【東海S（G2）予想】ハギノアレグリアスは切り！遅れてきた大器の激走に期待

　今回は1年で最初のダート重賞となる古馬の中距離戦・東海S（G2）を予想していく。

　まずはいつものように過去10年、馬券に絡んだ30頭の前走データを見ていくことにしよう。
チャンピオンズC（ジャパンCダート含む）　11頭
師走S（OP）　4頭
東京大賞典　3頭
みやこS、武蔵野S、ベテルギウスS（L、OP）各2頭
名古屋GP、クイーン賞　各1頭
オープン特別　2頭
条件特別（3勝クラス）　2頭
となっている。G2で舞台が同じこともあってか、チャンピオンズC（G1）からの転戦馬が最多。コースこそ違うが同距離の師走Sがそれに続いて、ここまでで半数を締めている。やはり前走重賞組が多く、条件戦からの転戦は苦戦の傾向だ。

　続いて人気順の成績を見てみよう。
1番人気　5-1-3-1
2番人気　2-2-0-6
3番人気　0-2-2-6
4～6番人気　2-0-2-26
7～9番人気　1-3-1-25
10番人気以下　0-2-2-56
となっている。

　勝率5割の1番人気が圧倒的な強さを見せている。飛んだのは21年のインティのみ。当時のメンバーを見てみると、押し出された1番人気という感じ。2番人気、3番人気が数字ではアテにしづらいのだが、近5年なら2番人気3頭、3番人気2頭と、そこそこの成績は収めている。7番人気以下が突っ込んで来る傾向が強く、10番人気以下でも近5年で2頭馬券に絡んだ。人気薄でも検討すべきだろう。

　これを踏まえて「◎」は、人気しそうだが13番ハヤブサナンデクンとする。

　前走はベテルギウスS（L）。好スタートを切ると外枠から前目につけて3番手で進める。4コーナーで2番手まで上がってきて直線で一旦先頭に立ったが、後ろから来た2頭に交わされ3着に終わった。

　昨年2月に3勝クラスを勝ち上がってオープン入り。リステッドと特別戦は好走したが、3走前のシリウスS（G3）では1番人気に推されながら7着、2走前の武蔵野S（G3）では多少巻き返して5着と掲示板は確保。重賞の壁に当たって調子を落としたかに見えたが、前走3着に入ったことで、再び調子を取り戻したのだろう。

　重賞は上記以外に3歳時のレパードS（G3）で走っているが、これも8着と見せ場なく敗れており、重賞とは縁がない。にもかかわらず本命に推したのは中京コースとの相性。これまでダート1800mないし1900mを6走して3勝2着2回と5回の連対を記録。シリウスSでは凡走したが、相性がいいこと自体に変わりはない。

　重賞勝ち馬がいる今回のメンバーで多少見劣りするのは仕方ないが、G1級の突出した馬がいるわけではなく、ここは好勝負を期待していいのではないか。

「○」は10番プロミストウォリアを挙げる。

　前走は摩耶S（3勝クラス）。1番人気を背負っていつも通りの積極策でハナに立ち、直線に入ってもその勢いが衰えないまま、後続に6馬身差をつける圧勝を飾った。

　明け6歳馬なのだが、キャリアは3歳馬と見紛うような6戦しか消化していない。脚部不安で3歳3月に未勝利戦でデビュー勝ちするが、骨折が判明し8カ月の長期休養を余儀なくされる。12月に復帰戦で2着に入るが、ここでもまた骨折が判明。8カ月の休養後に復帰して4着となるが、3度目の骨折で1年2カ月の長期休養に。しかし、昨年10月に復帰してから破竹の3連勝でオープンまで駆け上がった。

　脚部不安がなくなったわけではないが、それでも条件戦を3連勝、しかも1勝クラスを5馬身差、2勝クラスを2馬身差、そして前走は6馬身差と能力の違いを見せつけた。初重賞挑戦でも、能力は重賞級と見ている。

　このレースは意外に逃げ・先行がそのまま残るケースが少なくない。そういう意味ではまさにこの馬にとっては打って付けの舞台。4連勝で重賞初制覇もあっておかしくはない。

「▲」は人気サイドだが2番オーヴェルニュを推す。

　前走はチャンピオンズC。逃げ馬がゆるいペースを作り出した中5番手を追走。前の馬有利な展開になり、直線で追い上げるも力尽きて9着に敗れている。

　予想でも何度か取り上げた記憶があるが、好不調がはっきりしている馬。現状は3走前のシリウスSで3着しているが、その後JBCクラシック（G1）と前走であっさり負けているところを見るとまだ復調しているとは言い難いようだ。

　では、なぜにこの馬に印を打つかと言えば、このレースとの相性がいいから。一昨年初重賞の舞台に選んだこのレースで勝利。その後負け続きで不調かと思わせたが、昨年のこのレースでは2着と好走。このレースはリピーターが比較的好走する傾向はあるのだが、この馬の場合はこのレースだけに好相性を見せているとしか思えない。

　もっとも、中京のダート重賞では一昨年の平安S（G3）1着、上記のシリウスS3着とやはり好走傾向にあるので、G1では荷が重いがG2、G3なら走ってしまうというところがあるのだろう。

　無論、近走の成績や馬齢のことを考えれば、あっさり飛んでもおかしくはなく、信頼度がさほど高いわけではないが、レースとの相性は意外に侮れないので、押さえまで。

「△」は7番ウェルカムニュース、8番サンライズウルス、人気どころだが12番クリノドラゴンの3頭を挙げる。

　ウェルカムニュースの前走は竹田城S（3勝クラス）で、3番手追走から直線でも残って押し切る形で勝利した。

　勢いのある4歳馬。ここまで8戦のキャリアを積んできたが、着外に敗れたのは新馬戦と3歳リステッドのヒヤシンスSのみ。中京ダート1800mも1勝3着1回と好相性。2走前の中京では3着となっているが、重馬場で速い決着になったのが原因と思われる。血統面で見れば名牝シンコウラブリイをはじめ、重賞級の馬がずらりと並ぶ活気のある血統だが、この馬はパワーのあるダート向けに出たようだ。

　今回は良馬場開催がほぼ確実なだけに、時計もさほど速くならないことが考えられる。条件戦を勝ち上がったばかりだが、押さえる価値はあると見ている。

　サンライズウルスの前走はベテルギウスSで、◎ハヤブサナンデクンは0.1秒差の3着に敗れているが、そこで勝利を挙げた。

　この馬も明け5歳の割にキャリア12戦と少ない上、着外に敗れたのが3回とやはり堅調な走りを見せている。昨年5月にオープン入りし、いきなりプロキオンS（G3）に挑戦するも大敗。しかし、続く特別戦とリステッドでは2着→2着→1着と力のあるところは見せた。

　中京コースは初体験となるが、同じ左回りの東京では6戦して3勝2着1回と好相性。小回りコースに替わるが、福島や中山でも好走しているので問題はないだろう。ここ3戦で3連対と勢いのあるところを買いたい。

　クリノドラゴンの前走は浦和記念（G2）で、後方待機策から徐々にポジションを上げていき、4コーナー2番手から直線で前の馬を交わして勝利した。

　この馬は上記のサンライズウルスよりオープン入りが遅く、昨年9月のことだったがその後シリウスSに挑戦して4着、さらにJBCクラシックでも4着と重賞級の力があることを見せつけ、前走で重賞初勝利となった。

　そもそも勝ち味に遅く、明け5歳ながら28戦を消化しており勝ち星はわずか5勝。好走傾向を見せると続く一方で、突如凡走するあたりアテにしづらい面はある。中京コースでは2勝を挙げており、それなりに好相性ではあるがだからと言って浦和記念の再現があるかと言われると微妙なところ。

　ただ、実績で言えばG1 4着がある以上、このメンバーでは上位と言える。その点だけを考慮して一応押さえまでということで。

　人気どころでは4番ハギノアレグリアスを切り。

　前走はみやこS（G3）でサンライズホープの差しに屈し、2着に終わっている。

　このみやこSでは○評価の印を打ち、実際に2着に好走したのだが、今回に関して言うなら「押し出された人気馬」の印象が強い。確かに10戦のキャリアで5勝を挙げ着外が3回に留まっている力は認めるところだが、勢いで言うなら上記に挙げた馬の方があり、前走重賞2着を評価するなら、クリノドラゴンらの方が上になる。

　さすがにちょっと買いかぶられ過ぎではないかということで、一昨年1番人気で飛んだインティとイメージが被る。ここは馬券妙味もなく切りとしたい。

　ということで今回は2番、7番、8番、10番、12番、13番の6頭で3連複BOX20点勝負としたい。人気サイドを押さえているがいかにもクサい馬も押さえたので、組み合わせ次第では高配当も狙えるのではないか。