられているのは、偏に馬券を購入するファンのためである。ただ、本当に「あれだけ何十周も回り続ける必要があるのかどうか」は疑問だ。
例えば、凱旋門賞(G1)が開催されるフランスのロンシャン競馬場(現パリロンシャン競馬場)では、日本と同じように馬券が発売されているが、凱旋門賞のレース前でもパドックは「2、3周すれば終わり」というのがお馴染みの光景だ。
パドックは、いわば”ファンサービス”の一環と言えなくもないが、時間縮小など改善の余地はまだまだ残されているように思える。
PICK UP
Ranking
17:30更新- 「オーナーの逆鱗」に触れた原優介が突然のクビ宣告!? 【NHKマイルC】アスコリピチェーノ主戦を背に追い切りも【日本ダービー】武豊がキタサンブラック弟と挑む最多7勝目【週末GJ人気記事ぶった斬り!】
- J.モレイラ、日本ダービー「本命」はレガレイラを破った4.5億円ホース!? 皐月賞2着コスモキュランダ乗り替わり発表から、鮮やかな優駿切符ゲット!
- 「オーナーの逆鱗」に触れた原優介が突然のクビ宣告!? 帝王賞でウィルソンテソーロ降板も決定済み…気になる「鞍上交代」はやっぱりアノ人?
- 【NHKマイルC】世代わずか「6頭」も驚異の高打率! ジャンタルマンタル、ノーブルロジャーの父に「第2のスワーヴリチャード」の期待
- 川田将雅「ルメール封殺」に絶賛の声! NHKマイルCを含む11戦8勝「川田祭り」で帰ってきたライバルに強烈な復帰祝い
- 「素行不良」で干された若手の更生に関西の大御所が名乗り! 福永祐一を担当した大物エージェントもバックアップ…関係者から「優遇され過ぎ」の声
- 横山和生「謎」の降板にファンから賛否の声…朝日杯FSで無敗の主戦に非情采配
- C.ルメール「がっくり」まで繰り返さなくても!? 3歳マイル王ジャンタルマンタルが「あの名マイラーにそっくり」と話題
- 【ヴィクトリアマイル(G1)展望】武豊×キャロットFがナミュールで「17度目の正直」狙う! J.モレイラ×マスクトディーヴァとの一騎打ちか
- リバティアイランド、ドゥレッツァ「戦線離脱」に思うドゥラメンテの儚さ。そして思い出されるアグネスタキオンとの共通点