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名伯楽の「悲願達成」に今年も黄色信号…「頑張ってもらいます」最後の希望が3億円ホースに続き回避

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 29日、東京競馬場で開催される青葉賞(G2)。2着までに日本ダービー(G1)の優先出走権が与えられる。皐月賞馬ソールオリエンスへの挑戦権を獲得すべく、本番と同じ芝2400mを舞台に若駒たちの熱戦が繰り広げられそうだ。

 そんなトライアルレースに登録を済ませていたものの、右前脚のフレグモーネにより惜しくも回避の報せが入ったのがサトノトルネード(牡3歳、美浦・国枝栄厩舎)である。

 ハーツクライ産駒の同馬は、重賞ウイナーのギルデッドミラーやストロングタイタンの弟にあたる血統。初白星をあげた東京・芝2400mの前走で手綱を取ったC.ルメール騎手は「長丁場は合っている。上でも通用しそう」と話していた。出走していれば面白い存在になったと思われるだけに、残念としか言いようがない。

 ただ、今後は放牧には出さずに在厩で様子を見るとのことなので、そこまで大事ではなさそうなのが不幸中の幸いか。順調であれば来月27日に行われる自己条件を目指すことになるようだ。

名伯楽の「悲願達成」に今年も黄色信号…

 なお、同馬が回避したことで今年もダービー制覇に黄色信号が灯ってしまったのが美浦の名門・国枝厩舎である。

 昨年7月にJRA通算1000勝を達成した名伯楽は、これまでアーモンドアイ、アパパネと2頭の三冠牝馬を手掛けるなど、競馬ファンの間では「牝馬の国枝」としても通っている。牡馬でもマツリダゴッホやマイネルキッツなどで有馬記念(G1)や天皇賞・春(G1)といったビッグレースを制してきた。

 しかし、ここまで調教師キャリアの中で牡馬クラシックのタイトルはゼロ。不思議と牡馬三冠のレースには縁がないことも知られている。

「昨年のクラシック戦線で国枝厩舎には、ルメール騎手が『ダービーまで予約を入れておきます』と話したことでも話題になったコマンドラインがいましたが、最終的に同馬はダービーに駒を進めることは叶いませんでした。

ただ、それでも10月に美浦トレセンで催された1000勝達成記念式典で師は『できれば来年からダービーを3連覇したい』などと、同レースに対しての並々ならぬ熱意を語っていましたよ」(競馬誌ライター)

 そんな国枝師が今年の3歳牡馬で期待を抱いていた1頭にダノンザタイガーがいる。同馬は2020年のセレクトセールにおいて約3億円で取引されており、『東京スポーツ』の取材に対しても「今まで扱った牡馬の中では一番の感触かな」と大きな手応えを口にしていた。

 しかし、年明けの共同通信杯(G3)で1番人気3着に敗れると、次戦に予定していた若葉S(L)の出走も見送り。最終的には青葉賞も脚部不安で回避して春の全休が決まった。

「残念なニュースでしたが、その際に国枝師は『青葉賞はサトノトルネードに頑張ってもらいます』と改めて僚馬に期待を込めていました。

厩舎には3歳牡馬のオープンがダノンザタイガー以外にいないこともあって、サトノトルネードが最後の希望のような存在かと思われましたが、残念ながらこちらもフレグモーネで回避……。国枝厩舎は今年もダービー制覇の悲願に限りなく赤に近い黄信号が点灯してしまったと言わざるを得ません」(同)

 ちなみに国枝師は現在68歳。2026年2月末に定年を迎える予定のため、ダービーに挑戦できる機会は今年を含めてもあと3回しかない。果たして、残された時間の中で悲願達成はなるだろうか。アーモンドアイ、アパパネのような「牡馬」の登場に期待したい。

GJ 編集部

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