
JRA「レイデオロ弟」レイエンダ初重賞制覇の可能性。天下のノーザンファーム「温存」の真意

そして菊花賞へ向かうことはなくここのチャレンジCへ。セントライト記念を勝っていたらその選択肢をあったかもしれないが、上位3頭の中ではこの馬だけが本番に進まなかった。その裏には生産者のキャロットファーム、そして管理する藤沢和雄調教師の影響が大きかったと思われる。
まず生産者のキャロットファーム。言わずと知れた大牧場でありまさに日本競馬界のトップだ。前述の菊花賞でも1~4着がノーザンファーム生産馬であった。レイエンダも出走していればおそらく好勝負していたことかと予測できるが、18頭中8頭が生産馬という状況の中で、わざわざぶつけることはないという考えも理解できる。
そして管理する藤沢和雄調教師。11度のJRA最多勝利調教師賞獲得がある名伯楽だが、自身の哲学で「馬に無理をさせない」というものがある。以前より「5歳までに20戦を消化するG1馬が理想」と語っている通り、息の長い馬を育てるためには若駒の時点で無理をさせないという考えの持ち主だ。
確かに3歳の時点で厳しい長距離レースに耐えられる馬体を持っている馬は多くない。実際に同師もクラシックレースは昨年レイデオロで日本ダービーを制するまで未勝利であった。菊花賞ももちろん未勝利だ。2着で権利を得たにもかかわらずレイエンダを菊花賞に向かわせずチャレンジC、というのもやはりこの「哲学」が影響しているのかもしれない。
そうして向かった仕切り直しの一戦、このレースでも人気が予想されるが、3連勝中のエアウィンザー、オールカマー3着のダンビュライトなどG3とは思えぬメンバーの濃さ。初となる阪神コースが鍵となりそうだが「阪神は伸び伸び走れるからいいと思う」(藤沢和師)ということで問題もなさそうだ。ここを制して兄と共に走るレースを見ることができれば、我々競馬ファンとしても実に楽しみなことだろう。
PICK UP
Ranking
11:30更新巷に出回る川田将雅「長距離苦手説」をデータで検証、阪神大賞典(G2)で気になる「13年未勝利」の課題…リーディングジョッキーの意外な過去
皐月賞馬、ダービー馬不在の菊花賞を勝ったのは?
「庭先取引」の問題点を一変させたセレクトセール!億超え馬を落札する名物オーナーたちも登場…オープンでフェアな取引に多大な貢献【競馬クロニクル 第63回】
- 武豊やC.ルメールでさえ「NGリスト」の個性派オーナーが存在感…お気に入りはG1前に「無念の降板」告げた若手騎手、過去に複数の関係者と行き違いも?
- 横山典弘騎手が若手騎手に「あの乗り方はやめろ」岩田康誠騎手らが実践する「お尻トントン」は、競走馬の負担になるだけ?
- 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
- 【香港C(G1)展望】BC制覇の偉業から1か月、ラヴズオンリーユー有終の美へ!レイパパレはC.スミヨンと新コンビ、最大のライバルは最高レーティングの英国馬
- JRA 鼻血を出しながら未勝利馬が初勝利! ウオッカ、オルフェーヴルら過去の名馬も苦しんだ難病、サラブレッドに及ぼす鼻出血の影響が人間と決定的に異なる理由とは
- 「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
- アドマイヤ軍団が「G1・45連敗」武豊と絶縁し「40億円」と引換えに日本競馬界フィクサーの”逆鱗”に触れた凋落の真相?