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JRA崖っぷちベテランジョッキー関東編~田中勝春・柴田善臣・村田一誠・小島太一ほか~

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 先週は崖っぷち騎手関西編をお届けしたが、今週は関東編だ。ご存知のようにJRAの勝利数は西高東低、厩舎も騎手も関西所属のほうが圧倒的に強い。それはそのまま関東騎手が危機的状況にあることも示している。例えば2018年で100勝以上の騎手はC.ルメール、M.デムーロ、福永祐一の関西3名に対し、関東は戸崎圭太1名のみ。50勝以上に範囲を広げても、関東9名に対し関西は16名と圧倒的な戦力差だ。こんな力関係が何年も続いているわけだから、当然崖っぷち騎手も関東はより多くなる。

 成績を調べるとやはりというベテランがちらほら。まずここ数年で一気に存在感がなくなったのが、田中勝春騎手だ。追える騎手としてファンや関係者から愛されたカッチーも今月で48歳。騎乗数も2005年の901回をピークに、昨年はデビュー3年目以降最少となる484回まで減少。今年は1月が終了した時点で30鞍に騎乗していまだ未勝利。昨年1月は43回の騎乗回数だったから、前年比69.7%と大幅減だ。このままいけば年間ペースで337回程度に減る計算になる。騎乗馬の人気を見ても1~3番人気はゼロ、ほとんどが9番人気以下だから関係者の期待度は大幅に下がっている。デビューから手綱を取り、3戦連続で2着に好走したグレイテストはミナリクへ乗り替わり、新馬戦で2着だったペイシャコリンナも丸山元気に乗り替わり、ユニコーンS(G3)で3着に好走させたエングローサーも岩田騎手へ乗り替わりとなってしまった。1月27日の騎乗はわずか1鞍。その日は以前自分が騎乗していたペイシャコリンナとエングローサーが別の騎手で走っていたが、心中穏やかではなかっただろう。今年唯一の2着1回は京都金杯(G3)と価値はあるが、それが騎乗数に反映されていない状況だ。JRA通算2000勝まで残り240勝だが、見通しはかなり厳しいといえるだろう。

 さらに関東を代表するベテラン騎手として知られ、ファンからは「先生」の愛称で親しまれている柴田善臣騎手もかつての栄光は見られない。昨年の7勝はデビュー1年目と同じ勝利数で最少。ここ数年は2016年588回36勝→2017年475回16勝→2018年352回7勝だから、年々騎乗回数も勝利数も激減している状況だ。今年も29戦して未勝利で、4人気以内に2度の騎乗でも勝てていない。2018年は1番人気に6度の騎乗があって未勝利だから、関係者の落胆は大きいだろう。52歳と年齢的には引退がちらつく頃合いだが、同じアラフィフで50歳の横山典弘騎手は今年8勝と絶好調なだけに、どこで差がついたのだろうか。同じエージェントが担当する三浦皇成騎手が好調なので、今後も有力馬は三浦騎手に回るだろう。とはいえ若手騎手の見本として、まだまだ頑張ってほしいところである。

 かつてローカル開催で活躍した村田一誠騎手もまた、キャリア23年目を迎えて騎手としての岐路に立っている。ここ数年の騎乗回数は2012年以降毎年前年を下回っており、2018年は遂に100回を切る97回まで減少、わずか1勝しかできていない。今年も11回の騎乗で未勝利、すべて7番人気以下と騎乗馬の質も深刻だ。同じエージェントが担当する松岡正海騎手が怪我で休んでいるが、そのお手馬が回ってこないのは痛いところ。40歳とまだまだ老け込む年齢ではないが、厳しい現実にさらされている。

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