Mリーグ・渋谷ABEMAS松本吉弘「人生最大の苦境」を語る。「僕にとっては『今』が大事な時期」試練の先に見据える未来像

今回の経験もあって、メンタルが強くなった気がしています

松本 白鳥さんから「マツ(松本)は『行ける』っていう配牌(攻める判断)の基準が高いよね」って言われて、自分の攻守のメリハリを見直す1つのきっかけになって。意識が変わりましたね。

攻撃回数を増やしてアガれば点数が増えますし、「攻撃が最大の防御」となって相手の手を潰せるのも麻雀。けど、逆にその分リスクもあるわけで。特に自分が負けてると「行かなきゃ」と思って、それが焦りになって、さらに失点を重ねるのが一番良くない。

――昨シーズンは、その白鳥さんが今の松本さんのように大苦戦。その時の経験を踏まえて、白鳥さんからアドバイスのようなものがありましたか?

松本 結構ありますね。本人は昨シーズン、チームのポイントや状況を考えて「自分では“こう”なんだけど、セオリー通りに打たなきゃダメだ」と考えて「自分の麻雀が曲がっちゃった」と言っていたので、僕は極力そうならないように気を付けています。

あと、心の持ち方ですね。今回の経験もあって、メンタルが強くなった気がしています。以前から自分では、かなりメンタルが弱点だと思ってたんですけど、試合中も簡単には揺らがなくなりました。平常心で試合に入れているというか。

「負けて見えるものがある」と、スポーツでよく言われるんですけど「本当にそうだな」と。今回の低迷が、僕自身の見直すきっかけというか“意識改革”を生んだと思います。

「麻雀」に対してのアプローチが凄く変わりました

――Mリーグは多くのファンが注目していますし、これまで味わったことないプレッシャーがあったと思います。

松本 そうですね。でも……「壊れるんじゃないか」と思うこともありましたけど、そこを支えてくれたのが、やっぱりチームメイトで、ファンの方々なわけで。敗戦を糧にというか、自分を見つめ直す、本当にいい機会になって「麻雀」っていうものに対して「こういう風にアプローチしていこう」という考え方が凄く変わりました。

――前向きなお話をたくさんうかがって、私も少し安心しました。もちろん私だけでなく、多くのファンが松本さんの復活を待っています。

松本 今日(12月12日)、1試合目は(白鳥)翔ちゃんが出るんですけど、トップなら連投で、それ以外なら僕が出ることになってるんですよ(結果的に白鳥選手がトップだったので、松本選手の出番はなかった)。それで、もし僕が出るのなら、今回は「正念場」だと思ってます。

――大事な試合になる。

松本 チームが今ちょうどプラマイ・ゼロ付近にいて、僕が出るということは翔ちゃんがトップじゃなかったということ。だから、凹んでるか、少しだけプラスという状況しかない。そこでもし僕がラスを引いてしまうと、チーム的に重いですし、3戦2着を重ねた自身のプラスも一発でなくなってしまうわけですから。

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