エピファネイア「完全復活」はシナリオ通り!? 大駆けテンハッピーローズで重賞7勝目は早くも自己最高タイ。No.1種牡馬返り咲きへ超豪華ラインナップ
この春はエピファネイア産駒が大活躍
今年、劇的な復活を遂げた種牡馬がいる。かつて国内種付料No.1に上り詰めたエピファネイアだ。
2022年に前年の1000万円から800万円アップの1800万円で日本最高級種牡馬となったエピファネイア。しかし、そんな強気の価格設定とは裏腹に、この年の重賞勝利はわずか1つ。翌2023年も重賞3勝に終わると、今年の種付料はキャリア初のダウンとなる1500万円……。
替わって、キタサンブラックとイクイノックスが2000万円でトップに浮上するなど、エピファネイア政権は“空振り”に終わったかのように思われた。
しかし、今年になって風向きが大きく変わった。1月のフェアリーS(G3)をイフェイオンが幸先良く勝利すると、翌週には日経新春杯(G2)をブローザホーンが、京成杯(G3)をダノンデサイルが勝利して同日東西重賞ジャックに成功。「エピファネイア、ここにあり」を全国のファン、競馬関係者に知らしめた。
そして“トドメ”は先週のヴィクトリアマイル(G1)だろう。14番人気のテンハッピーローズの大駆けは、まさに今年のエピファネイアの勢いを象徴するような勝利だ。一時「早熟説」が囁かれていた種牡馬にとって、これが古馬による初のG1制覇というだけでなく、重賞7勝は5月にして早くもキャリアハイに並んだことになる。
その原動力となっているのが、2021年生まれの今年の3歳馬たちだ。
エピファネイアにとって6世代目になる彼らは先述したイフェイオン、ダノンデサイルだけでなく、ステレンボッシュが桜花賞(G1)を勝つなど今年の重賞7勝の内、4勝を占める大活躍。まだまだ伸び盛りの3歳馬だけに、今後もさらなるタイトルの上積みが期待できるだろう。
そんな6世代目の種付けが行われたのは2020年。この年はエピファネイア産駒のデアリングタクトが史上初の無敗で牝馬三冠を成し遂げた年でもある。歴史的名牝の登場が、生産界の“エピファネイア熱”に影響したことは言うまでもない。
そして、この流れからも今年の2歳世代、つまり2021年に種付けされた第7世代目の期待はさらに大きくなる。
何故なら、2021年は前年にデアリングタクトが牝馬三冠を成し遂げただけでなく、エフフォーリアが皐月賞(G1)と天皇賞・秋(G1)、そして有馬記念(G1)も制して年度代表馬に輝いた年だからだ。今回は「エピファネイア第7世代」の有力馬も紹介しておきたい。
No.1種牡馬返り咲きへ超豪華ラインナップ
まずは、何と言ってもアロンズロッド(牡2歳、美浦・国枝栄厩舎)だ。
母は言わずと知れた史上最強牝馬アーモンドアイ。その初仔がアロンズロッドである。もはや多くを語る必要のない超・超良血馬だが、再来年の2月に定年となる国枝調教師にとって最後のクラシックをこの馬と挑むことになるのも何かの縁か。厩舎悲願の日本ダービー(G1)制覇へ、役者は揃ったと言っても過言ではないだろう。
コジオスコ(牡2歳、栗東・武幸四郎厩舎)も負けず劣らずの良血馬だ。
豪州のG1馬である母のモシーンは重賞3勝のプリモシーンを輩出するなど、毎年のようにセレクトセールを賑わせている。コジオスコの兄ダノンエアズロックは4億9500万円(税込み、以下同)という超高額で取引されたが、先日のプリンシパルS(L)を勝利してダービー切符をゲット。良血馬に恥じない活躍を見せている。その弟である本馬もまた、一昨年のセレクトセールにて3億3000万円で取引された期待馬だ。
他にもサラキアの初仔となるサンタンドレア、ダノングレースの初仔ダノンエンブレム、マリアライトの仔ロジャリーマイン、ミッキークイーンの仔(馬名未定)、ブラストワンピースの半妹ロパシック、アエロリットの半弟ガルダイアなどなど、血統馬を挙げれば枚挙に暇がないほど充実したラインナップとなっている。
果たして、今年の2歳世代も父の名声をさらに高める活躍を見せることができるか。No.1から陥落したエピファネイアだが、まだまだ戦いはこれから。さらなる逆襲の準備は整っている。
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