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JRA天皇賞・春(G1)“複勝なら鉄板?” 令和のシルバーコレクター候補ボルドグフーシュは最強2勝馬サウンズオブアースの後継者?

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ボルドグフーシュ 撮影:Ruriko.I

 タイトルホルダー、ジャスティンパレス、ボルドグフーシュ、アスクビクターモア、ディープボンド、シルヴァーソニック。

 最強ステイヤーを目指し、“6強”が激突する今週末の天皇賞・春(G1)。 注目はタイトルホルダーの連覇なるか、それともジャスティンパレス、ボルドグフーシュ、アスクビクターモアら4歳馬が世代交代を成し遂げるか。あるいは覚醒したシルヴァーソニックが名手ダミアン・レーン騎手とともに頂点まで突き進むのか、さらには2年連続2着に甘んじているディープボンドが悲願のG1制覇となるかあたりだろう。

 馬券的にもなかなか興味深いレース。1番人気が想定されるタイトルホルダーが中心なのは間違いないが、人気が割れてオッズも分散し、配当妙味が高い。加えて、他の陣営が今年も同馬に楽な展開を許すとは到底思えない。タイトルホルダーが沈めば一気に波乱となり高配当となるのは必至で、同馬の取捨選択が馬券戦術のカギとなりそうだ。

 となれば、馬券の中心として最適なのは、タイトルホルダーでもジャスティンパレスでもなく、ボルドグフーシュではなかろうか。勝ちきれないものの抜群の安定度を誇る同馬には、かつてシルバーコレクターとして名を馳せたサウンズオブアースと重なる部分がある。

“複勝なら鉄板?

 サウンズオブアースは「最強の2勝馬」として知られ、主な勝ち鞍は3歳4月に勝利したはなみずき賞(現1勝クラス)。しかしながら3歳時に京都新聞杯(G2)2着、神戸新聞杯(G2)2着、菊花賞(G1)2着と一線級で活躍した。

 古馬になっても京都大賞典(G2)2着、有馬記念(G1)2着、日経賞(G2)2着、ジャパンC(G1)2着など、実に重賞レースで7度の2着がある一方で、3着は一度もないという“完璧な”シルバーコレクター。その安定した成績には、多くのファンが馬券でお世話になったはずだ。

 他にもシルバーコレクターといえばカレンブーケドール、エタリオウ、ウインバリアシオンといった面々も浮かぶが、主な勝ち鞍が1勝クラスの条件戦というところがサウンズオブアースの際立つところ。

 そういった意味でボルドグフーシュもまた、主な勝ち鞍は3歳6月の一宮特別(2勝クラス)であり、その後は菊花賞2着、有馬記念2着、阪神大賞典(G2)2着と着実にシルバーコレクターへの道を歩んでいる。特に2200m以上の距離を使い始めてからの安定度は別格で、合計7戦して【2.3.2.0】と複勝率は100%。ジャスティンパレス、ディープボンド、タイトルホルダー、シルヴァーソニックたちのライバルを大きく上回る安定度で、全出走馬でも唯一のものだ。

 この天皇賞でもボルドグフーシュが3着内に好走する可能性は高く、つまり複勝馬券は“鉄板”といえるのではなかろうか。

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川田将雅騎手 撮影:Ruriko.I

 また、鞍上の川田将雅騎手は長距離戦で勝ち切れないことも知られている。例えば3200mの天皇賞・春はこれまで未勝利で、同じく3000mの阪神大賞典も未勝利。菊花賞は1勝しているが、3400mのダイヤモンドS(G3)は未勝利。3000m以上のJRA重賞はわずか1勝しかしていない。この成績だけで川田騎手が長距離戦を苦手としているとは言い切れないが、プラスのデータでないことはいうまでもない。

 以上のデータや傾向から、長距離戦で勝ちきれない川田騎手と、長距離戦で複勝率100%のボルドグフーシュのコンビは、この天皇賞・春にて複勝向きの馬。波乱含みの天皇賞・春で、最もリスクの少ない馬券対象馬といえよう。

仙谷コウタ

仙谷コウタ

初競馬は父親に連れていかれた大井競馬。学生時代から東京競馬場に通い、最初に的中させた重賞はセンゴクシルバーが勝ったダイヤモンドS(G3)。卒業後は出版社のアルバイトを経て競馬雑誌の編集、編集長も歴任。その後テレビやラジオの競馬番組制作にも携わり、多くの人脈を構築する。今はフリーで活動する傍ら、雑誌時代の分析力と人脈を活かし独自の視点でレースの分析を行っている。座右の銘は「万馬券以外は元返し」。

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