「単勝1.9倍」復帰戦でシンガリ大惨敗…クラシックホースの父を彷彿とさせる逸材「14分の3」運命のいたずらで生じた狂いも影響か
29日、東京競馬場の6Rに行われた3歳1勝クラス(芝1600m)は、後方追走から直線で豪快な伸びを見せた6番人気ニシノライコウが優勝した。
鞍上の永野猛蔵騎手はレース後、「馬が成長してきた感じがします」と本格化の兆しを予感させるコメント。勝ちタイムの1分32秒3は、今年開催された東京・芝1600mのレースで東京新聞杯(G3)に次ぐ2位の好時計でもある。これからのマイル路線で面白い存在になりそうだ。
その一方で、単勝1.9倍の1番人気に推されていたダノンゴーイチ(牡3歳、美浦・菊沢隆徳厩舎)と戸崎圭太騎手のコンビだったが、直線で伸びを欠くとまさかのシンガリ13着に敗れている。
同馬は昨年9月、中山の芝マイル戦でデビュー。3コーナーを通過した付近で大きな不利を受けたが、すぐに盛り返して2馬身半差の完勝を収めた。跨っていた戸崎騎手も「不利がありましたが平然とクリアしてくれましたし、強い内容だったと思います」と褒め称えたほどの逸材である。
また、ダノンゴーイチが最後の直線で見せた前脚を高く上げる独特のフットワークは、皐月賞馬である父イスラボニータの走りを彷彿とさせるようなものがあった。ネットなどでは一部ファンからも「イスラボニータと重なって見えた」などといった声も上がったほどである。
当然のようにクラシック戦線での活躍が期待されたが、その後に無念の骨折が判明。ただ、程度が軽かったことがせめてもの救いだったといえるだろう。
今回、約7ヶ月半の休養を経て2戦目に臨んだダノンゴーイチと戸崎騎手は、ゲートを無難に決めると、前から5番手くらいのポジションを引っ張りきれないほどの手応えで追走。最終コーナーを通過して直線に向き、ここから豹のような走りで伸びてくる姿を期待したファンも多かったと思われる。
だが、その予想に反してダノンゴーイチは馬群でもがくと、徐々に後ろへと下がっていってしまう……。ラスト100m付近でシンガリまで後退すると、戸崎騎手も手綱を抑えて追うのをやめてしまった。
前半1000m通過は57秒8とそれなりに速く流れていたものの、好位を追走していた馬たちが2、3着に残っている。それを考えると直線で失速していったダノンゴーイチの走りは物足りなかったといえそうだ。
レース後のSNSやネット掲示板などにも「嘘だろ……」「1勝クラスなら休み明けでも楽に通過すると思ってたのに」「時計の速い決着に対応できなかったのかな」など、目の前の結果が信じられないといったようなコメントが寄せられていた。
「14分の3」運命のいたずらで生じた狂いも影響か
「ダノンゴーイチはもともとニュージーランドT(G2)で復帰を予定していましたが、賞金不足で除外。そのため、次週のアーリントンC(G3)にスライドしたものの、こちらも抽選で漏れてしまうなど2週連続で除外という憂き目にあっていました。
ちなみにアーリントンCは14分の11という確率で出走できる計算でしたが、まさかのハズレとなる3の方に当たってしまうという運の悪さ。これにより臨戦過程に狂いが生じていたことも、今回の大敗と無関係ではないかもしれません。
ただ、それでも初戦で見せたパフォーマンスを考えると、ここまで負けるような馬でもないと思われます。故障明けの一戦だっただけに、何らかのアクシデントが生じていなければよいのですが」(競馬誌ライター)
今回の惨敗でさすがに春は厳しくなったと言わざるを得ないが、新馬戦の勝ちっぷりからすると能力は間違いなく秘めていると思われる。しっかりと立て直しを図って巻き返してくれることに期待したい。
PICK UP
Ranking
11:30更新- “ルメール依存症”が日本ダービーにも影響?春のG1シーズンで思わぬ誤算…「28連敗」の敏腕トレーナーに試練のトライアル
- 【天皇賞・春】関東クラシック馬タスティエーラ、ドゥレッツァVS関西テーオーロイヤル、ディープボンドら最強ステイヤー軍団。激戦の鍵を握る“第3の刺客!?”
- 「オーナーの逆鱗」に触れた原優介が突然のクビ宣告!? 帝王賞でウィルソンテソーロ降板も決定済み…気になる「鞍上交代」はやっぱりアノ人?
- JRA「出禁」になったO.ペリエ「税金未払い」騒動!? L.デットーリ「コカイン使用」K.デザーモ「アルコール依存症」過去の”外国人騎手トラブル”に呆然……
- 【天皇賞・春】横山典弘「前ポツン」にファンは狂喜乱舞? 20年前の逃亡劇再現あるか……マテンロウレオ陣営も不気味なコメント
- JRA「一寸先は闇」のような勢力図の激変…注目集めた若手同期の明と暗、あの「お騒がせ騎手」が佐々木大輔に続くブレイク?
- 【天皇賞・春】菱田裕二「師弟コンビ」で悲願の初G1制覇へ! 川田将雅、C.ルメール不在もチャンス、「勝率5割」のデータが人馬を後押し
- C.ルメール「ダービーは絶対大丈夫」復帰いよいよ秒読み! ドウデュース武豊と同じく騎乗数セーブ予想も…春G1で復活インタビューとなるか
- 本命馬が出遅れたら「自分の勘を疑うべき」なのはなぜか?キャプテン渡辺が考える「今日はダメだサイン」2つ【徒然なる神のくず競馬トーク】
- 【天皇賞・春(G1)】武豊×ドウデュースの復活勝利も霞むC.ルメールの神騎乗! 「死枠」克服を完璧に読み切った古馬王道路線の鬼が降臨
関連記事
JRA天皇賞・春(G1)“複勝なら鉄板?” 令和のシルバーコレクター候補ボルドグフーシュは最強2勝馬サウンズオブアースの後継者?
C.ルメール「G1ホースだと思う」も笑顔なし!? 青葉賞(G2)完勝で安藤勝己氏から太鼓判も、スキルヴィングで「日本ダービー当確」にならない理由
【天皇賞・春(G1)予想】タイトルホルダーは押さえまで、ボルドグフーシュを切る代わりに3年ぶりの京都で狙いたい穴馬をピックアップ
今村聖奈に続くライバルの「卒業」でチャンス到来も? 怪我を乗り越えた女性騎手に「ブレイク」の予感
JRA【天皇賞・春(G1)予想座談会】武豊が披露した「反則的秘策」に大爆笑、注目すべきはやっぱり横山一家も…一発の期待はとっておきの大穴で