念願のダービージョッキーの座を射止めてから30連敗! 大阪杯(G1)で不気味な3頭目の牝馬
4月2日、阪神競馬場にて春の中距離王決定戦、大阪杯(G1)が開催される。
先週開催されたドバイワールドカップデーで日本馬が大活躍したこともあり、その盛り上がりの陰に隠れてしまった感は否めないが、昨年から1着賞金が2億円に増額されたことや、G1馬5頭が出走を予定しているなど、G1らしいレースは期待できそうである。
下馬評では復帰初戦で再度女王の座を狙う昨年の二冠牝馬スターズオンアースや、復活を期するジャックドールなどに注目が集まっている模様。このレースは牝馬の好走例が多々ある。スターズオンアースやエリザベス女王杯(G1)を制したジェラルディーナなどが参戦するが、今年はこの両G1馬に加えてもう1頭の牝馬が参戦を予定している。
それがマリアエレーナ(牝5、栗東・吉田直弘厩舎)だ。
昨年の夏までは一介のオープン馬に過ぎなかったが、2番人気に推された小倉記念(G3)で後続に5馬身差をつける圧勝劇を演じたこともあり、一躍注目を集めることとなった。この小倉記念ではジェラルディーナにも勝っており、G1勝ちはなくとも能力は見劣らないことを証明した。
今回は金鯱賞(G2)からの参戦となるが、前走では内枠を利して終始内ラチ沿いを進むも、直線に入って前が壁になる痛恨の不利もあった。映像では鞍上の松山弘平騎手が幾度も後ろを振り返りながら進路を模索している様子がわかるほどで、結果8着と不完全燃焼に終わってしまった。
今回、すでに火曜日の段階で追い切りを済ませ、栗東のCWコースで6ハロン81秒7秒―11秒3と申し分ないデキ。管理する吉田調教師から「負ける気がしない」と強気なコメントも飛び出した。口ぶりからも既に臨戦態勢は整った様子だ。
マリアエレーナは圧勝した小倉記念も含め、松山騎手が主戦を務めているのだが、今回は主戦が中山記念(G2)を完勝したヒシイグアスに騎乗する関係で浜中俊騎手へ乗り替わりとなる。
浜中騎手は不良馬場で行われた先週の高松宮記念(G1)を2番人気のナムラクレアで2着に惜敗したばかり。悔しい思いを吐露していたタイミングで、またとないパートナーを手に入れた。
これまでミッキークイーンやミッキーアイル、ラブリーデイなどでG1制覇を成し遂げてきた浜中騎手だが、19年の日本ダービー(G1)では、12番人気の超人気薄ロジャーバローズで勝利した。ダービージョッキーの座を射止めたのが直近のG1勝利となる。
この間、レシステンシアとのコンビで高松宮記念2着や、先述したナムラクレアとのコンビで桜花賞(G1)を3着、今年もメイショウハリオでフェブラリーS(G1)を3着と、あと一歩のレースを続けている。気が付けば、勝利に手が届かないまま4年近くの月日が経ち、先週の高松宮記念でG1・30連敗となってしまった。
浜中騎手はこの大阪杯とは比較的相性が良く、G2時代を含めた過去8回騎乗して2勝2着1回と上々の成績。もうひとつ浜中騎手を後押しするのが、昨年もボッケリーニで目黒記念(G2)、ハヤヤッコで函館記念(G3)と重賞2勝を挙げているように、金子真人オーナーの所有馬と相性が良いことだ。
実績では女王2頭に見劣るマリアエレーナだが、頼りになる男・浜中騎手なら、アッと驚く快走を見せても不思議ではない。
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