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【出版記念】「己」を捨て、「運」を引き寄せ、自分自身に勝つ。デビュー30周年を迎えた麻雀界の鬼才・土田浩翔プロの生き様と「『運』の育て方」~後編~

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土田プロ:(少し考え込んで)大した積み重ねはしていないですからね。もし積み重ねているなら、毎回神様が舞い降りているはずなので(笑)。ただ、他の人よりは意識的に運を積み重ねてきたとは思っているので「ちょっと神様が寄り道してくれたのかな」という印象です。積み重ねなければそうした経験もなかったでしょう。積み重ねることの重要性は、一言で言えば「清める」ということ。自分自身を整え、清めていく意識が重要なんですよ。余計な「己」を捨て、「欲」を捨てずに「運」は巡ってきませんよ。数字や金銭は、「運」と一番遠いところにあると思います。

 徹底して純粋に「清める」こと、「欲を捨てる」ことの重要性を語る土田プロの視線は鋭く、そして深い。主観ではあるが、真にストイックに自身の信じる道を突き進まなければ、このような眼光を宿すことはできないのだと感じさせる。

 今も途上にある土田プロの麻雀道。では、ご自身が思う「理想のプロ像」とは何なのだろうか。

本物のプロには「一流」の人物しかなれない

土田プロ:ファンの人が、見た瞬間に「引きつけられる」人物。それが「真のプロ」でしょう。麻雀そのものの内容がどうこうではなく、「なんか、この人すごいな」「この人の動き、きれいだな」と、そう思わせるプロは最近少ないですね。ツモって切る、この動作だけで魅了できる人です。会場に入ってきて、イスに座って、勝負が始まって間もなくファンの心をつかむような……。理屈じゃないんです。プロ野球でも、高度な戦略でゴロをさばくところより、かっこいいスローイングに魅了されるわけじゃないですか。

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――確かに、あらゆる競技でそういったレベルのプロは少ないかもしれません。

土田プロ:その領域には「一流」でなければ行けません。「二流」では無理なんです。その人物の”心”が見ている人に伝わると、私は考えています。所作、姿勢、あらゆる面で美しい、見ているだけで魅了できるようなプロになるには「一流」でなければダメなんです。麻雀界も、そういった人物をどんどん輩出していかなければなりません。その立ち居振る舞いを真似したくなるような人物でなければ。そういう人物は余計な「欲」や「雑念」が姿から感じられないんですよ。

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