武豊もお墨付き「第2のオメガパフューム」爆誕!? ノットゥルノ2023年は勝負の年
29日、2022年の競馬を締めくくる大一番・東京大賞典(G1)が大井競馬場で開催。今年から優勝賞金が1億円に増額された頂上決戦を制したのは、2番人気のウシュバテソーロ(牡5歳、美浦・高木登厩舎)だった。
「しっかり脚を使って、結果を出してくれました。ウシュバテソーロにG1を獲らせてあげることができてよかった」
レース後、そう喜んだ鞍上の横山和生騎手としては、タイトルホルダーとのコンビで敗れた有馬記念(G1)の鬱憤を晴らすような勝利。相棒は重賞初制覇がG1という嬉しい勝利になったが、来年はダート界の主役の1頭として大きく注目される存在になるだろう。
その一方で、敗れはしたものの再び「威厳」を取り戻したのが、3歳馬のノットゥルノ(牡3歳、栗東・音無秀孝厩舎)だ。
7月にジャパンダートダービー(G1)を制し、3歳の頂点に立ったノットゥルノ。今秋は世代を代表して古馬に挑戦するはずだったが、日本テレビ盃(G2)で7着に敗れると、前走のチャンピオンズC(G1)では8着に惨敗。クラウンプライド(2着)やパピ(3着)といった同世代が気を吐く中、古馬の壁に跳ね返されてしまっていた。
そんな中で迎えた東京大賞典はレース後、武豊騎手が「一瞬の脚は勝った馬が上だった」と振り返った通り、勝ち馬には完敗だったものの2着を確保。
当レースが現行の2000mで行われるようになった1998年以降、3歳馬で勝利したのはゴールドアリュール、アジュディミツオー、そしてオメガパフュームといずれもその後、ダート界の覇権を握った名馬ばかり。歴代の名馬には一歩及ばなかったが、同条件で2着まで広げてもハタノヴァンクール、フリオーソ、レギュラーメンバーの名が加わるだけ。
いずれも古馬になってからG1を勝っており、来年はノットゥルノにとってもさらなる飛躍が期待できるシーズンになりそうだ。
ノットゥルノ2023年は勝負の年
「秋2戦は古馬の壁にぶち当たっている感のあったノットゥルノですが、この2着は来年に向けて大きいと思います。
今回は自身が勝ったジャパンダートダービーと同じ大井の2000mが舞台でしたが、『内枠でコースロスなく進められた』と話す武豊騎手の好騎乗も光りましたし、タフなレースになっても、最後までしぶとく伸びる末脚は、如何にもこのレース向き。右回りの方が走りやすそうですし、もしかしたらこの舞台が合っているのかもしれません」(競馬記者)
一線級の芝馬にとって、日本ダービー(G1)やオークス(G1)、そしてジャパンC(G1)の舞台となる東京の2400mが得意なことに大きなアドバンテージがあるように、一線級のダート馬にとって大井の2000mは特別なコースだ。
先述したジャパンダートダービーや東京大賞典の舞台になるだけでなく、春のダート王決定戦・帝王賞(G1)もこのコースで開催される。そういった意味でもノットゥルノの未来は明るいと言えるだろう。
「来年は(持ち回り制の)JBC開催も3年ぶりに大井で行われるので、JBCクラシックは大井のダート2000mで行われる見込みです。大井の2000mといえば、昨年まで東京大賞典を4連覇していたオメガパフュームが無類の強さを誇ったコース。ノットゥルノも『第2のオメガパフューム』と言われるような存在に成長することを期待したいですね」(同)
東京大賞典の5連覇を目指しながらも先日、無念の現役引退が発表されたオメガパフュームは2019年の帝王賞勝利や、2018年のジャパンダートダービー2着など、やはり大井の2000mで真価を発揮する名馬だった。
「大井の2000mは合ってるね」
レース後、そうレジェンドジョッキーからもお墨付きをもらったノットゥルノ。帝王賞、東京大賞典、そしてJBCクラシック――。来年は大きなチャンスがありそうな1頭だ。
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