【RTDリーグ2018村上淳インタビュー】涙の敗退から2年。最高位として「最低でも決勝進出」を掲げた男の決意と自信


――自身にとって『RTDリーグ』とは。

村上:すべての対局で全力を尽くすのは、プロとして当然。ですが、最高位戦のリーグや『RTDリーグ』など、対局回数が多い大会は実力差が出やすいので重要ですね。特に『RTDリーグ』は視聴が無料ということもあって、見ている方の数が全然違う。

今はネットなどで中継される大会も増えましたが、見られる人の数が増えれば、プロとして当然その重要度も増してくる。そういった意味で『RTDリーグ』は明らかに見ている人数が多くて、反響も大きい。結果も内容も示さないといけない大会ですね。

所属団体のリーグ戦も大事ですが、すでに最高位を3度獲っていることを考慮すれば『RTDリーグ』が「今、最も勝ちたい大会」ですね。僕の場合「最高位」を獲ったことや『モンド杯』(MONDO TV)に出たことで有名になれましたが、『RTDリーグ』に出させていただいたことで、さらに環境が大きく変わったと思います。

――街中で声を掛けられることも多くなった。

村上:明らかに増えましたね。僕の場合、もう見た目が「村上!」じゃないですか(笑)。だから皆さん、声を掛けやすいんでしょうね。最近は特に、若いファンに声を掛けていただけるようになりました。『RTDリーグ』はスマホで簡単に見られるので、多くの若い方が見られているみたいですね。この間も学生のファンに囲まれて大変でした……(笑)

――芸能人みたいですね(笑)

村上:いえいえ、麻雀を通じて知り合った芸能人の方々とか、Twitterのフォロワー数もすごいじゃないですか。そういった意味でも「麻雀プロは、まだまだだな」と思いますね。

――芸能人といえば、今シーズンは俳優の萩原聖人が『RTDリーグ』に参戦。

村上:ありがたいですね。萩原さんは、麻雀をエンターテイメントとして成長させてくださる方。麻雀だけじゃなくて、麻雀界に対しても熱い気持ちを持ってくれている人です。ただ、中にいる僕たちがその気持ちに応えるために、麻雀界は多くの課題を抱えていると思います。

――昨年の『麻雀駅伝2017』(AbemaTV)にも出演した将棋の鈴木大介九段は「麻雀も将棋と同じようにルールを統一すべき」と発言。同じテーブル競技でも将棋と比較して、麻雀にはまだ足りない部分がある。

村上:ありすぎますね。なので、逆に僕は麻雀界がまだそこ(将棋界)まで至らない方が良いと考えています。

例えば、対局中に牌をこぼしてしまった場合、現状のルール上は特にお咎めがない。「ごめんなさい」で済んでしまいます。仮に対局を左右するような牌が見えてしまっても、体裁上は見えなかったことにして続行するしかない。他に先ヅモなども、本来ならアガリ放棄になるべきですけど、麻雀は各団体でルールが微妙に異なる上、公式ルール上での曖昧な部分もまだまだ多い。これは将棋ではあり得ないですよね。

そうなると仮に麻雀界の賞金が、将棋界のような数千万円というレベルまで上がった場合、これまで曖昧だった多くの問題点が浮き彫りになるのは目に見えています。

麻雀は将棋と比べて、競技としてはまだまだ未成熟。鈴木九段がおっしゃるようにルールが統一されていないこともそうですし、本来(将棋の日本将棋連盟のような)大きな力を持った1つの組織が全体を統制することが望ましい。本当なら、各対局に審判を付けるべきだと思いますし、麻雀界が今後さらに大きくなっていくため、将来的に解決しなければならない問題は多いと思いますね。

関連記事

麻雀最新記事

人気記事ランキング 5:30更新

麻雀

総合

重賞レース特集
GJ編集部イチオシ記事
SNS