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ウオッカとダイワスカーレットが死闘を演じた秋華賞、2頭の戦いはあっけない幕切れ

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 16日に牝馬三冠のラスト一冠を巡る秋華賞(G1)が開催される。

 1996年に牝馬路線が見直された際、これまで牝馬三冠とされていた桜花賞・オークス・エリザベス女王杯から3歳牝馬限定G1を新設し、エリザベス女王杯を古馬牝馬に開放することで牝馬路線の充実が図られ、この時に新設されたのが秋華賞となる。

 今年で27回目とまだ歴史の浅いG1ではあるが、この間に名勝負と名高いレースやライバルとの決着をつけるレースが行われてきた。ちょうど10年前、ジェンティルドンナが三冠を達成した年の秋華賞も三冠を通じてライバル関係にあったヴィルシーナとの一騎討ちで、わずか7cmの差でジェンティルドンナが栄冠をもぎとった。

 だが、ライバル関係で思い出されるのはこの2頭より、やはり2007年の激闘だろう。そう、今ではすっかり『ウマ娘 プリティーダービー』(Cygames)でおなじみとなっているダイワスカーレットとウオッカが激突した年だ。

 この2頭が相まみえたのは、両頭のキャリアを通じて5回。最初の対戦となったのは07年の桜花賞トライアル・チューリップ賞(当時G3)で、このときは逃げるダイワスカーレットをゴール前で捉えたウオッカに軍配が上がっている。

 続く桜花賞(G1)ではダイワスカーレットが逃げ馬を前に見る3番手に控え、ウオッカは中団から。早めに動いたダイワスカーレットが直線でウオッカを突き放し、最初の1冠を手に入れた。

 この後、ウオッカは驚きをもって迎えられた日本ダービー(G1)挑戦でオークス(G1)を回避、一方のダイワスカーレットはオークスへ向かって調整を進めるも熱発で回避となった。結果的にウオッカは64年ぶりとなる牝馬のダービー制覇という偉業を成し遂げる。ウオッカはこの後さらに宝塚記念(G1)に挑戦し、1番人気に推されるも8着に敗れて春シーズンを終えた。

 迎えた秋、ダイワスカーレットは秋華賞トライアル・ローズS(G2)から始動し、桜花賞馬の貫禄を見せて快勝。ウオッカは前哨戦を使わず、秋華賞直行を選択して3度目の対決となる。

 秋華賞では2.7倍の1番人気がウオッカ、2.8倍の2番人気がダイワスカーレットと僅差で人気を分け合った。

2頭の戦いはあっけない幕切れ…

 レースではかかり気味に前へ出るダイワスカーレットに対して、ウオッカは後方待機策。向こう正面で落ち着きを取り戻したダイワスカーレットは番手につけて追走、勝負所で前にいた馬に並びかけるとそのまま直線で先頭に立つ。

 中団前目から1頭ダイワスカーレットを追って追走していた馬を置いて、その後ろにウオッカが猛追を図るも、前2頭を交わすことができずダイワスカーレットが勝利、ウオッカは連に絡むどころか、伏兵のレインダンスにも先着を許す3着に終わった。

 この後もこの2頭は有馬記念(G1)で相まみえるがどちらも勝利ならず。最後の対決となった翌年の天皇賞・秋(G1)は屈指の名勝負となったが、これはまた別の話だ。

 牝馬三冠戦線を沸かした07年シーズン。この年のオークスを制したローブデコルテの影が薄くなるほど桜花賞と秋華賞は熾烈な戦いとなった。着差がついたので大接戦というわけではなかったが、2頭の実力馬が真っ向勝負をしたという意味で、長く競馬ファンの記憶に残ることだろう。

ゴースト柴田

ゴースト柴田

競馬歴30年超のアラフィフおやじ。自分の中では90年代で時間が止まっている
かのような名馬・怪物大好きな競馬懐古主義人間。ミスターシービーの菊花賞、マティリアルのスプリングS、ヒシアマソンのクリスタルCなど絶対届かない位置からの追い込みを見て未だに感激できるめでたい頭の持ち主。

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