武豊の起用を巡ってオーナーと調教師が衝突!? 弟子を守りたい師匠は転厩も覚悟…圧勝に沸いた乗り替わり劇の舞台裏

3日に園田競馬場で行われた兵庫チャンピオンシップ(G2)は、単勝1.4倍の断然人気に支持されたミトノオー(牡3、美浦・牧光二厩舎)が、2着キリンジに6馬身の差をつける大楽勝だった。
好スタートから先手を取り切ると、道中は終始楽な手応えで一人旅。セーフティリードを保って最後の直線を迎えると、持ったままでゴール板を駆け抜けたのだから、ここではモノが違った。
この圧勝劇には鞍上の武豊騎手も「本当に強いレースでした」と驚きを隠せなかった様子。多くの名馬とコンビを組んできたレジェンドから「素質はすごくある」「まだまだ良くなりそう」「今後楽しみです」「このまま成長してくれれば、もっと大きいところも狙える」と大絶賛が続いたのだから、もしかすると相当な大物かもしれない。
GW中の開催、競馬界のレジェンドが参戦するとあって、この日の園田競馬場には多くのファンが駆け付けた。大観衆を前に完璧な騎乗で期待に応えたあたりは、さすが武豊といったところか。
ただ、本馬を管理する牧光二師の胸中は少々複雑だった可能性もある。
とうのも、武豊騎手が初コンビだったことから分かるように、元々ミトノオーは弟子の木幡巧也騎手が主戦を任されていた馬であり、今回の乗り替わりはオーナーサイドからの要望で実現した経緯があったからだ。
乗り替わった武豊騎手が見事な騎乗を披露したことは間違いないが、師匠としては苦楽を共にしてきた弟子を乗せてやりたかったという想いもあっただろう。こちらについては関係者から少々気になる話を聞くことができた。
圧勝に沸いた乗り替わり劇の舞台裏
「4番人気でデビューしたように、当初のミトノオーはここまで期待の大きかった馬ではありませんでした。ですが、黒竹賞(1勝クラス)や伏竜S(OP)を楽勝し、タダモノではないという声が出始めたタイミングでオーナーサイドから『鞍上を武豊にして欲しい』というオーダーがありました。
しかし、これに難色を示したのが牧調教師です。何しろ牧厩舎は弟子の木幡巧騎手が最優先で、次に石橋脩騎手という方針。そのため、乗り替わりを拒否した結果、転厩となっても仕方ないと腹をくくったそうですが、木幡巧騎手のエージェントを任されている小野氏が間に入って牧師を説得し、何とか穏便に収まったみたいです」(競馬記者)
とはいえ、競馬界の第一人者である武豊騎手が騎乗したことにより、より多くのファンが園田競馬場に訪れたことは間違いない。
「馬主になったからには、武豊騎手に乗って欲しいと考える人はまだまだ多いです。馬主ともなると、年齢的にも若い世代の人より40代以降がほとんどですから、オグリキャップやディープインパクトなど、全盛期の姿が思い浮かぶのでしょう。
所有馬に武豊騎手が乗るのは、馬主にとっても大きなステータスです。また、そういった時にしっかりと結果を出すのも武豊騎手の凄さ。次走以降の継続騎乗も既に決定しているようで、順調なら更に大きな舞台への挑戦も視野に入っているようですよ」(同)
圧倒的な強さを見せたミトノオーだけに、木幡巧騎手のままでも圧勝した可能性は十分に考えられるものの、武豊騎手の参戦で兵庫チャンピオンシップが、大きな盛り上がりを見せたことも事実。改めて「武豊ブランド」のパワーを象徴するような乗り替わり劇だった。
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