JRA新人騎手「単勝139.5倍」勝利で大波乱演出! 凱旋門賞2着馬を手掛けた腕利きの息子が新馬戦V

 24日、中山競馬場の5Rに行われた2歳新馬戦(芝1600m)は、佐々木大輔騎手の14番人気コウセイマリア(牝2歳、美浦・和田雄二厩舎)が優勝。単勝139.5倍、3連単は114万円を超える大波乱を演出した。

 フルゲート16頭のレース。スタートでやや遅れたコウセイマリアと佐々木騎手は、後方5番手からの競馬。前半1000m通過60秒3、縦長となった展開を追っつけ気味に追走し、最後の直線を迎える。

 残り200mで馬群のなかを突くと、間を縫うようにして伸びる。逃げ込みを図ったペニードロップス、それを捕らえようとする1番人気ザングウィルをゴール寸前で交わし切った。

「直線ではきびしい位置に入ってしまったと思いましたが、馬群を割って見事な勝負根性を見せてくれました。佐々木騎手も最後まで諦めずによく追ったと思います。

不良馬場のなかレース上がりを2秒も上回る末脚を繰り出しただけに、道悪の適性も高かったのでしょう。今後は一旦放牧に出されるそうですが、昇級戦でも楽しみにしたい1頭です」(競馬誌ライター)

 低評価を覆してデビューVを決めたコウセイマリアは、オーナーの杉安浩一郎氏が昨年の北海道サマーセールにおいて550万円(税込)で落札。父は新種牡馬のリアルスティールだ。

 母系にはレディーシラオキが名を連ねており、日本ダービー(G1)などG1・4勝をあげた名馬スペシャルウィークと同じ一族にあたる。血の底力も、ゴール前でのひと伸びにつながったのかもしれない。

 また、手綱を取ったルーキーの佐々木騎手は、これが嬉しいJRAでの新馬戦初勝利にもなった。

 実父である佐々木幸二氏は、現役の調教助手だ。美浦の二ノ宮敬宇厩舎に所属していた頃には、凱旋門賞(G1)で2着に入ったエルコンドルパサーやナカヤマフェスタを手掛けている。

 今年の新人ジョッキーは、二世である今村聖奈騎手や角田大河騎手が話題を集めているが、佐々木騎手も才能では決して引けを取らないだろう。

 実際に、次の騎乗となった中山7Rでも人気薄のタイガを3着に導き小波乱を演出。レース後のSNSやネット掲示板には「佐々木騎手は乗れてるな」「これからも注目したい」といった声が寄せられている。

「佐々木騎手は通算ではまだ5勝ですが、今月だけで既に3勝を挙げているなど、ここにきて本来の力が発揮できるようになってきました。

ちなみに趣味はラーメン屋めぐりで、特技は幼いころからやっていた書道なのだとか。非常にまじめで礼儀正しく、周囲からの評判もいいみたいなので、これからが有望な若手ですよ」(同)

 そんな佐々木騎手はレース後、「次につながる競馬になればと思ったのですが、すごくいい脚を使ってくれました。今後が楽しみな馬です」と喜びを語っている。

 なお、目標はL.デットーリ騎手で、勝ちたいレースは日本ダービーだという佐々木騎手。伸びしろたっぷりと思われるコウセイマリアとともに、これからの飛躍に期待したい

冨樫某

キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。

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