麻雀Mリーグ・萩原聖人は来シーズンも「魅せて」勝つ! 麻雀界のレジェンドだけが辿り着いた境地「僕は、そこに挑みたい」【特別インタビュー】
萩原:もちろんシーズン自体は終わってしまった。最下位という結果は、僕も真摯に受け止めています。だけど大事なのは、シーズンだけじゃなく「ここから何ができるか」。
こうして取材を受けてMリーグの存在を発信していくことはもちろん、今後もっとリーグが大きくなるには、麻雀に特別な興味がない人、Mリーグをほぼ観たことがない人といった「ライト層」や「一般層」にまだまだアピールを続けていかないと。
――新たなMリーグファンの開拓。
萩原:麻雀をやらなくてもいいんですよ。細かいルールを覚えたり、人数を集めたり、実際に麻雀をするのは大変。僕もアマチュアの頃からずっと麻雀界に携わってきて、麻雀人口そのものを増やすハードルの高さは実感しています。
だから、今は麻雀の試合を「観る」のが好きな人を増やしたい。まずは「やる」より「観る」人を増やす。プロ野球やJリーグでも「野球やサッカーはしないけど、観るのが好き」っていうファンが一杯いるじゃないですか。
――Mリーグは、そういったコンテンツになる可能性を秘めている。
萩原:もちろんMリーグをきっかけに麻雀をする人が増えるのがベスト。だけど今はまず「Mリーグを観るのが好き」という人をたくさん増やしていかなければ「ある地点で、成長が止まってしまうんじゃないか」という危機感はありますね。
今、「Mリーグ・ロスになりました」って言ってくれる人がたくさんいるけど、それで半年後にまた見てもらえるのか。そんな保証はどこにもないですから。今シーズンのMリーグに興味を持ってくださったファンに、もっと麻雀を観てもらえるようになるような環境を皆が発信し続けていくしかない。
そういった意味では1年目の今年、Mリーグはまだまだ「幻想」の中にいるんですよ。
■Mリーグはまだ「幻想」の中にいる。
――幻想、ですか。
萩原:僕は「Mリーグというものが何なのか」。本当の意味での実態は、まだはっきりわからないと思っています。世の中に向かってアピールしていく上で「1度でも観てくれれば、絶対に興味を持ってくれる」という段階にはまだ至ってない。「1度観たけど、よくわかんないな」と思う人もたくさんいると思うんです。
――確かにMリーグはまだ初年度を終えたばかり。大きな反響はあったものの、選手や関係者だけでなく、ファンもまた手探りの状態でした。