今、明かされるMリーグ2020白鳥翔・松本吉弘・日向藍子、それぞれの「涙」の理由。多井隆晴「5連闘」轟沈で、まさかの号泣終幕から2ヵ月【渋谷ABEMAS全員集合インタビュー後編】

多井隆晴5連闘は正解だったのか。それぞれの「涙」の理由

「ごめん……」

 堪え切れない感情の中で絞り出した一言と共に、チームの大黒柱・多井隆晴は顔を覆って突っ伏した。いつもの自信に満ち溢れた姿からは到底想像できない号泣と嗚咽……。「優勝大本命」といわれた渋谷ABEMASのファイナルシリーズは、メンバー4人全員が涙に暮れるまさかの結末に終わった。

 これは悲劇の終幕か、それとも栄光への序章か――。

 あれから約2ヵ月、「4人の主人公」たちの涙に秘められた、それぞれの思いを聞いた。

※インタビュー前編はコチラから。


――まずは明るい話題から。松本さん、少し遅れましたが「WEST ONE CUP」の優勝おめでとうございます!

松本吉弘選手(以下、松本):ありがとうございます!

――多井さんに「競馬に例えると、どれくらいの価値があるんですか?」と尋ねたら「ヴィクトリアマイル(G1)を勝ったくらい」と教えていただきました。G1制覇、おめでとうございます!

松本:ごめんなさい、ちょっとわかんないっす(笑)。でもMリーガ―になってから大きなタイトルを獲れたことは嬉しいですね。發王位を獲ったのはMリーガ―になる前だったので。

――おめでとうございます(笑)! さっそく本題に入らせていただきますが、先日『ABEMA』で公開された『Mリーグ2020 ~熱狂~ 渋谷ABEMAS』を拝見させていただきました。

メンバー全員がプラスの合計654.7ptという、歴代最高スコアでレギュラーシーズンを突破。セミファイナルも首位通過し、全チーム唯一の3年連続ファイナル進出を果たした渋谷ABEMAS。それだけに初優勝は、もう目前と思ったファンも少なくなかったと思います。

しかし、最後はエースの多井さんの5連闘で勝負に出ましたが、惜しくも優勝には届かず。3年連続の3位という結果に終わりました。

松本:ウチのチームって年齢も所属団体もバラバラなんですけど、唯一共通してることがあって、それが「多井さんが一番強い」と思ってるところなんです。多井さんが出ることがABEMASにとってベスト、勝つための最善策ということは藤田(晋)監督も含めて、チームの共通認識なんですね。

でも、それって僕の中では「同じチームの選手としてどうなんだって」っていう気持ちは常にあって……。

多井さんが5連闘して勝てなかったことには納得してるんですけど、そんなチームにとって大事な時に、自分に声が掛からなかったことが「情けないな」「不甲斐ないな」と。そこが僕にとって一番悔しいところでした。

多井さんの5連闘はチームの最善策。ただ、「このままじゃダメだな」と  ※感染拡大防止のため、適切な距離を取って収録しています

――松本さんの今シーズンは、終盤までMVP争いをするなど好調だっただけに……。

松本:それは幸運も味方したところもあったので。僕の中でも、チームの中でも渋谷ABEMASはまだまだ多井さんのワンマンチームだと思ってますし、最後の5連闘にもまったく悔いはないんです。けど、選手として「このままじゃダメだな」と。いつか多井さんに追いつきたいですし「多井さんを超えないとな」という気持ちはあります。

――多井さんは『熱狂』の中で「僕はラスボスとして、勇者の出現を待っている」という話をされていました。麻雀界を盛り上げるために次代のスターが必要ということは、多井さんが以前から何度もお話しされていることです。

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