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セントライト記念(G2)キタサンブラックと経歴ダブるクリンチャーに危険信号!? ソウルスターリングら最強3歳牝馬が産み出した性別間格差と【菊花賞離れ】のスキマを突くローテ戦略


「賞金面を考えると、クリンチャーがセントライト記念で本気を出す可能性は高くないでしょう。この馬は春にオープン戦を勝利しているので、現在の収得賞金は1400万円。まだ神戸新聞杯の出走馬が確定していないので明確には言えませんが、今年の菊花賞の賞金ボーダーを見る限り、これだけ持ち賞金があればトライアルで優先出走権を確保せずとも出走できる可能性はかなり高いです。となると、やはり今回は本番へ向けての叩き台と考えるのが無難かもしれません」(競馬記者)

 菊花賞の賞金ボーダーはその年度の状況によってかなり上下する。例えば昨年のように900万円(=500万下勝利まで)の持ち賞金でも出走可能な年があれば、トーホウジャッカルが制した2014年のように1500万円(=1000万下勝利まで)必要な年もある。つまりクリンチャーの場合、昨年の情勢なら楽に出走可能だが、2014年の場合はわずかに足りていないため、トライアルで3着以内が必須条件となる。

 14日木曜の時点で、セントライト記念の出走馬のうちクリンチャーはアルアイン、サトノクロニクルに続き上から3番目に収得賞金が多い。神戸新聞杯はセントライト記念に比べてもう少し賞金のある馬が多くなりそうだが、全体的に見てトライアル出走馬のうちで真ん中より上にいることは確かだ。

 今年の菊花賞の賞金ボーダーが低い原因のひとつは、3歳世代の性別間格差。春クラシックの頃からこの世代は強い馬が牝馬に偏っており、牡馬はレベルが低いと頻繁に言われてきた。実際のところ、ソウルスターリングが牡馬混合OPのアイビーSを勝ったり、函館SSの優勝馬ジューヌエコールがデイリー杯2歳Sを制覇するなど、例年なら牡馬が賞金を加算するはずのレースを牝馬がかっさらっていくことも多く、そのせいで牡馬の平均的な獲得賞金が少なくなってしまったのだ。

 また、夏の古馬混合1000万下で3歳牡馬が勝利するケースが少なかったのも要因だ。菊花賞戦線の裏街道を形成している野分特別や、昨年ミッキーロケットが神戸新聞杯前に使ったHTB賞など、例年なら3歳牡馬が勝つレースを古馬に持って行かれるシーンをたびたび見かけた。そのそもこういったレースを勝てないことが、そのまま3歳牡馬のレベルを暗に物語っているのかもしれないが、要するに様々な事情が重なって現在の状況が作り出されているのだ。

 おまけに、3歳馬の「菊花賞離れ」の深刻化もクリンチャーにとっては追い風になっている。ダービー馬レイデオロが秋の第一目標をジャパンCとしているほか、2歳王者サトノアレスが毎日王冠または富士Sを始動戦にするプランを発表しているなど、世代の有力馬が菊花賞をスルーする風潮は今年も健在。両トライアルで上位人気馬が総崩れになり、優先出走権が賞金不足の馬に渡るか、あるいはすでに古馬混合戦への参加を表明している有力馬が方向転換をしない限り、同馬が菊花賞への出走を逃す可能性は低そうな気配だ。

 本番への出走のメドがある程度立っているならば、トライアルに集中する意義は薄い。もちろん地力で好走してしまう可能性はあるが、実績からある程度人気になりそうなだけに、取捨選択は慎重になったほうがいいかもしれない。

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