JRA武豊「こんなに強い馬はいませんでした」2001年のクリスマスに溶けた夢……C.ルメールを背に「あの怪物」がついに「新天地」へ! 再び舞い落ちた白い“希望”
「あの怪物」がついに「新天地」へ――。
21日、阪神競馬場で行われるもちの木賞(1勝クラス)に、バニシングポイント(牡2歳、美浦・藤沢和雄厩舎)が出走を予定している。
8月2日の新馬戦(札幌・芝2000m)は7馬身差の圧勝劇。米国産の良血馬が、後続をまったく寄せ付けず単勝1.8倍の支持に応えた。
ルメール騎手が「道中はよく手前を替えていたし、トモがまだ緩い」と話していた通り、馬自体は頭が高く、何度も外へ行きたがるなど、まだまだ粗削り。藤沢和雄調教師も「何度も手前を替えたり、まだ非力だが、走りっぷりはいい」と辛口だったのは、キャリア最後となる来年の大舞台を見据えていたからではないだろうか。
2戦目も芝レースのアイビーS(L)を選択した陣営。東京競馬場で行われた1800m戦では、1番人気に推されながらも8頭中7着に敗れた。
ルメール騎手は「体が緩くて手前を何度も替えながら走っていました。デビュー戦では物見をしていましたし、まだ若さがある」と気性面での幼さを指摘。しかし、敗れはしたもののバニシングポイントには、まだ大きな可能性が残されている。
今回は待望の初ダート。タピット産駒のバニシングポイントは、その血統から管理する藤沢調教師も「やはりダート向きの印象」と、新馬戦の前はダート1400mでのデビューも考えられていた馬だった。
父は米国のチャンピオンサイアーのタピット。母は2010年のBCレディーズクラシック(G1)を勝ったアンライヴァルドベル。姉にG1・3勝を上げ、2018年に米国の最優秀牝馬にもなったユニークベラがいる超良血馬だ。
「バニシングポイントは昨年、米キーンランドで行われたセプテンバーイヤリングセールにて、オーナーの長谷川祐司氏が150万ドル(約1億5750万円)で落札した馬。血統的にダートをこなす可能性は高いですし、個人的にはダートでこそと思っていた馬です。新馬戦の内容からもポテンシャルは相当。ダートでどんな走りをするのか、いまから楽しみですね」(競馬記者)
先月の24日、重馬場で行われた京都8R・3歳以上1勝クラス(ダート1800m)でも、タピット産駒のアメリカンシードが初のダート戦を7馬身差で圧勝。タピット産駒といえば、日本から米国三冠へ挑戦したラニもいる。
この血統ということもあり、ドバイのUAEダービー(G2)やアメリカのケンタッキーダービー(G1)など、海外のダート挑戦も視野に入れられているというバニシングポイント。新馬戦の内容からもダートでの可能性は計り知れない。
「究極の到達点」という意味を持つ馬名のバニシングポイント。本馬にとっての“究極の到達点”はケンタッキーダービーだろうか……それとも――。
PICK UP
Ranking
23:30更新- クロワデュノール「世代最強説」に現実味も…ダービー馬候補が未勝利戦より遅い時計の怪
- ルメール軍団「誤算続き」で迷走中?使い分けの弊害に一部ファンから疑問の声
- 武豊×ドウデュース完全包囲網で波乱含み!?豪華メンバーのジャパンCにチェルヴィニア、ブローザホーン、オーギュストロダンら最強メンバー集結。レジェンド元JRA騎手の見解は?
- 「別競技」の高速馬場で欧州最強マイラーの意地見せたチャリン!ジャパンC参戦オーギュストロダン、ゴリアットに朗報?
- 武豊ドウデュースに「最強刺客」立ちはだかる…今年のジャパンCで「外国馬は消し」が危険すぎる理由
- エアスピネル降板に武豊騎手は「何」を思う……8年前、すべてを手にしてきた天才騎手が”最大級”の屈辱を味わった「ウオッカ事件」とは
- C.ルメール「アンラッキー」な過怠金に謝罪…マイルCSでも「牝馬のC.デムーロ」の手綱冴えるか?
- 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
- 【京都2歳S(G3)展望】藤田晋オーナーの大物エリキングが登場! ジョバンニ、サラコスティがリベンジに燃える
- 【ジャパンC(G1)展望】「ディープ」オーギュストロダンVS「ハーツ」ドウデュース、2005年有馬記念から19年越しの最終決戦!
関連記事
JRA藤沢和雄まさかの「距離誤認」疑惑!? マイルCS(G1)グランアレグリア「使うところ間違えた」来年のビッグタイトル言及の裏事情とは
JRA福永祐一「結果だけが100点ではありませんでした」マイルCS(G1)「今年こそは……」で20年!? インディチャンプで「初挑戦」目覚めぬ「悪夢」に思うのは……
JRA武豊アドマイヤビルゴ重賞制覇カウントダウン!? 有馬記念(G1)電撃参戦の前例も…… ワールドプレミアの動向にも注目
JRAグランアレグリアはアーモンドアイ以上!? マイルCS(G1)C.ルメールに“ムード”の呪縛。「偉業達成」へ向け「17度目」の挑戦
JRAラッキーライラック「弘法筆を選ばず」で「史上初」!? 有馬記念(G1)視野で、ウオッカ、ブエナビスタ、ジェンティルドンナ越え「大偉業」の可能性も