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捨てたC.ルメールVS拾った武豊!?「スキルヴィング>ファントムシーフ」は真実か。打倒ソールオリエンスを巡る日本ダービー「鞍上問題」

捨てたC.ルメールVS拾った武豊!?「スキルヴィング>ファントムシーフ」は真実か。打倒ソールオリエンスを巡る日本ダービー「鞍上問題」の画像1
ソールオリエンス 撮影:Ruriko.I

 来週末28日に東京競馬場で開催される第90回・日本ダービー(G1)の特別登録馬がJRAの公式HPで発表され、今年の3歳馬の頂点を争う18頭の陣容がいよいよ固まった。

 中心は当然、無敗の皐月賞馬ソールオリエンスと横山武史騎手になるが、今年のダービーを占う上で大きなポイントになるのが、例年以上の動きを見せた「鞍上問題」だろう。

 かつて、競馬界には「乗り替わりでダービーは勝てない」という格言があった。

 1985年のシリウスシンボリ(岡部幸雄騎手→加藤和宏騎手)を最後に、長くダービーと共にあった格言の1つだが、一昨年に川田将雅騎手から福永祐一騎手へ乗り替わったシャフリヤールが勝ったことで、37年続いたジンクスがようやく払拭された。

 そんな経緯もあってか、今年は皐月賞の2着タスティエーラ、3着ファントムシーフに加え、3番人気で10着だったベラジオオペラ、9着フリームファクシ、昨年のホープフルS(G1)を勝ったドゥラエレーデらが続々と新たな鞍上を発表……。異例の乗り替わりラッシュとなって本番を迎えている。

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C.ルメール騎手 撮影:Ruriko.I

 中でも最大の注目を集めたのが、C.ルメール騎手の新パートナー選びだろう。

日本ダービー「鞍上問題」の裏側

 皐月賞では1番人気のファントムシーフに騎乗して3着だったルメール騎手。例年なら、継続騎乗が当然の有力コンビだが、ここでひと悶着入るのは、引く手あまたのトップジョッキーならでは。

 もう1頭の有力なお手馬スキルヴィングによる「青葉賞(G2)の結果待ち」という異例の対応が取られたが、結果は2着ハーツコンチェルトに半馬身差をつける完勝だった。

 レース後、ルメール騎手から「G1ホースだと思います」と日本ダービーでの騎乗馬決定を思わせる発言が飛び出したことで、ファントムシーフとスキルヴィングの両陣営による“ルメ-ル争奪戦”は決着した。

 一方、ファントムシーフは昨年のダービージョッキー武豊騎手との新コンビが決まった。

 ファントムシーフ陣営にとって、ダービー6勝を誇るレジェンドが空いていたことは不幸中の幸いだったが、この乗り替わり背景にはルメール騎手と武豊騎手が共通のエージェントを介している点も小さくないだろう。

 ちなみに武豊騎手は皐月賞でタッチウッドに騎乗して13着だった。共同通信杯(G3)2着馬だけに、同じ東京で行われるダービーでの巻き返しが期待されたが、残念ながら賞金不足で除外。そこに回ってきたのがファントムシーフだったというわけだ。

 武豊騎手にとっては皐月賞3着馬で挑むのは、昨年のドウデュースと同じ。皐月賞の1番人気馬だった点も共通している。本人も公式HPで「やっぱりいい馬です。楽しみなダービーになりました」と、さっそく2週前追い切りに騎乗するなど、力が入っている様子だ。

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ファントムシーフ 撮影:Ruriko.I

 ただし、ルメール騎手がスキルヴィングを選んだことで「スキルヴィング>ファントムシーフ」という下馬評が明確になったこともまた事実だ。

 多くのファンが注目していただけに、この2頭の関係性はそのまま日本ダービーのオッズにも反映されそうだが、ある記者からは「鵜呑みにするのは危険」という話があった。

「スキルヴィングが非凡な才能の持ち主であることに疑いの余地はありませんが、ルメール騎手が乗ることになっただけで、ファントムシーフとの勝負付けが済んだとは思っていません。

ゆりかもめ賞(1勝クラス)、青葉賞を連勝しているスキルヴィングですが、同じ東京・芝2400mでも日本ダービーは別物。『青葉賞組はダービーを勝てない』というシンクスは周知の通りですし、ゆりかもめ賞の勝ち馬からもダービー馬は出ていません。2018年のブラストワンピースもゆりかもめ賞の4馬身差圧勝が評価されて2番人気に推されましたが、5着に敗れています。

また、ファントムシーフが一口馬主クラブであるターフ・スポートの所属馬であることに対して、スキルヴィングはルメール騎手と関係が深いノーザンファーム系の一口馬主クラブであるキャロットファームの所属馬。この辺りも今回の取捨選択に小さくない影響を与えていると思います」(競馬記者)

 皐月賞では3着だったものの、勝ったソールオリエンスには完敗という印象だったファントムシーフ。ルメール騎手が他の馬で再挑戦したくなる気持ちは多くのファンも理解できるところだ。

 だが、「向正面で後ろ脚を落鉄しました。その分、3、4コーナーで内にモタれた」「こんな馬場(重馬場)で走りづらそうだった」とは、ファントムシーフと挑んだ皐月賞直後のルメール騎手本人の言葉である。

 果たして「スキルヴィング>ファントムシーフ」という下馬評は、本当に鵜呑みにして良いのだろうか。打倒ソールオリエンスを巡る2頭の関係性にも注目したい。

GJ 編集部

GJ 編集部

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