逆襲の「大本命」がついに登場間近!? スターズオンアース、ソールオリエンスに続く社台ファームのクラシック級の大物は世界的良血馬
ソールオリエンスが衝撃のパフォーマンスで皐月賞(G1)を制し、社台レースホースの黄色と黒の縦じまの勝負服が表彰台に上る姿に、懐かしさを感じた人もいるのではないだろうか。
かつて90年代を中心に日本競馬を席巻した社台ファームだが、近年は同系列のノーザンファームの勢いに完全に飲まれており、生産者リーディングでも12年連続で首位を明け渡してしまっている。それだけに大舞台で黄色と黒の縦じまの勝負服が躍動する姿を目にする機会もずいぶん減ってしまった印象だ。
しかし、近年の社台ファームはかつての勢いを取り戻しつつあり、特に今年の3歳クラシックでは異例の存在感を発揮。皐月賞を制したソールオリエンスだけでなく、スプリングS(G2)を優勝したベラジオオペラ、チューリップ賞(G2)のモズメイメイ、シンザン記念(G3)のライトクオンタムといったところは、すべて社台ファームの生産馬だ。
昨年もスターズオンアースが桜花賞(G1)、オークス(G1)を制して、牝馬三冠まであと一歩に迫る活躍を見せた。王者復活の気配は年々、確実に大きくなっているはずだ。
そんな中、今年は社台ファームの威信をかけた超良血馬がデビュー前から熱い視線を集めている。
逆襲の社台ファーム「大本命」がついに登場間近!?
2017年のオークスを制したソウルスターリングは、近年の社台ファーム生産馬で最も成功した1頭といえる。母に仏オークス馬スタセリタを持つ超良血馬は、競走馬としても然ることながら繁殖牝馬として世界的な注目を集めて良い存在だろう。
そんなソウルスターリングの待望の初仔が、今年デビューを控えるスターリングアップ(牝2歳、栗東・松永幹夫厩舎に入厩予定)である。
「牝馬が生まれたということで、早くも祖母、母に続く3代オークス制覇が期待されている逸材です。近親に昨年の二冠馬スターズオンアースもおり、社台レースホースで初仔ながら5000万円という高値で募集を掛けられ『非の打ち所のないボディバランス』『身のこなしは、剛と柔が同居した一級品』『世界に名を轟かす日を心待ちにしています』と紹介されていることからも、関係者の期待は非常に大きいと思いますね。デビュー戦から高い注目を集めることは間違いないでしょうし、おそらくは祖母、母の手綱を握ったC.ルメール騎手が騎乗することになるのではないでしょうか」(競馬記者)
記者曰く「関係者の評判も上々」とのことだが、スターリングアップに完全復活を目指す社台ファームの威信が掛かっていることは、父ブリックスアンドモルタルの存在も起因しているという。
2019年の夏、まだ現役だったにも関わらず社台ファームに購入されたブリックスアンドモルタル。本馬はその直後のアーリントンミリオン(G1)、さらには秋にブリーダーズCターフ(G1)を連勝。2019年を6戦6勝のパーフェクトで終え、その年のエクリプス賞年度代表馬に輝いている。社台としては異例の早期購入となったが、その目が正しかったことを証明する格好となった。
ちなみにダートが主流のアメリカで芝レース中心でのエクリプス賞年度代表馬は、ワイズダン以来6年ぶりの快挙。エクリプス賞受賞馬が引退後すぐに来日するのは、サンデーサイレンス以来30年ぶりだった。
「このブリックスアンドモルタル購入の主導だったのが、社台ファームの総帥・吉田照哉さんだったそうです。そんな経緯もあって、社台ファームの本馬への期待値は非常に高いですね。かつて日本の競馬レベルを大きく向上させた大種牡馬サンデーサイレンスのような存在になってほしいという願いもあるそうです」(同)
社台ファームのブリックスアンドモルタルへの期待の高さの裏付けになっているのが、その種付料だ。
初年度から600万円は、かつて社台グループが海外から購入したファルブラヴやエンドスウィープ、チチカステナンゴ、タートルボウル、ドレフォンといった一流の種牡馬よりも上。内国産を合わせてもドゥラメンテやキタサンブラックといった、今の競馬界を席巻している種牡馬さえ上回る異例の高額だ。また、初年度の種付数もノーザンファームを社台ファームが上回る熱の入れようである。
「もうクラシック登録をしてもいいくらいの逸材」とは、昨年の当歳だった頃から関係者の間で囁かれていたことだ。王者復活へ、欧米入り混じった世界的なスケールを誇る超良血馬が、虎視眈々とデビューの日を待っている。
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